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日本選手権(女子フィールド)

やり投で海老原が2投目でトップに立つと4投目にj56m71を投げ、B標準突破して優勝。代表に近付いた。

棒高跳は4m30以上の記録を持つ選手のうち日本記録保持者の錦織とその前の日本記録保持者の近藤がともに4m10を失敗して記録なし、中野が4mは成功するも4m15を失敗。唯一4m10を成功した我孫子に優勝が転がり込んだ。A標準とかいう以前に全く勝負にならず煮え切らない競技だったに違いない。

ハンマー投は予想通り室伏と綾の一騎打ちとなったが、優勝した室伏でも62m98と低調。2人で67m台を投げていた頃は世界が見えていたのだが、このところは霞んでしまっている。

三段跳も世界が全く見えない種目。吉田が13m12とかろうじて13mを超えたが、B標準でも14m00。走幅跳で記録を伸ばしてきた桝見あたりが本気でやらないと14mには届きそうにない(桝見の三段跳はあまり聞かないが、4年前に13m11を跳んでいる)。

砲丸投は豊永が優勝したが記録は15m66。自己記録にも2m近く足りない。B標準が17m20とかつてよりかなり下がっているのでB標準くらいは行ってもらいたいのだが。未だに森千夏の永眠が惜しまれる。

走高跳は福本という聞きなれない選手が1m86で優勝したが、旧姓青山。ハニカット(太田)、今井が退いたあとはもうこの選手しかいないのが寂しい。2位でも1m78でこの種目の凋落は激しい。

走幅跳は桝見が6m57で優勝。池田はまさかの3位(6m42)。桝見はB標準(6m60)を突破していないので今大会の結果で代表に選考されることはないが、もし6m60を超えていたらどうなっていたか?不調に陥っている池田より勢いのある桝見を選ぶということもあったのではないか。池田の不振の原因は福島回帰にあるのではないかと思うのは私だけだろうか。落ち着いて1ヶ所で競技に打ち込んだほうがいいと思うのだが。

円盤投は室伏がハンマーと合わせ2冠を達成したが、53m36はB標準に5m64も足りず、本人のベスト記録にも5m以上及ばない。それでも2位を5m40も引き離すという状況で、この種目の将来は一体どうなってしまうのか。

7種競技は第一人者の中田が順当勝ちしたが、5576点と自己記録に遠く及ばないばかりか、B標準(5800点)にも全く届かず。自己の持つ日本記録の時と比べると、投擲と800mはそれほど乖離がないが、スプリント(100mH、200m)と跳躍(走高跳、走幅跳)がかなり落ちているのが気になる。

日本選手権(男子フィールド)

まずはハンマー投で室伏が代表内定。今季初戦であり、相手が日本選手ということで76m台、よくて78m台と思っていたのだが、結果は80m98。すご過ぎる…。内容も1投目76m99であっさり事実上優勝を決めたあと、2~4投目は79m台、5、6投目で80m台と尻上がり。百戦錬磨の鉄人だけに本番もメダルは手堅く取ってくれるだろう。

円盤投は世界から最も遠い種目の一つ。その中で畑山の60m突破と日本新だけが関心事だったが、畑山は55m56で2位。代わって小林が優勝したものの56m27とやはり世界は遠い。

砲丸投も世界から遠いが日本記録18m56を持つ畑瀬や18m43の村川らが19mを超えてくると少し世界が見えてくる。しかしその畑瀬は右脚の故障で痛みを我慢しながらの懸命の投擲。結局村川が勝ったものの記録は17m50と低調。

走幅跳は菅井がB標準を超える8m13を跳ぶも追風参考。優勝はしたものの公認記録は7m79で2~5位を下回る。唯一B標準記録を突破している荒川は故障らしく7m35の低空飛行。

棒高跳は澤野が5m60の1回目を失敗してひやっとしたものの、2回目にクリアし優勝を決めた。続く5m70は3回目に決めたが、今回も脚に痙攣がきたらしく、そこで試技は中止。まだ痙攣癖は克服できていないようだ。鈴木が5m60を跳んでいれば澤野も慌てただろうが、まだ5m60は簡単に跳べる高さではない。しかし5m50の試技には笹瀬も残ったし、最近まで見られた澤野以外の全員の試技が終了した後で澤野登場、という状況からは改善している。学生新をマークした荻田は5m20に終わった。

三段跳は雨の影響もあったか、優勝記録は16m30(石川)に終わった。大学生でも16mを跳ぶ選手は少なくないのだが、そこからが伸びない。

やり投は村上が79m71とB標準を超えての優勝。A標準こそ超えていないものの、安定性があり、代表には選ばれるものと思われる。この種目で9連覇というのもなかなかできることではない。

10種競技も金子が8000点目前までいってから早15年。今回も自己記録7803点の田中が臨んだが7594点。競技人口の少なさもありB標準は7700点とそれほど高くはないのだが。

日本選手権(女子中長距離)

10000mは歴史的な好レースと言えるだろう。スタート直後は赤羽が先頭を切ったが、1000m過ぎからはずっと渋井がレースを引っ張る。リアルで見ていたらペースメーカーに終わってまたも五輪代表を逃すと思っただろう。レースが動いたのは8000m。7600m辺りで松岡が交代し、渋井、赤羽、福士の三つ巴。まず動いたのは赤羽。しかし急激な変動はなく、その後に福士が前に出たところで一気にペースが上がる。昨年までの福士ならここでリードして安全圏だったであろう。しかし福士の走りは昨年とは違い、推進力が弱い。一瞬赤羽が遅れかけるが追いつき、ラスト1周のバックストレートで逆に赤羽が一気にスパート。福士が遅れるが渋井は差を保ち、最後の直線でついに赤羽を差した。感動的なレースだった。渋井と福士の差はマラソンを走った時期の差が出たのではないか。11月の東京に出た渋井は完全に復調していたが、1月の大阪に出た福士はまだ回復途上。むしろ31分18秒まで復調したのさえ驚きでもある。このレースを見れば優勝を逃した赤羽、福士とも文句なしに選ばれるのではないか。

