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スーパー陸上2006

テレビ中継があったので、その雑感も交えてレポート。

男子
100mはフライング1回の後、パウエルがフライングで失格。少し納得いかない表情。ちなみに女子100mでもフライングの失格があった。どうも日本のスターターは「用意(set)」からスタートまで正確に2秒という風潮がある。選手にとって読みやすい(ヤマをかけやすい)し、最近の世界の潮流はもっと早くて、しかもレースごとに微妙に間隔を変えている。
優勝は末續で10秒12だったが、+2.2mの追参。2位に塚原(東海大)が10秒26で入った。ところで山縣アナ、追参なのに末續選手のインタビューで世界陸上A標準突破とか言わないでもらいたい。高校時代陸上やってるはずなのに何でど素人みたいなこと言うんだろう。

400mは堀籠(富士通)が45秒77の自己新。金丸は46秒05に終わった。高校時代からの勢いに陰りが見えた今、正念場かもしれない。為末は今季ベストだったが46秒41に留まった。

110mHは内藤(ミズノ)が13秒61(-1.3m)。向い風でのこの記録はまずまず。

400mHはクレメントが48秒36で優勝。10台目まですべて13歩で行ってすごいのだが、逆足での踏切が極端に苦手なのだろう。400mHにおいて左足踏切はレーンの外側を走らなければならない。また、右足踏切は左足着地なので、左足を軸に腰の回転でコーナーを曲がっていくので速度が落ちにくいが、右足着地だと腰の回転と逆方向に曲がっていくために十分な加速が得られず失速してしまうので、絶対的に不利である(文字だけだとちょっと説明しにくい)。

ハンマー投は全般的に記録低調に終わったが、その中でも室伏が徐々に修正し、最終的には81m00を投げた。サークルの滑りが悪く、各投擲者とも回転スピードが上がっていないように見えた。2位ティホンは78m31。

走高跳で2m27を跳んで優勝したホルム(スウェーデン)の跳び方は特徴的だ。腰がバーを越えるやいなや、腹筋運動のように上体を起こし、その反動で腰を落とし、脚を一気に振り上げる。体は越えているのに脚で引っ掛けることを回避できるクリアランスだが、自分がバーに対してどの位置にいるのかよほど正確に掴めないとできない。素晴らしい技術だ。

エキシビジョンマッチとして行なわれた棒高跳は澤野が5m70で優勝。5m85は3回とも失敗。2005世界選手権銀メダルのウォーカー(米)は5m50を3回失敗してしまった。

女子
1500mで小林が4分07秒86の日本新(1/100秒更新)。ラスト400m通過するときにわざわざ「鐘」を映さないでもらいたい。見たいのは残り400mを通過するタイムなのだから。優勝はジェミーソン(豪)が4分05秒82。

400mHはラブチェニク(ウクライナ)が55秒80、久保倉(新潟アルビレックス)が56秒19の日本歴代2位。世界選手権のB美標準も突破。吉田(ナチュリル)は57秒30。日本記録55秒89から3年経過し、新旧交代をうかがわせる。

走幅跳は池田が1回目に6m81(-0.2m)を跳んで快勝。2,3回目にも6m70を跳び、好調の様子だったが、4回目でちょっとバランスを崩し失敗試技。ここで脚を痛めたか、5,6回目をパス。2位は花岡で6m43。

棒高跳はイシンバィエワが4m72で優勝したものの跳躍は苦労していた。解説者は「助走スピードが云々」と言っていたが、ポールのボックスへの突っ込み方が悪かったのだと思う。ボックスの傾斜部分にポールの先端が着いてから、滑るようにボックスの奥に刺さるのが良い突っ込み方であるが、今日のイシンバイェワはボックス内でポールの先端が弾んでいた(音でわかる)。これではポールが立ってくれない。ところでこの大会ではどの試技も2cmという端数がついているのだが、何故だろう?5m02の世界記録を意識してのことだろうか。

その他の種目は以下。

男子
1500mはL.ニモ・ヌディワ(ケニア)が3分40秒11、J.ムワンギ・(ケニア・トヨタ自動車)が3分40秒63、小林は3分41秒01で3位。
三段跳は金徳現が16m88(+0.8m)。杉林(チームミズノアスレティック)は16m08(-0.1m)に終わった。
やり投げはゼレズニーの引退試合になるはずだったが、早々に欠場表明し、優勝はR.マタス(エストニア)で80m53。村上(スズキ)は76m09に終わった。

女子
100mはシンプソン(ジャマイカ)が11秒15(-0.8m)。日本人1位は北風(浅井学園大)が11秒78、信岡(ミズノ)は11秒86に留まり、期待の高校生は高橋(埼玉栄)が11秒89、中村(浜松西)は12秒09と力を発揮できなかった。
400mはアマーティル(バハマ)が50秒68、故障からまだ復調できていない丹野は53秒54に終わった。
やり投はシェルウィン(デンマーク)が62m68。日本人1位は海老原(国士大)で55m11の3位。

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