大阪国際女子マラソン
原裕美子が2時間23分48秒の自己ベストで優勝、大阪世界選手権の代表内定第1号となった。
序盤から渋井陽子と原のマッチレースとなった。ペースメーカーは5km過ぎで早くも脱落。東京のペースメーカーと比べると大きなハンディだ。女子のペースメーカーはまだまだ当たり外れが大きい。レース前半は原の方が無理して着いている感じもなきにしもあらずだったが、御堂筋の折返しを過ぎて原が渋井の横に並ぶようになってからはむしろ原の方が既に精神的に優位に立っていたかもしれない。
そして大阪城内あたりで渋井の頭が振れ出したのに気付いた。これはもしかしてかなりきつくなっているんじゃないかと思った瞬間、CM挿入。CMが終わったらもう20~30m離れていた。多くの視聴者は一体何があったのか?と思ったかもしれないが、個人的には事前に異常を察知していたので、ああやっぱり、という感じ。30kmの通過は原と渋井は10秒差だったが、3位争いの小崎と加納との差が開いていなかったので、渋井が捉えられるのは時間の問題、原はハイペースのつけが回ってくるのかどうかが焦点となった。
原、小崎ともブランクがあり、加納は初マラソン。ちょっと予想がつかなくなってきた。原はペースダウンしながらもなんとか3分35秒以内には収めているので、タイム差から見て残り5kmのところで逃げ切りは濃厚となったが、小崎と加納がどこまで追い込んでくるのか。後からわかったが、原のペースダウンは風の影響があったようだ。だとすると小崎と加納の追い込みはなかなかのもの。結局小崎もわずかずつ詰めたものの、残り距離が少なくなるにつれ、先頭を追うよりも2位確保に意識が移ったようだ。35kmで加納に14秒つけていた差がゴールでは4秒差の2時間24分39秒。2位だが世界選手権代表の可能性は十分にある。
3位ながら加納の初マラソン2時間24分43秒は高く評価できる。走りも疲労がたまりにくいマラソン向き。小崎や加納と同じ集団で走っていた選手のその後の様子は全く紹介されず、終盤の長居公園内ではサイドカーが原に接近しすぎて原が嫌がる場面もあるなど、中継はちょっとお粗末。サミトワは遅れ加減だったが、スズキ所属のワゴイには一体何があったのか(公式記録では25kmまでしか残っていない)。