800mは佐藤が本調子にはほど遠く、自ら引っ張れない状態では記録も望めず。優勝はしたものの2分05秒37の凡記録。個人的には女子800mを変える可能性があるのは丹野だと思っている。

3000mSCは終始先頭を走った早狩が優勝し、代表内定。発展途上の種目とはいえ、35歳での初五輪は賞賛もの。逆に2位以下は徐々に底上げされてきているが、もっと走力が必要。(早狩は5000mベスト15分11秒)

1500mは小林がいない中、特別ハイペースではないものの吉川がスタート直後から先頭を引っ張り、ラストも他を寄せ付けず圧勝。力をつけている。ラスト300mは47秒0で、ラストの切れ味だけなら小林を上回るのではないか。まずは4分10秒を切ってほしい。

5000mは小林が15分11秒97で優勝、すでにA標準は破っているので代表内定。本人は1500にこだわりがあるだろうが、世界的に見れば5000mの方が近道。レースを見ていないので何ともいえないが、ラスト1000mは2分53秒だったようだ。赤羽、福士、渋井が続いたが、10000mの疲労もあり、1500m選手の小林のこのスピードにはついていけなかったか。本番では14分台と決勝進出を期待したい。

日本選手権(男子中長距離)

10000mはA標準を突破している松宮が優勝でタイムも27分51秒27の好記録なので文句なし。ラスト1000mも2分39秒と切れ味も十分。大野、三津谷も27分台ということで選ばれる可能性はある。しかし功労者は木原だろう。最終的には6位に終わったが8000mまでずっと先頭を引っ張り続け、今回の好記録を生み出した。

800mはB標準を切るために自分で引っ張ると意欲的だった横田が予告通りオープンレーンから先頭を引っ張ったが、200m過ぎから中だるみして400mを53秒の通過。先頭で消耗したか、第3コーナーで口野にリードを許し、差し返せなかった。勝負に徹して後方で待機すれば得意のパターンで勝てただろうが、B標準を切らなければ話にならない状況ではやむを得ない。男子のトラック種目では最も遅れている種目だけに、他の選手にももっと積極性がほしい。

5000mも松宮が勝って2冠。2種目で代表権獲得。2位竹澤も当確のようなことがメディアに出ていたが、勝負重視とはいえ13分49秒のタイムで選んでいいのか?と個人的には疑問。1000mは中山卓也(30位)、2000mは柴田(19位)、3000mは佐藤秀和(15位)と下位の選手に引っ張らせ、代表権を勝ち取るというようなレースをしていない。

3000mSCは岩水が磐石なレース運びで確実に代表権獲得。最後意地で8分30秒を切りに行ったのも好感。インタビューではメダルを取ると言っていたが、それはさすがに無理でもなんとか決勝進出と日本新達成を果たしてほしい。

1500mは優勝すれば代表入りと勘違いでもしているかのような超スローな展開。見ていても完全に興ざめ。完全に勝利を手中にしたはずの渡辺が残り30m位のところでまさかの転倒。あのままゴールしていればラスト400mはおそらく53秒台だったが、限界を上回るスピードに脚がついていかなくなったものと思われる。それほどに残り150mあたりからの渡辺の走りはすさまじかった。

日本選手権(女子短距離)

200mは福島が100mに専念した関係で注目度が低いレースとなってしまった。-1.1の中23秒84の信岡は悪くはないが世界は遠い。注目の中村宝子も疲労が出たか、得意の向い風でも3位に終わった。

400mHは脚を引っ掛けさえしなければ負けそうにない久保倉が56秒21で優勝。A標準には届かなかったものの、代表には選ばれるのでは。青木が56秒93と56秒台に入ってきたのは楽しみ。

100mHは石野が今大会でB標準を切って圧勝なら選考の可能性もあったが、3位に終わった。

400mは丹野が順当勝ちしたものの、52秒68は期待外れ。雨の中とはいえ、2位以下のタイムやほぼ同条件で行われた男子のタイムと比較しても、52秒は切ってほしかった。

100mは福島の力が完全に頭一つ抜けていた。軸足がしっかり推進力を地面に伝え、キック時に伸び切ることなくすばやく切り返す技術が他の選手より優れている。だから雨や向い風でも走れる。細身の身体はこれまでと違うタイプだが、アリソン・フェリックスなど世界的選手もいる(全米選手権は5位に終わったらしいが)。A標準は突破していないが代表に選んで世界を経験してきてほしい。

日本選手権(男子短距離)

競技順では400mHがまず決勝第一弾。調整不足で50秒を切ることさえ困難かと思われた為末の決勝一発にかけた集中力は見事としかいいようがない。成迫も持ちタイム、実績、期待度から言って代表当確か。

200mでは末續の失速に誰もが目を疑ったのではないだろうか。しかしすでに日本記録を出した頃の鋭さはここ数年影をひそめているし、そろそろ世代交代の時期か。しかし高平とて絶対的な力を持っているわけではなく、伊東、末續と続いた黄金期の後の低迷期に入るかもしれない。

110mHは内藤が2位との差0.07秒だったが、内容的には全く危なげなかった。世界のレベルは上がっているので、五輪では13秒39の日本記録を更新してほしい。

400mは関東インカレで負傷した金丸がどこまで回復しているかが注目だったが、雨の中45秒69で圧勝。さすがに回復が早い(40過ぎのオジサンとは違う)。心配なのは肉離れ癖がついていること。大阪の再現だけはしてほしくない。

