2010GGN中止
5月22日に予定されていたゴールデンゲームズinのべおかが口蹄疫の影響で中止になったとのこと。宮崎県からイベントなどの延期要請を含む非常事態宣言が発表されたことを受けての決定とのことですが、残念ですね。
5月22日に予定されていたゴールデンゲームズinのべおかが口蹄疫の影響で中止になったとのこと。宮崎県からイベントなどの延期要請を含む非常事態宣言が発表されたことを受けての決定とのことですが、残念ですね。
毎日.jpより
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陸上:世界選手権の記録、非公認に 女子一万Mの中村選手
陸上の世界選手権ベルリン大会(8月)の女子一万メートルで、31分14秒39のタイムで7位入賞した中村友梨香(天満屋)らの記録が、非公認となったことが5日、分かった。国際陸上競技連盟によると、中村や優勝したリネト・チェプケモイ・マサイ(ケニア)、20位の佐伯由香里(ユニバーサルエンターテインメント)ら外側スタートの9選手が、規定の位置より手前で内側に切れ込んだことで、「距離不足」と判定された。順位に変更はない。当初は公認記録として扱われ、中村は自己ベスト(31分31秒95)を更新したとされていた。【井沢真】
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やはり「2段階スタートでコーンが設置されていなかった」ことによりアウトスタート選手が内側に入りこんでしまったことは認識されていたようです。失格としないのは「運営側のミス」という認識だからでしょう。
中村選手はじめ、自己記録を出しながら公認されない選手は気の毒ですが、これでようやくすっきりしました。
日体大健志台キャンパス陸上競技場で行われた日体大最終フィールド競技会の特別種目、男子800メートルで、大学の後輩に当たる横田真人選手が1分46秒 16の日本新記録をマークしました。おめでとうございます。
横田選手は9月25日にテグ国際で1分47秒04の自己新を記録し、その翌日には早慶対校陸上の1500mで3分47秒48の好記録をマーク。さらに10月12日には筑波大競技会で1分47秒50と安定して47秒台を出していました。
本人は「ジョグはやらない」と断言するほど持久系トレーニングをしていないにもかかわらず、1500mを3分47秒台で走れるようになった背景として、(本人は意識していないかもしれないが)何らかの肉体の変化があったのではないでしょうか。それが何を原因としているのかはわかりませんが、800mにも好影響を及ぼしているのではないかと推測しています。
ちなみに、現役慶大生が800mで日本記録を出したのは、1933年に菅沼俊哉先輩(私も存じません)が1分58秒0の日本タイを記録して以来。日本新となると、1926年の岡田英夫先輩の2分00秒0までさかのぼります。また、他種目も含めると1961年に200mで21秒4を記録した室洋二郎先輩が最後に出した日本新と思われますので、48年ぶりとなります。日本タイでは1965年に棒高跳で4m80を記録した喜田武志先輩が最後ですので、日本記録を樹立ということになると44年ぶりとなります。
メダル2、入賞5という結果は過去の大会と比べても悪い数字ではありませんが、事前の期待と比べると内容的にはかなり物足りなさを感じた人が多いのでは?
今回のベルリンのトラックは、いわゆる「高速トラック」ではないようです。映像を見てもトラックの表面は昔ながらのチップ(つぶつぶ)タイプ。スプリント、跳躍で自己ベストはもちろんシーズンベストにもはるかに及ばない選手が多かったのはトラックの影響を否定できません。しかし、トラックの影響があったとしても、自己ベストとの乖離が大きすぎます。「ボルトはちゃんと世界新を出しているではないか」と言われればそれまで。
期待はずれに終わった本当の原因は「記録のインフレ」による『勘違い』だと思います。国内ではほとんど高速トラック、特に長居あたりは記録が出る風が吹きやすいとの評判です。「国内では未承認の高速水着で好記録を連発して前評判は上がったが、本番は規定通りの水着だった」ようなものです。こういう好条件で記録を出してしまうと、表面的には世界のトップクラスと肩を並べてしまい、心理的に守りに入ってしまいます
最終選考会が終わった後は疲労を抜くことだけに意識が行ってしまい、競技当日は全く疲労感や筋肉の張りがない状態で迎えます。身体が軽いので当然「調子は良かった…」と感じるでしょう。しかし実際には2ヵ月近くも強化練習から遠ざかっていれば運動能力は当然低下しています。そうなると、全くいいところなしで終わるか、最初のラウンド1本目はなんとか走れても、2本目、3本目と続けては無理です。
