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東京マラソン2007

よりによって朝から雨とは。しかも気温も低く悪いコンディションとなってしまった。2時間台前半で走るトップランナーはともかく、問題は数時間かけて走る市民ランナー。これでマラソンが嫌いにならなければよいのだが。

雨天は呼吸がしやすいというメリットはあるが、運動時間が長時間にわたるフルマラソンでは、冬の雨は体温を奪い、確実に体力を消耗させる。それだけでなく、軽量化したシューズも水を含んで重くなるとその機能を発揮できない。足の裏がふやけて路面をうまく掴めなくなるなどマイナス面は大きい。

レースにも早速その影響が出た。10kmまでは予定の15分10秒ペースを刻んでいたが、10~15kmで15分30秒近くに落ちてからはペースメーカーもペースを維持できない。20~25kmにいたっては15分50秒台まで低下。このままズルズルと落ちてしまうのかと思った矢先、ジェンガが一気に1km3分を切るペースにアップ。キロあたり一気に15秒位上がれば当然反応できる選手は限られるのだが、あの停滞していたペースからよく引き上げられるものだ。ジェンガが他の選手と違っていたものと言えばニットの帽子。あまり頭を温めるという発想はなかったのだが、以前のワイナイナも同様だったし、意外と効果があるのかもしれない(試したことがないので何ともいえないが)。

着いていこうとしたのは徳本(日清食品)、入船(カネボウ)、少し遅れて佐藤(旭化成)。佐藤はすぐに追いついたが、油谷は全く無抵抗のまま簡単に置いていかれた。ジェンガのスパートが2~3kmで落ち着いたならまだ勝負できたかもしれないが、ジェンガは25kmから14分51秒、15分07秒とキロ3分ペースを10kmも持続した。さすがにその後ペースを落としたが2時間09分45秒はさすが。

日本人の争いは徳本も必死に粘ったが35km手前で脱落。まだまだマラソンを走る脚にはなっていないが、スピードランナーにしてはよく粘った。徳本は本格的にマラソンを目指すのなら大腿の裏側を使わない走りを身につけるべきだ。前方に振り出して着地した足をすばやく重心の下へ引き付けるのが彼の走法の特徴で、それがスピードの源泉になっている。しかしこれは大腿の裏側の筋肉を多用している。この筋肉はパワーを出しやすい反面、エネルギーを使うため、マラソンではスタミナ切れと隣り合わせとなる。

入船は毎度のことながら終盤のペースダウンは克服できず脱落。消去法的に佐藤が浮上したが、佐藤はジェンガほどの爆発的なペースアップはないものの25km以降を15分24秒、15分53秒、15分50秒と日本人で唯一15分台を維持し、ラスト2.195kmの7分00秒はジェンガを上回っている。

油谷は30~35kmの間で途中棄権したもよう。身長が高くないのでもともとゆったりとした動きではないが、今日は序盤から何か無理をしているような走りは確かに見られた。圧倒的な強さを誇っていた中国電力勢がここへきて尾方、佐藤、油谷と立て続けに失敗(尾方は失敗と言うほどではないが)し、勢いに陰りが見られるのが気になるところ。

テレビ画面には全く映らなかったのだが、女子1位、高校出1年目の新谷(豊田自動織機)の2時間31分01秒も注目される最初の5kmこそ18分41秒と控えめだが、その後30kmまでは17分19秒、17分10秒、17分26秒、17分06秒、17分19秒と2時間27分位を狙えるタイム。その後18分18秒、19分07秒とペースを落としたものの、総合でも44位。入りのペースとコンディションを考えれば2時間26分位の力はあるのではないか。

気になる完走率は97%とのこと。制限時間7時間とはいえ、この雨の中でこの完走率はすごい。第1回としては大きなトラブルも聞かれず成功の部類に入るだろうが、課題もいろいろ出てきたのではないか。特にスタート1時間以上前に荷物を預け、スタートラインに並ばなければならないのは今日のような天候では辛すぎる。

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