100mは塚原が雨の中いい走りで朝原を後半引き離して優勝。しかし3位以下が物足りない。おそらくリレーは順当にいけば塚原、末續、高平、朝原でいくと思われるが、200m選手頼みではメダルは厳しい。末續も今回の失速で印象が悪いし。

静岡国際陸上

今年も審判員で参加しました。ただ、今回は競技者係(招集係)で、しかも招集場所がバックスタンドの下ということで、競技はほとんど見られなかったのが残念です。掲示板の記録用紙を見て「あ、日本新出たんだ…」という感じ。

でも競技前の選手の様子は観察できました。例えば先日女子100mで日本タイを出した福島選手などは、招集場所に来るのが予選も決勝も一番乗りだったし、「この間は日本タイおめでとう」と一言かけると、照れながら「ありがとうございます!」と返事したりと、初々しさが残っていて好印象でした。棒高跳の澤野選手あたりになると他の選手からも雲の上の存在という感じで常に選手達の中心にいる感じでした。

競技の方は女子400mで丹野選手が51秒75の日本新、金丸選手が男子400mで45秒21のA標準突破と400mで好記録が出ていました。風がいい感じ(常に追風のような感じ)で回っていたように思います。男子走高跳の醍醐選手が2m27、女子走幅跳の池田選手が6m51(+1.3)でそれぞれ復調の兆し。女子200mでは福島選手が23秒13、中村宝子選手が23秒35と好記録を出しましたが惜しくも+2.7mで追風参考。

残念だったのは男子10000m。残念なのは記録ではなく、コール遅れで棄権となる選手が多数出たこと。招集開始時刻に既にいたのは2名のみ。その後招集終了時刻までに集まったのは3~4名のみ。しばらく様子を見て、招集終了後1~2分後に7~8名が来ましたが、招集の審判長判断でここまでは救済。その後更に5分以上遅れて外国人選手を含む数名が現れましたが、既に点呼済の選手はグラウンドに移動した後。当然ながら受付けませんでした。

その後、どこかのチームのコーチらしき人が来て、コール場所がわからず迷ってしまった、外国人だからわからなかった、等々言い訳をして何とか救済してもらえないか、と訴えていましたが、小学生や中学生で初めて試合に出る選手じゃあるまいし、試合会場に来たらまずすべきは自分が出る種目の招集時間と招集場所の確認ではないでしょうか。まして招集所まではIDカードを持ったコーチや通訳も同伴できるのです。なお、他のグランプリ種目ではコール時間の遅延はほぼ皆無でした。

ちなみにこのレースではダビリ選手が自分以外の全選手を周回遅れにし、27分14秒03の好記録を出しましたが、ダビリ選手は招集は2番目に早々と済ませ、他の選手が一向に集まらないのに長椅子に座って落ち着き払っていました。このあたりのレースに臨む姿勢に日本男子長距離界の低迷の理由が垣間見えるような気がします。

2008年ルール改正(6)

短距離種目のスタート準備の際の注意事項です。

〔第162条5〕
「位置について」または「用意」の合図で、競技者は、ちゅうちょなく完全にして最終の用意の姿勢をとらなければならない。
「位置について」または「用意」の合図の後、信号機や認可されたスタート装置の発射前に、正当な理由もなく手を挙げたり、クラウチングから立ち上がった場合は(そのような理由は審判長によって見きわめられるが)審判長はその競技者に不適切な行為として警告する。
〔注-IAAF〕
スタート中止の原因が他の理由によるものであれば、不正スタートは競技者に原因がないことを示すために緑旗(カード)を全競技者に示すべきである。

下線部が追加された部分です。高いレベルの競技会になるほど、位置についてから(集中できないのか?)手を挙げて中断を促すケースが散見されます。世界選手権でもよく見られました。こういった行為を慎むよう明文化したものです。ただし判断は(スタート地点にいるわけではない)審判長に委ねられるということで、どれだけ徹底されるかは疑問。

見慣れない緑旗または「グリーンカード」も今年の競技会では頻繁に見られることになるでしょう。

2008年ルール改正(5)

3000m障害の水濠の規格が変わります。

〔第169条6〕
(本文省略)
〔注-IAAF〕
水濠のトラック表面レベルからの水深は70cmから50cmまでとする。水濠のスロープは、図で示されているように、維持されるものとする。新しく建設される水濠は、より浅く建造されることを推奨する。

水濠の傾斜は変わらないものの、最深部の水深はこれまで70cmだったものが、50~70cmと幅ができ、特に新しく造る場合は50cmを推奨ということで、今後は水深50cmがスタンダードとなります。これは女子選手に配慮したものと思われますが、3000mSCに対して日の浅い高校生などでも、水濠の恐怖感が多少なりとも和らぐのではないでしょうか。

2008年ルール改正(4)

「高さ」を争う競技の優勝決定戦(ジャンプオフ)の高さの設定方法が変わりました。

〔第180条8(c)(i)〕
第1位を決めるには、第181条1に基づき、同成績の競技者全員が成功した次の高さで、もう1回試技を行い、同成績者がいずれも成功するか、失敗して決定に至らなかった場合は、バーは走高跳は2cm、棒高跳は5cmそれぞれ上げ下げして行う。(以下省略)

例えば走高跳で1m88を成功した選手が複数いて、次の高さ1m91はいずれもパス、その次の1m94はいずれも失敗した場合、現行ルールでは試技の権利を失った1m94からジャンプオフをスタートしていましたが、新ルールでは最後に成功した次の高さである1m91からジャンプオフが開始されます。

2008年ルール改正(3)

次は上位ラウンドにおけるシード選手のレーン割り当てです。

これまで上位ラウンド進出の際にシードとなった場合は、3~6レーンが割り当てられ、シード外は1,2,7,8レーンが割り当てられましたが、新ルールでは、シードが3~6レーンというのは変わりませんが、シード外選手のうち下位2名は1,2レーン、上位2名は7,8レーンが割り当てられます。