市民ランナーの世界でも、好記録が出る時というのは、決して全く疲労がない状態ではなく、多少は筋肉の張りを自覚しているなど、若干の不安を抱いているときの方が多いのではないでしょうか?逆にアップでやたらと身体が軽い時は得てして「こんなはずじゃなかったのに」という結果に終わることもよくあります。前日やレース直前の過剰なマッサージやストレッチングも実は逆効果で、筋肉には程よい緊張が必要です。
競歩も今回かなり勘違いしていたように思えます。いくら国内でハイレベルの記録を出していても、歩型違反に対して甘いところで出した記録を真の実力と思ってはいけないということを改めて認識しました。国内大会では日本記録保持者にはなかなか警告を出せないどころか、むしろそういう選手の歩型こそが「正しい」という基準になってしまいがちです。競歩については海外で経験を積むしかないと思います。
男子10000mも女子同様2段階スタートでしたが、今回は4レーンと5レーンの間にコーンが置かれ、バックストレートで合流していました。やはり女子の時に間違っていて指摘があったのだと思います。
それにしても26分46秒、後半5000m13分06秒で走っても顔の表情一つ変えないベケレの圧倒的な強さ…。
女子10000mでデファーが敗れ、アベイレゲッセは途中棄権という波乱、そして日本の中村が粘って7位入賞。というのは結果を見ればわかりますが、実はこのレースはとんでもないことが起きていました。
それはスタートの時。22名のエントリーということで2段階スタートがとられたわけですが、バックストレートに入ってから合流するはずなのに、コーナーには縁石やコーンが設置されておらず、外側スタートの選手がいきなりインコースへ入ってしまいました。中にはルールどおり4レーンの外側を走ろうという意識の選手もいましたが、流れには逆らえず、結局は全員がルール違反。
ルールを厳格に適用すれば外側レーンの選手は全員失格。すぐに気付いていればスタートをやり直すんでしょうが、慌てて飛び出す審判もいなかったし、審判員は誰も何の疑問も持っていなかったように見えました。この件について指摘したメディアは見たことがありませんが、全く問題として取り上げられていないんでしょうか? 国際的に流れた映像なので、世界中の相当の人がおかしいと思ったはずですが…。
エコパで静岡国際陸上が行われました。早出の競技役員ということで朝5時出発という厳しい日程でしたが、その分渋滞に巻き込まれずに済んだのは幸いでした。
今日はコールの係で、エコパの場合バックスタンドの裏側が招集所になっていて、競技の方はほとんど見られなかったのが残念でした。辛うじて見られたのが男女200mと男子10000m。女子は福島選手と高橋選手が大接戦の上、福島が23秒14の日本新(+1.5m)。高橋も23秒15で続きました。男子200mは高平選手が20秒46とこれも好記録。
男子10000mはマサシが終始先頭を引っ張り、ダビリがピタリと着く展開。ラスト1周を26分02秒位で通過すると、マサシがペースアップしますがダビリは離れず、逆に残り300mで前に出るとそのままジリジリと引き離します。ここまで相当のハイペースで来たはずなのに更にスピードが上がり、26分57秒36の日本国内最高記録。マサシも26分59秒88で続きました。ペースメーカーもなく、国内で初の26分台でしかも2人同時という凄まじいレースでした。
公式計時ではありませんが、ラップは、
1000m 2.47(2.47)
2000m 5.28(2.41)
3000m 8.11(2.43)
4000m 10.53(2.42)
5000m 13.37(2.44)
6000m 16.20(2.43)
7000m 19.01(2.41)
8000m 21.44(2.43)
9000m 24.27(2.43)
10000m 26.57(2.30)
ラスト400mが55秒、ラスト1000mが2分30秒、ラスト3000mが7分56秒、後半5000mが13分20秒でした。
その他の種目では、男子400mで金丸が45秒27、廣瀬(慶大2年)が45秒98。男子400mHは成迫が48秒99、男子棒高跳は鈴木崇文が5m55、笹瀬が5m45といったところが目立ちました。
実はレース前、私の個人的な予想では優勝確率は駒大60%、早大30%で残りの10%を他大学と見ていたのだが、見事に外れてしまった。
