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2007箱根駅伝往路(2)

往路はオールドファンには面白い内容だったのではないだろうか。ブレーキのあった中大などを除き、伝統校が上位を走っていた。11位明大までのうち新興勢力は7位中央学大、9位山梨学大(21回目の出場で新興勢力とも言えなくなってきたが)のみ。

往路に限っては東海大逃げ切り困難という予想が当たってしまったが、これは3区と5区の出来が悪すぎたことも一因。復路は駒不足か。6区で波に乗らないとズルズルと後退してしまう。

以下、学校別にコメント。

順大はやはり松岡が本調子ではなかったが、3区区間4位となんとかまとめた。2区終了時点で6分36秒差は絶望的にも思えたが、3区で4分37秒差。4区は佐藤秀和。区間賞とはいえ、あまり走力のない走者が集まる区間で本来の走りにはまだ程遠いのだが、4分09秒差まで詰めた。5区今井は区間2位を2分34秒離す実力どおりの走りだったが、3回の山登りで最も会心の走りは距離が長くなる前の2005年、1時間09分12秒ではないだろうか。往路でサブを3人使ってしまったので、復路に使えるのは1名のみだが、復路も力どおり走れば十分逃げ切れる。

日体大は1区を無難に走ったことに尽きる。しかし北村以外に5区を走れる人材がいればもっと北村を生かせるのにもったいない。北村はどうみても登りの適性はないのに走力だけで何とか走っている。復路は良くも悪くも鷲見がカギ。

早大は2区竹澤がモグスに抜かれたときも一瞬ついてスピードを測り、オーバーペースと判断して冷静に対応した。1時間07分46秒はまだまだ物足りないが、今の走法はまだロードに適応していないから好走と言えるのでは。渡辺監督は鬼門の5、6区は十分に適性を見たというが、予選会校内トップの駒野をして区間8位。まだまだ眼力が足りない。復路も6区がポイント。サブの宮城が7区か10区に入ってくると予想され、ブレーキがなければ上位争いに踏みとどまれそう。

日大は大した計算違いはなく区間2位も2人いるのに5位に留まった。2区までもう少しいい位置でつけたかった。

中央学院大は2区木原が区間7位にとどまってどうなることかと思ったが、他の4人がよくカバーした。11位とは2分23秒差なのでまだシード権安泰とは言えない。6~7区でシード権ラインからいかに逃げるか。

駒大は全く予想外の7位だった。2区宇賀地の区間13位は確かに誤算だが、それよりも2区にエントリーしていた安西が走れなかった方が誤算だろう。心配の種の4区高井がそこそこ走れたのが救い。復路にも強力な走者を残しているとはいえ、シード落ちもあり得るこの順位で冷静に走れるか。

専大は大健闘の往路8位だったが、復路は未知数。11位とはわずか38秒差。

山梨学院大はモグスの独り相撲が台無しにしてしまった。思わぬ失速に3区が焦ってしまうという負の連鎖。なんとか5区で持ち直したが、復路はかなりの苦戦を強いられるだろう。モグスを焦らせたのは1区東海大・佐藤がつけた大差だろう。しかし5km13分30秒、10km27分22秒(距離が不正確なので当てにはならないが)ではベケレでも最後までもつまい。無謀としか言いようがない。ラスト1kmは4分30秒かかっていた。

東洋大は4区までよくつないだのに5区の区間17位が痛い。この区間は同じ区間順位でも大差がついてしまう。ちなみにほぼ同じ距離の2区でも区間1位と17位は3分06秒、5区ではなんと8分25秒。平地の2区間以上の差がついてしまうことをもっと認識しなければならない。

明大の11位は大健闘。古豪の健闘に特に箱根山中の沿道は沸いたことだろう。5区尾籠の区間2位が光る。6区にエントリーした中村(静岡・藤枝東高出)の快走を期待したい。

亜大は13位だったが、そもそも昨年は他校が崩れてぼた餅的優勝であり、実力的には4~5位と思っていた。2区山下が区間16位に沈んだがそれでも大ブレーキと言うほどでもなく、まだ悲観するような差ではない。

中大は1、2区の力不足は予想されたことだし、3区上野が(区間賞とはいえ)他を圧倒するほどではないのも折込済み。4区の区間20位は一体何があったのか。それでもまだ10位と1分01秒差。亜大と中大がシード圏内に上がってくるとすると、はじき出されるのはどこか。12位城西大もまだシード権に食い込む力はある。専大、中央学院大、山梨学院大あたりは厳しい戦いを強いられる。

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