なお、9レーン使用する場合は、上位4名がシードで4~7レーン、シード外の上位2名が8,9レーン、下位3名が1~3レーンとなります。

2008年ルール改正(2)

リレーのオーダーについては大幅な改定があり、現場の混乱が懸念されます。

〔第170条17〕
リレーチームの編成メンバーは、どのラウンドにおいてもその競技会のリレーまたは他の種目に申し込んでいる競技会であれば出場することができる。ただし、本連盟の公認競技会では出場するメンバーのうち少なくとも2名はリレーに申し込んだ競技者でなければならない。最初のラウンドに出場したメンバーはその後のラウンドを通して、2人以内に限り、他の競技者と交代することができる。この規則に従わなければ、チームは失格となる。

〔第170条18〕の〔注〕
1 申し込みのときのチームの編成は、原則として6人以内とする。
2 交代とは、一度出場した選手が他の競技者と代わることであり、最初のラウンドにおいてリレーに申し込んでいない競技者が出場する場合は交代と見なさない。
3 前のラウンドに出場した競技者が一度他の競技者と代わり、再びリレーチームに戻る場合は、新たな交代競技者数には加算しない。

第1のポイントは、最初のラウンド(予選)ではエントリーしたリレーメンバー(通常6名)の中から出場しなければならなかったのが、新ルールでは同一競技会にエントリーしている他のメンバーでも出場できるようになったこと(170条17および18の注2)。ただし、最低2名はリレーメンバーから出場しなければなりません(170条17より)。

第2のポイントは、予選を走り、次のラウンドで退いた選手は、その次のラウンドも走れなかったのですが、新ルールでは一度走った選手の再出走が可能になりました(第170条18の注3より)。

第3のポイントは、交代は2人までしか認められないこと。なお、上の2つのケースは「交代」にあたりません。

具体的に予選、準決勝、決勝の3ラウンドを例にしてみます。
予選ではリレーメンバーを最低2名使えば、他の種目から2名出しても構いません。また、この時点で「交代者」は1名も使っていません。
準決勝で2名別の選手を使ったとすると、この時点で交代者は2名です。では交代者を2名使ってしまったので、例えば怪我人が出たら決勝は棄権か、というとそうではありません。予選を走り、準決勝で退いた2名が決勝で復帰するのは「交代に当たらない」からです。このルールを上手く使えば、準決勝の顔ぶれを見て一人休ませ、決勝で再出場するなど、これまでできなかったことが可能となります。また、掛け持ちの選手の使い方も変わってくると思います。

2008年ルール改正(1)

2008年度の審判講習会に行ってきました。大規模な改正ではないものの、競技をする上では影響が大きい改定事項もありました。主なものを一つずつ紹介します。まずは長距離種目に大いに関係あるもの。

〔第147条〕
競技場内のみで行う競技では、男女混合の種目は通常では認めない。しかしながら、第1条1(a)~(h)以外の競技会において、フィールド競技および5,000m以上の競走(歩)における場内の混合競技を認める。第1条1(i)(j)の競技会では、混合競技は地域陸協、各国陸連の特別な許可があれば認める。

第1条1(a)~(h)の競技会とは、いわゆる国際競技会のこと。つまり、トラックでも5,000m以上なら男女混合レースが認められます。これは競技会の時間短縮のため、出場選手が少ない種目を男女混合で行うことを想定しているようです。たとえば県や地域の選手権での10000mや競歩などで、出場者1名のみというのも珍しくありませんでした。

ちなみに現行規定では上記の第1文目のみでしたので、道路競技では男女混合が暗に認められていました。

その他、フィールドでも女子のハンマー投や棒高跳など、出場選手が少ない種目がありますが、これらも対象になります。

北京代表は順当に決定

男子が世界選手権5位の尾方、福岡で日本人1位、2時間7分13秒の佐藤、びわ湖で日本人1位、2時間8分36秒の大崎の3名、補欠が東京で日本人1位、2時間8分40秒の藤原。
女子が世界選手権3位の土佐、東京優勝で2時間21分37秒の野口、名古屋優勝で2時間25分51秒の中村の3名、補欠が大阪日本人1位、2時間25分34秒の森本。

大方の予想通りで全く順当なのだが、意外だったのは、男子の選考順位が佐藤、大崎、尾方の順だったこと。まず2時間7分13秒という高い水準のタイムを叩き出した佐藤がまず決まり、世界選手権6位に加えてびわ湖日本人1位となった大崎が2番手。尾方と藤原の選考に時間を割いたとのこと。世界選手権5位は決して群を抜いて高い評価ではなく、6位、7位となった大崎、諏訪が国内選考会に出ており、しかも藤原は諏訪に勝っていることから、尾方、藤原両選手の評価は近かったようだ。最終的には尾方の実績、安定感が買われた。

女子は土佐は内定済、野口も全く問題なしで3人目はタイムよりも「優勝」に重きが置かれた。優勝と言っても名古屋は外国人の有力選手が出ておらず、日本人の誰かは必ず優勝するわけであるが、出場選手の顔ぶれからして、この中で優勝できたのが高く評価されたようだ。中村と森本は同じ天満屋であるが、武富監督の意見は特に求めなかったという。

この中で一番心配なのはやはり中村選手か。今回が初マラソンだったので当然ながら夏マラソンの経験はなし。本番まで5ヶ月しかないので、初マラソンのダメージを引きずるともう一度身体を作り直す時間がない。1本だけならともかく、短期間で2回続けて結果を出すにはやはり経験がものをいうと思う。まだ21歳なので、周りが過度に追い込んで潰してしまうことのないよう配慮してほしい。