優勝した東洋大は、2強が崩れた場合は、3年前の亜大のように優勝をさらうことができる力はあるとは思っていたが、12月に部員の不祥事、監督が引責辞任と揺れたこともあり、正直、現実的には優勝は無理、状況によってはシード権も厳しいと思っていただけに、意外だった。もちろんMVPとなった5区柏原の力は大きいが、大きなブレーキのなかった早大とガチンコ勝負で復路も勝っているのだから総合力での勝利と言える。
早大は準エース高原を欠いたのが痛い。渡辺監督は6区、7区が誤算と言っていたようだが、9区高原不在が心理的にも影響したのではないか。明らかに復路の各選手の序盤の走りには焦りが感じられた。ただ、1年生の走りはかつての三羽ガラス(武井、櫛部、花田)を彷彿させるものがあり、来年は竹澤が抜けても更に強くなってくるような気がする。
全く意外だったのが駒大。確かに昨年から見ると5人が卒業し、層は薄くなった感があるが、普段から強気なことは決して言わない大八木監督だし、全日本も磐石だったのでまさかここまで危機的な状況とは思わなかった。復路で4人メンバー交代があったところを見ると、エース格の深津を含め、復路を走るはずだった選手の故障や体調不良が相次ぎ、往路に投入するはずだった控え選手を復路に回さざるを得なかったという事情が考えられる。また、宇賀地、高林、深津といった学生界でもトップクラスの選手を除いた中堅クラスの選手は、今まで順位を落とさなければいいという走りしかしたことがないので、、順位が下位になると下位なりの走りしかできなくなってしまう。
シード権争いも例年にも増して熾烈だった。大東大は個々の選手の持ちタイムや予選会の成績はさほどでもないが、奈良監督を迎えて特殊区間の強化が実った形だ。明大も決して層は厚くないが、序盤の好位置で駒大とは対照的に各選手が力を発揮した。学連選抜は、本戦出場校が増えたために選手層が薄くなり不利な状況ながらも9位に入ったのは見事。特に箱根常連校ではない学校からの選手は一匹狼が多いせいか、単独走でも力を発揮できる選手が多いように思える。
国士大や東農大はわずかにシード権を逃したものの、全体を通じて好走していた。両校とも一時期出場できない時期が続いたが、力を取り戻しつつある。13位駒大と14位専大との差は4分39秒と、14位以降は、総合力で上位校とは差が見られる。ただし東海大は5区であわや棄権かという大ブレーキがあり、本来は18位で終わる実力ではない。また、帝京大は8区までは8位にいたのだが、9区、10区が連続区間最下位で20位に沈んだ。アクシデントかどうかは不明。
初出場の上武大と、実質初出場の青学大は、まだ集団走ができる予選会を通過するのがやっとというのが本音だろう。しかし21位、22位という学校でも繰り上げなしというのは驚異的だ。22位青学大でも1人1分強縮めればシード校になってしまう。全く悲観的ではない。
城西大は昨年はわずかの差で11位、予選会もトップ通過であったが、ふたを開けてみれば序盤から最下位争いを一度も脱出できないというあり得ない展開。8区の選手が脱水症状で棄権というのを見ると、考えられるのは集団風邪か。最近はどのチームも合宿所での集団生活、練習もほとんど合同練習であるが、リスク管理面では集団生活や合同練習も考えものだ。
最近企業でもリスク管理手法の巧拙が経営の根幹を揺るがすようになってきているが、学生駅伝は各校ともチーム力に差がなくなってきており、近いうちに学生駅伝でも新たなリスク管理の考え方がが導入されるような予感がするのは考えすぎだろうか。リスク管理にはリスクを低減させるものと危機管理がある。リスク低減はこれまでも専門トレーナーの導入や順大のように血液検査による体調管理などが行われてきたが、集団風邪のような「危機」には全く対応できない。リスクの分散やフェイルセーフという考え方が必要になってくる。
例えば、今までのAチーム、Bチームといったチーム分けは1軍と2軍と同義であったが、これを全く力が均等になるようにチーム分けをし、普段は別生活、別メニューの練習を行う。コーチもそれぞれ付いていたほうが望ましい。そこまで徹底しないまでも、エントリー選手が決まったら分割するとか、正選手と控え選手は分離するといった考え方は必要になるだろう。
東京、大阪、名古屋の3大会をすべて走ると宣言していた高橋尚子選手が、東京国際を前に引退会見。結局東京国際は欠場することになったとのこと。
