福岡国際マラソン
注目された初マラソンのワンジルが2時間6分39秒で優勝。ベストは2時間13分台だがハーフで実績のあるメルガ(エチオピア)が2時間6分50秒で2着、ハーフで日本記録を更新した佐藤(中国電力)が2時間7分13秒で3着。いずれもハーフマラソンの強い選手が上位を占め、ますますスピード化に拍車がかかるレースとなった。
ワンジルはハーフを超えるレースを見たことがないので未知数だったが、最後まで衰えを見せなかった。東アジアの夏の暑さを知っているワンジルは北京五輪の有力候補となるだろう。佐藤はようやく潜在能力の高さを実証した。選考レースは残り2レースあるが、レース内容から見てもほぼ当確と見られる。終盤前の2人に離されはしたが、30kmを1時間30分05秒で通過した後の30~35kmを14分51秒、35~40kmを15分23秒で走れる日本人選手は現時点では他にいないだろう。
その他の選手については以下。
松宮祐行は日本人2位だが、記録(2時間9分40秒)、レース展開ともに印象が薄く、代表入りは難しい。油谷も全盛時ならば佐藤に肉薄するところまでは行ったかもしれないが、残念ながら体力の衰えだろうか。高橋(トヨタ自動車)は30kmまで無理のない走りで、終盤はさすがに疲れたが2時間11分52秒でまとめ、今後に期待が持てる。藤田はレース前の評判とは裏腹に近年では最悪の走りとなってしまった。ゴール直前に足がもつれるあたり、脱水症状気味だったようだ。もしかしたら直前に風邪をひいたとか何か原因があるのかもしれない。高岡は2時間13分40秒。レースが動く前にあっさり脱落してしまった。年齢のこともあるだろうが、レース前のインタビューなどを見ていても、顔につやがなかった。