高橋尚子選手惨敗の理由

高橋尚子選手がレース後の記者会見で明らかにしたところによると、昨年8月に右膝半月板を50%切除する内視鏡手術をしたとのこと。調整レースに出ていなかったのはその影響だろうし、そもそもマラソンで戦うための練習すらできていなかったと思われる。市民ランナー並みの走力にしか戻せなかったのだろう。

私も2001年8月に同じ内視鏡手術により右膝半月板を部分切除し、翌2002年2月に東京国際マラソンを走っているが、その時と状況は酷似している。10月から本格的なマラソン練習に入ったものの、やはりレースに出て再発させるのが怖くて調整レースには一切出ず、レースペース走なども極力行なわずに本番を迎えた。走ってみなければわからない状況の中、2時間34分32秒で、2年前に出したベストから9分落ちだった。

高橋選手の場合は、私の時よりもずっと回復状況が思わしくなかったと思われる。おそらく最後までマラソン練習らしい練習はできずじまいだったのではないか。レースになれば何とかなるのではないかと淡い思いでスタートしたものの、イメージ通り走れず、でも完走だけはしなければと思い、プライドを捨てて走り続けた…。私自身同じような経験があるだけに、そんな状況が痛いほどよく伝わってくる。

私の場合、今でも時々半月板の痛みが再発するが、一応その影響はほとんどなく走れている(レベルの低下はその他の理由によるところが大きいが…)。記事にはまだ走り続けるようなコメントが書かれているが、決して克服できない怪我ではないので、最後に一花咲かせるまで頑張ってほしい。

女子選考レース全て終了

名古屋国際女子マラソンをもって女子の北京五輪選考レースは全て終了。
名古屋では天満屋の新鋭中村選手が初マラソンながら2時間25分51秒で優勝。大阪で同僚の森本が出した2時間25分34秒は下回るものの、レース内容という面では中村選手の方が評価されるのではないだろうか。参考までに東京優勝の野口選手を含めて5km毎のラップを比較すると、


森本中村野口
5km16'57"17'55"16'38"
10km16'58"17'52"16'49"
15km17'50"17'47"16'57"
20km16'52"17'15"17'12"
25km17'28"17'35"16'47"
30km17'21"16'59"16'39"
35km16'56"16'31"16'26"
40km17'30"16'44"16'56"
GOAL7'42"7'13"7'13"

20km過ぎから原、坂本、堀江と次々に仕掛けるものの逃げ切れない中、一発で勝負を決めたあたり、今回のメンバーの中では頭一つ力が抜きん出ていた。2位の尾崎選手辺りの記録だと森本選手が選考されるかもしれない。本人もインタビューで言っていたとおり、26分を切ったのは大きいと思う。

加納選手は大阪に一度出ている時点で(一度失敗しているということで)あまり評価は高くなかっただろうと思う。選考レースに出るのは1回が原則という考えは選考委員にもあると思う。原、坂本両選手も大阪を直前に回避して名古屋にスライドしている時点でやはりベストの状態に持っていくのは難しかったのではないか。坂本選手にも注目はしていたが、画面で見ても脚が十分に締まっていなかった。明らかに4年前とは違う。

高橋尚子選手は、レース前の練習の映像などを見ていて、変な走りだなと思っていた。そしてわずか9kmで失速というありえない展開。故障しないように筋力アップに努めていたようだが、走りの方はどう見てもバラバラ。私も昨年筋力トレーニングを取り入れたが、最初は上手く走れなくなった経験がある。それに似た感じにも見えた。

でも根本はもっと別のところにあるような気がする。年齢による衰え、永年の高地トレーニングによる身体へのダメージ、体質の変化やスピードの低下。焦りからくる調整ミス…。考えられる要因はいろいろある。また今回、高地トレーニングからの帰国が早かったのも気になる。それでも最後までレースを投げ出さず、完走(2時間44分18秒)したのは、何か思うところがあるのかもしれない。(このレースで一線を退くとか?)

びわ湖毎日マラソン

大崎選手が2時間8分36秒で日本人1位。北京五輪の代表をほぼ手中にした。もともとびわ湖に出なくても大阪世界選手権6位の実績だけでも選考される可能性はあったのだが、あえてリスクを冒して国内選考レースに挑戦し、なおかつ狙ったレースでしっかり実力を発揮して文句なしの結果を出す。速さでは佐藤敦之選手の方が上だが、「強さ」では負けていないと思う。

1位のシャミ選手にも、40kmでは37秒差があったのに、最後は13秒差まで詰めていて、ラスト2.195kmは5km換算で15分18秒にペースアップしていて、日本選手全般のラストの課題もクリア。東京で藤原新選手が出した2時間8分40秒をオーバーしていたら…という仮定の話をしても、今日のレースなら多少の超過は問題ないだろうと思う。

大崎選手以外では、意外な選手が上位に入ってきた。4位の大西選手は2時間8分54秒。25km手前で遅れ出し、30kmでは大崎選手と17秒差。しかし一時は6~7秒差にまで詰め寄り、あわや逆転というところ。もし逆転していたら選考がまたもめるところだったかもしれない。大西選手といえば駒沢大OBだが、駒大OBで過去サブテンは藤田選手、西田選手の2人。しかしこの2人は駒大の大エースであり、ベスト記録はいずれも大学卒業後1~2年に出したもの。いわば学生時代の遺産といえなくもない。その後も駒大のエース級は社会人に入ってから目立った活躍がない。

一方、大西選手は駒大時代、5000m13分57秒、10000m28分45秒、箱根駅伝も1年で7区2位、2年で3区4位、4年で6区2位とそれなりに実績はあるが、エース級ではなかった。そして卒業後8年目にして初サブテンというこれまでになかったタイプ。日清食品では39歳でまだ衰えを感じさせない実井選手といういいお手本がいるだけに、まだまだ期待できる。