全盛時の力には遠く及ばないものの、3大会出場だけはやってから引退宣言と思っていたので、突然の会見は意外でした。陸上競技の競技力は記録で正確に表されてしまうので、ピークを過ぎて記録が落ち始めると、記録以外によほど強固な目標がない限り、モチベーションを維持できないのは仕方のないことです。2年前の東京国際(2時間31分22秒で3位に終わったレース)で本人もうすうす感じていたのではないでしょうか。
しかし兆候はその前年に既にありました。同じ東京国際で2時間24分39秒で優勝し、復活と言われましたが、脚に肉離れを抱えていました。筋肉系のトラブルが出始めると選手寿命は著しく縮まります。私も2000年9月に初めて肉離れを経験してから競技力音低下が顕著になりました。そういう意味では肉離れで北京五輪を欠場した野口みずき選手の選手生命も、もう長くはないかもしれません。筋肉の損傷の原因の一つに高地での過酷なトレーニングがあります。極端な高地トレーニングを恒常的に行うと、短期的には競技力が向上しても確実に身体は蝕まれます。
そういえば2002年に肋骨の疲労骨折で東京国際出場取り止めということもありましたが、思えばこれが最初の注意信号だったのかもしれません。鳥や恐竜はかつて低酸素時代に繁栄が始まりましたが、当時低酸素環境での呼吸に適した気嚢(きのう)システムを獲得すると同時に、骨を空洞のようにして重量を減らし、エネルギーの消耗を抑えたといいます。高地トレーニングを続けることで骨密度が低下しても不思議ではありません。
おそらく、もう身体はボロボロで、頑張れば頑張るほど更に身体が蝕まれるという悪循環に陥ってしまい、ついには精神的にも限界に達してしまったのではないでしょうか。肉離れや半月板損傷などがあったり、同じ36歳(2002年東京)で限界を感じたことなど、多少自分とオーバーラップする点もあり、今はもう「気が済むまで休んで」と言いたい気持ちです。
マラソンの世界記録保持者のハイレ・ゲブルセラシエがベルリンマラソンでついに2時間04分を突破する2時間03分59秒をマークしました。スプリット・ラップは、
5 km 0:14:35 (14:35)
10 km 0:29:13 (14:38)
15 km 0:44:03 (14:50)
20 km 0:58:50 (14:47)
Half 1:02:05
25 km 1:13:41 (14:51)
30 km 1:28:27 (14:46)
35 km 1:43:05 (14:38)
40 km 1:57:34 (14:29)
Goal 2:03:59 (06:25)
最も悪い5kmでも14分51秒。最速は35~40kmというのもすごいですが、そのラップはなんと14分29秒。30~40kmの10kmでも29分07秒で走っています。10~30kmの中だるみ(といっても平均14分48秒ですが…)がなければ2時間03分30秒前後でしょうか。ゲブルセラシエの走力からして2時間03分台は決して驚くべきタイムではないのですが、いざ目の前にして見てみるとやはり驚異的です。
女子でも好記録が出ています。ミキテンコ(ドイツ)
5 km 0:16:40 (16:40)
10 km 0:33:11 (16:31)
15 km 0:49:47 (16:36)
20 km 1:06:28 (16:41)
Half 1:10:05
25 km 1:23:08 (16:40)
30 km 1:39:36 (16:28)
35 km 1:56:05 (16:21)
40 km 2:12:22 (16:17)
Goal 2:19:19 (06:57)
25kmまではイーブンペースですが、そこからじわじわとペースアップし、35~40kmは16分17秒まで上げています。さらにラスト2.195kmは6分57秒。これは5km換算で15分50秒のペースです。前半もう少し速く推移していれば18分台中盤は出た可能性があります。
男女長距離の5000m、10000mはそれぞれ圧倒的な強さを持った2選手が2冠達成。
男女とも競技順は10000mが先。男子は入りの1000mこそスローだったものの、エリトリアのタデッセが前に出てからは展開が一転、ハイペースとなりました。かと思えば中盤は中だるみ。3000mを8分09秒で通過したのに5000mは13分48秒とペースダウン。このまま8000mあたりまで行ってしまうかと思ったら今度は何とゲブルセラシエが引っ張るという予想外の展開。この後は細かい上げ下げはあるものの、2分40秒前後のハイペースで推移、これではさすがのケネニサ・ベケレも爆発的なスパートは難しいかと思いましたが、この人には全く関係ないようでした。ラスト1000mが2分27秒、ラスト400mは53秒台でカバーし、27分01秒17の五輪新。蒸し暑い東アジアの夏とは思えない記録です。ゲブルセラシエはさすがに最後のスパート合戦で勝負するスプリント力はなくなったか、6位に終わりましたが、それでも27分06秒68。