清水智也選手は中間点の前で既に後退していたので、全く意外だった。大崎選手との差を見てみると、25kmで19秒、30kmで37秒、35kmで40秒、40kmで38秒、ゴールで47秒。早い段階で離れながらも自分のペースを維持してかなり粘っていて、ハイペースの影響で崩れて落ちてくる選手を確実に拾っている。清水智也選手も、双子ランナーということで注目はされていたが、学生陸上界を代表するような実績はなかった。同じ双子でも兄・将也(旭化成)の方がどちらかといえば体格も恵まれ、実績は上だったが、長距離ではあまりメジャーではない佐川急便というチームで、初マラソンサブテン。なかなか面白い選手になってきた。

東京マラソン2008

昨年とは打って変わって好天。気温は低めだったが、昨年の冷たい雨に比べれば雲泥の差だろう。雨さえ降っていなければスローランナーはそれなりに着込めばさほど寒さは感じないだろうし。3万人規模の大会運営は大変だ。

レースは35km付近で抜け出したロスリン(スイス)が2時間07分23秒の好タイムで優勝したが、最後まで食い下がった一般参加の藤原新選手(JR東日本)が2時間08分40秒で2位に入り、日本人1位。招待選手の諏訪、入船、梅木に先着した。終盤、脚に異常を来して何度かバランスを崩したが、よく持ちこたえた。実況ではしきりに「つまづいた」と言っていたが、あれはどう見ても痙攣。机上の知識だけではああいった現象は理解できないものなのだろうか。

これで諏訪選手の五輪出場はなくなった。世界選手権で24秒差で6位入賞した大崎選手と今回の藤原選手の評価は選考委員も悩むところだろう。もちろんびわ湖で大崎選手が2時間08分40秒以内で日本人1位なら文句なしであるが。個人的には8月の北京という環境を考えれば大崎選手の実績に対する評価の方が1枚上だと見るのだが、半年前のレースだけに記憶が薄れているというマイナス面もある。びわ湖の大崎選手の走りが期待通りでなかった場合は、まさに混沌としてくる。

それ以外では今回の藤原選手のようなあっと驚く新星が出現しない限り全く対象とならない。また、福岡失敗組の追試合格は認めないでほしい。前例を認めると、とりあえず福岡に出て、失敗したらびわ湖という風潮ができてしまうことになりかねない。

別府大分毎日マラソン

雨が心配されたが、スタート時にはすっかり好天。しかも前半は風が弱く向い風の影響が少なく、折返し後は風が強まり追い風を受けるという絶好のコンディションに見えましたが、実際のところはどうだったのだろうか。

有力選手は皆オリンピック選考レースに回ったため、別大は新人が目立つ大会となった。そのためか折り返して追い風になったにもかかわらず、先頭集団の全員がスローダウン。その中で落ち込みを最小限に抑えた旭化成の新鋭、足立選手が2時間11分59秒で優勝。序盤から集団の中ほどの好位置をキープし、頭の動かない安定したフォームはかつての瀬古選手を思わせる。35~40kmを17分近くかけながら、ラスト2.195kmは7分を切って上がるあたり、潜在能力は高そうだ。

唯一持ちタイム2時間10分以内の野田選手は折返し前で早くも集団から遅れ、30km付近では坐骨神経が痛んだような感じで大失速に見えたが、7着2時間16分01秒でゴール。途中棄権してもおかしくない状態だったが、最後まで走りきったのは先週の福士選手の影響も多少あったかもしれない。

ところで余談だが、別大といえば毎回スタート直後に猛然とダッシュして先頭で競技場を出て行く、知る人ぞ知る某市民ランナーがいる。しかし、年々彼をテレビ画面から外す技術が向上しているように思える。中継カメラもその辺りを意識しているのだろうか?それでも毎年懲りずに続ける彼もある意味大したものですが…。私にはとても真似できません。

青梅マラソン、雪で中止

第42回青梅マラソンは雪のため12年ぶりに中止だそうです。

12年前の第30回大会も同じく雪で中止。ちなみにこの大会は私もエントリーして前日から現地入りしていましが、前夜から雪が降り始め、当日朝、宿で中止を知りました。御嶽山の旅館に泊まったのですが、積雪でケーブルカーも動かず、下山に苦労したのを思い出します。

ねずみ年の青梅マラソンは雪というのがジンクスになるのでしょうか?

大阪国際女子マラソン

自分の勝田マラソンと同日だったので当然生では見られず、1日半経ってようやく録画を見た。
当然結果や新聞記事などを見てしまっているので、福士選手のゴール前のシーンなども手に汗握るような状況ではなかったものの、リアルタイムで見ていたらショッキングだっただろう。

トラックやハーフで実績を持つ選手のマラソン初挑戦であそこまで撃沈するのは女子選手では珍しい。しかし男子選手ではよくあることで、しかも福士ほどの注目度もないので大抵は途中でリタイヤしてしまう。あの状態で完走したことはむしろ驚異的だ。まだ25歳なのだから、マラソンの厳しさを知って4~5回目の挑戦で日本記録に挑戦できるようになればいいと思う。福士にはマラソンは無理という意見もあるかもしれないが、3分20秒ペースをあれだけ楽なフォームで走れる選手は日本人では福士以外にいない。今回は準備不足でやむを得ないが、将来の可能性という点では決して低くなってはいないと思う。

これで3人目の代表が名古屋で決まる可能性が非常に高くなった。今回の日本人1位森本選手の2時間25分34秒より速く、かつ優勝なら決まりだろう。嶋原選手が日本人1位なら、優勝でなくても世界選手権の実績と合わせて選ばれる可能性もある。

高橋尚子選手は最近の状況から2時間21~22分で走れと言われれば厳しいだろうが、25分で勝負に勝てばよいというのなら30kmまで集団で自重し、得意のロングスパートがある。ただ、一気に16分10秒台に引き上げるようなかつてのキレを求めるのはちょっと無理があるかも。

もう一人の注目選手は坂本直子選手。長いブランクの後、昨年のベルリンで2時間28分台と復調の兆し。その後また故障してしまい、大阪は早い段階で回避したが、回復次第では高橋に引けをとらないスパート力を見せてくれるかもしれない。

その他の選手では、原選手は予定していたレースを体調不良で欠場ということで印象が悪い。強さを見せ付けないとたとえ日本人1位でも森本との比較で不利。大崎選手もスピードランナーとして期待されるが個人的にはマラソンはまだ早過ぎるのでは?と思う。弘山選手はよくここまで第一線を維持してきたと賞賛したいが、これだけのメンバー相手に勝つのはさすがに厳しい。

第84回箱根駅伝

今大会はある意味最も印象に残る大会となってしまった。大会史上最多の3校途中棄権。まず5区で順大が残り500mまで来ながら歩行すら困難な状態に。脱水症状と低血糖らしい。なお、順大は8区でも区間19位に3分以上遅れる大ブレーキを起こしている。

次に大東大が9区で残り約1.5kmの地点でこれまた脱水症状で走行不能に。大東大は8区まではシード権争いに踏みとどまっていた。そして10区では何と東海大が2kmあまりを残して棄権。カメラが捉えたのは既に大崎コーチに抱きかかえられた後だったのでニュースサイト等を見るまでわからなかったが、6km地点の蒲田の踏切で足をとられ、靱帯を痛めた後、必死にこらえて20km過ぎまで来たが、そこまでが限界だったようだ。3度ほど転倒したらしい。

最近の途中棄権は多くは疲労骨折など事故に近いものだったが、今回は脱水症状での棄権が2校も出て、選手のコンディション管理に問題があったと言われても弁解できない。順大は2年前も8区で脱水症状となり、あわや棄権、という状況になったのは記憶に新しいが、あれは教訓にならなかったのだろうか? ちなみに低血糖状態に「真水」は体液の濃度を更に薄めることになり、逆効果である。

東海大は不慮の事故で気の毒としかいいようがないが、それでも事実として同時3校棄権はあまりに後味が悪すぎる。加熱し過ぎで選手のコンディション管理がおろそかになっていたとすれば、箱根駅伝不要論が再燃し、開催自粛に追い詰められるという最悪のシナリオもあり得ない話ではない。

男女高校駅伝

女子は前評判の高かった立命館宇治が大会史上4番目の1時間07分06秒、2位に1分10秒の大差をつけて圧勝。男子は一転して大接戦の末仙台育英が同タイムで佐久長聖を体一つかわして優勝。

今大会は有力チームでエースの欠場が目立ったような気がする。女子で言えば仙台育英の絹川(9'04")、須磨学園の広田(9'09")、興譲館の前田(9'14")、男子は世羅の鎧坂(14'00")、佐久長聖の村澤(14'09")、那須拓陽の八木沢(14'17")といったところ。

女子は3,4,5位がエースを欠きながら上位に入っていることを考えると、エースが出場していれば立命館宇治の独走を許すことはなかっただろう。また、解説の山下さんもしきりに苦言を呈していたが、1区の留学生勢の無意味な牽制。留学生にはタスキの渡し方は教えられても、駅伝は区間賞より「チームのために1秒でも速く」という大原則を理解させる方が難しかったか。

男子は佐久長聖が区間順位が4,8,3,2,2,1,2と層の厚さでカバーし2位になったが、村澤が走れていればどうなったか。那須拓陽も7位と好走したが、エースが走っていれば3位にはなっていたと思われる。一方、優勝候補の一角の西脇工はエース八木は出場したものの、1区で10位と凡走。例年圧倒的な力で日本人を大きく引き離す留学生も今年は29分19秒と日本人でも出せる記録。日本人が第一中継所をトップでリレーする千載一遇のチャンスだっただけに残念。

福岡国際マラソン

注目された初マラソンのワンジルが2時間6分39秒で優勝。ベストは2時間13分台だがハーフで実績のあるメルガ(エチオピア)が2時間6分50秒で2着、ハーフで日本記録を更新した佐藤(中国電力)が2時間7分13秒で3着。いずれもハーフマラソンの強い選手が上位を占め、ますますスピード化に拍車がかかるレースとなった。

ワンジルはハーフを超えるレースを見たことがないので未知数だったが、最後まで衰えを見せなかった。東アジアの夏の暑さを知っているワンジルは北京五輪の有力候補となるだろう。佐藤はようやく潜在能力の高さを実証した。選考レースは残り2レースあるが、レース内容から見てもほぼ当確と見られる。終盤前の2人に離されはしたが、30kmを1時間30分05秒で通過した後の30~35kmを14分51秒、35~40kmを15分23秒で走れる日本人選手は現時点では他にいないだろう。

その他の選手については以下。

松宮祐行は日本人2位だが、記録(2時間9分40秒)、レース展開ともに印象が薄く、代表入りは難しい。油谷も全盛時ならば佐藤に肉薄するところまでは行ったかもしれないが、残念ながら体力の衰えだろうか。高橋(トヨタ自動車)は30kmまで無理のない走りで、終盤はさすがに疲れたが2時間11分52秒でまとめ、今後に期待が持てる。藤田はレース前の評判とは裏腹に近年では最悪の走りとなってしまった。ゴール直前に足がもつれるあたり、脱水症状気味だったようだ。もしかしたら直前に風邪をひいたとか何か原因があるのかもしれない。高岡は2時間13分40秒。レースが動く前にあっさり脱落してしまった。年齢のこともあるだろうが、レース前のインタビューなどを見ていても、顔につやがなかった。

静岡県市町村対抗駅伝

走りませんでしたが、補欠・付添いとして参加しました。
静岡市は今年はA・B2チームの出場。Aが2位、実力的には劣るBチームも8位と健闘しました。
ちなみに11区間42.195kmでAが2時間16分55秒、Bが2時間20分00秒。優勝の浜松市中央は2時間15分20秒でした。男女混合で、小学生から40歳以上まで走る駅伝にしてはまずまずのタイムでしょうか。

それにしても駅伝というものに参加したのは何年ぶりだろうかと、記録をさかのぼってみたら約9年ぶりでした。40歳以上の部でもまだ上には上がいるので、刺激になりました。

野口鮮やか!東京国際女子マラソン

北京五輪の代表選考会を兼ねた東京国際女子マラソン。野口みずき選手が2時間21分37秒の大会新で2着を2分近く離して圧勝。

まさに王者のレースでした。前半は向い風にもかかわらず渋井選手に対して一歩も引かずともに先頭を走り、後半は微妙にペースアップしながら他の選手のスタミナを奪い、終盤の登り坂でも全く疲労を見せない走り。このレースの走りそのものも素晴らしいのですが、何よりすごいのは狙ったレースにビシッとピークを持ってくる調整力。過去の調整実績も含めて日本では他の選手の追随を許さない。速いだけでなく真に強い選手です。

それと比べると無残に散ったS選手は、直前の駅伝で10km31分そこそこで走るなど好調が伝えられていましたが、どこか方向が違っているというという印象でした。もっとも、その時点からの方向修正は無理でしょう。少なくとも2~3ヶ月前から向かう方向がズレていたと思います。中期的に先を読める選手との差がはっきり出たレースでした。まあチームに所属しているわけだから選手だけの責任ではありませんが…。

もう一人、当初このレースに出る予定だった選手も、調子が合わなくて回避した時点で野口選手との差は歴然です。仮に他の選考レースで今回のタイムを上回る記録で圧勝したとしても、それは半ばフロックに近いものです。マラソンは絶好調時に出せる潜在能力がなければもちろん勝負になりませんが、半年後位のある特定の1日にピークを合わせられる能力が極めて大事だからです。

それにしても事実上あと1枠になってしまった女子マラソン。今から2レースで1人しか選ばれない選考会をどう走れば選ばれるのか、そしてそこへ到達するまでどういうプロセスを踏めばよいかをここ2~3日のうちにしっかりイメージ、方向修正して、監督・コーチと納得いくまですり合わせ、実行できた選手が必然的に決まるのではないかと思います。というか、そうあってほしいです。そういう選手ならば、本番でも強さを発揮できると思います。

好記録続出!静岡県長距離記録会

静岡県長距離強化記録会の中でも10月に開催されるレースは例年有力選手が数多く出場する。記録が出やすいエコパ開催ということもあり、男子は3000mが6組、5000mが13組、10000mが5組。女子は3000mが7組、5000mが2組。

その中でも注目は男子10000m。最終5組は27分43秒67のアセファ(SUBARU)を筆頭に27分台が8人。ほとんどは外国人だが、その中で気を吐いた日本人は佐藤悠基。自己記録を大幅に更新する27分51秒65をマークした。春先から調子が悪かったがここへ来て完全に復調したようだ。

女子では5000mでエバリンワンボイ(ユタカ技研)が15分08秒08、小林祐梨子が15分28秒49。

詳細はこちら(静岡陸協HP)

国体少年A5000mで日本人が外国人留学生に先着V

秋田国体の少年男子A5000mで八木勇樹(西脇工)が14分11秒97で14分13秒97のコスマス(山梨学院大付)、14分16秒17のクイラ(仙台育英)を抑えて優勝した。

外国人留学生が出場した主要大会の5000mで、日本人高校生が優勝というのは初めて?と思ったが、2年前にも森選手(当時鹿児島実)が優勝していたのを思い出した。最近忘れっぽい…。ちなみに八木選手は昨年も日本人では1位(着順は3着)。

“皇帝”がついにマラソン世界新!!

ハイレ・ゲブルセラシエがベルリンマラソンで2時間04分26秒の世界新を樹立!
過去に5000m、10000mで世界新をマークし、圧倒的なスピードでマラソンに乗り込み、いつ世界新を出してもおかしくないと言われ続けて早5年半。ついにマラソンの記録でも頂点に立った。

ハーフの通過は62分29秒。後半が61分57秒のネガティブスプリットだった。5kmの平均タイムは14分44秒7。後半に限れば14分40秒9となる。後半のタイムを見る限り、条件次第では2時間03分台の可能性も十分。

世界選手権大阪大会開幕、日本マラソン3人入賞!

世界選手権は最初の種目、男子マラソンで開幕。
酷暑の大阪は、時折陽がかげったり、並木やビルの日陰があったりで見た目はそれほど暑くなさそうだが、実際は相当厳しい気候だったと思う。優勝タイム2時間15分59秒は過去最低。しかもこれまでの最低記録は東京大会谷口選手の出した2時間14分57秒と夏の日本での開催でマラソンは過酷過ぎる。87人出走中、完走は57人。2時間20分以内は9人、25分以内は24人、30分以内でもわずか36人。

日本選手は上位3人が5,6,7位で入賞。願わくば1人はメダルを、という期待はあったがまずまず走りだったと思う。ペースを守ったからこそ入賞できたのだが、途中少し離され過ぎたかもしれない。

ところで、このレースでちょっと注目していた選手がいる。それはイスラエルのSeteng Ayele選手。この選手は1955年生まれの何と52歳。プロフィールを見ると16年前にエチオピアから移住したらしい。今大会は2時間22分27秒で19位に入っていた。