続く5000mは予選が10000mの3日後、決勝がさらに3日後。このレースも最初はスローで1000mを2分45秒で入りましたが、10000mと違ってエチオピア勢が終始ペースをつくりました。2000mまではベケレ弟が引っ張りましたが、意外にもその後はベケレ兄が自らペースをつくり、徐々にペースアップ。あまりスローだとラガトなどキック力のある選手が怖いと見たのでしょうか。3000mを8分00秒で通過したときは、まさか12分台が出るとは思いませんでしたが、次の1000mを2分32秒、ラスト1000mは2分25秒でした。今度は早めの仕掛けでラストのスプリント勝負ではなかったのですが、それでもラスト1周は53秒台。2着のキプチョゲ(ケニア)を5秒も離す圧勝でした。8位が13分23秒もかかっていることを考えると条件的には悪かったと思いますが、それほど今のベケレの力が他を圧倒しているということでしょう。
女子の方では、10000mは見ごたえがありました。5000mの通過15分09秒もまずまずのハイペースですが、7000mの手前でアベイレゲッセ(トルコ)が一気にペースアップ。7000mから8000mの1000mを2分55秒、次の1000mも2分56秒と頑張ります。これに着いていったのはT.ディババのみ。ややペースが鈍って残り1周でディババが満を持してスパート。しかしここであっさり勝負がつかなかったところがアベイレゲッセの成長ぶりを示します。じわじわと離されるものの、一気には離れません。このハイペースの中、ディババがラスト1周を60秒でカバーしたのもすごいことですが、アベイレゲッセも1秒68しか遅れずにゴール。ディババは29分54秒66の世界歴代2位、アベイレゲッセも29分56秒34と今まで15年前に王軍霞しか出したことのない29分台を2人同時にマークしました。王軍霞はラスト3000mが8分17秒という異常なペースであったことを考えると、この2人も実質世界新と言っても過言ではないと思います。
5000mはT.ディババの最大のライバル、デファーがいるのでそう簡単には2冠達成はできなかったはずですが、デファーはどうも不調のようでした。レースは入りの1000mが3分39秒というジョギングペース。その後も3分06秒、3分13秒、3分06秒と10000mよりもずっと遅い展開。ラストでディババとデファーのスプリント勝負と思いきや、デファーは勝負に持ち込む前に後退してしまいます。代わりに踏ん張ったのはまたもアベイレゲッセ。今回もディババに1秒34しか遅れず、アベイレゲッセの意外なスプリント力に目を見張りました。ディババの記録は15分41秒40と非常に遅いタイムですが、ラスト1000mは2分36秒63。ディババがもし1500mを走れば4分は確実に切るでしょう。
男子3000mSCは圧倒的な力を持っていたシャヒーン(カタール)がここしばらくは故障に悩み、今回も出場できず混戦。ケニアの1,2,3位独占も想定されました。優勝はケニアのキプルトが勝ち取りましたが、2位はフランスのベナバードという選手が8分10秒49で入りました。昨年までは8分14秒22の選手で、今季も五輪前は世界20位にも入っていないので大穴でした。しかし五輪後はその勢いでチューリヒ国際にて8分08秒95と更に自己記録を伸ばしています。身長は公称で152cmとなっていますが、その身長でよく障害を跳べるものです。
女子は昨年の世界選手権では実力を発揮できず7位に終わったサミトワ・ガルキナ(ロシア)が、今回は圧倒的な力で最初から先頭を引っ張り、最後は2位以下を大きく引き離してついに9分の壁を破り、8分58秒81の世界新。走力、ハードリング技術とも文句なしでした。しかしケニアのジェプコリルが9分07秒41で2着に入り、アフリカ勢が本格的に参戦してくればやはり圧倒的な強さを発揮するような予感をさせるレースでした。
次は男女中距離です。
男子800mは大会前、1分42秒台をマークした選手が3名(ボルザコフスキー、カメル、カキ)、他にもロペス(キューバ)が1分43秒07などまずまず盛況でした。特にカキ(スーダン)は19歳の伸び盛りでベスト1分42秒69はジュニア世界新。ところが、準決勝でカキとボルザコフスキーが敗退してしまいました。カメル(あのビリー・コンチェラーの2世)もプラスでようやく拾われる有様。結局決勝ではカメルは5位、ロペスも6位に沈み、優勝はブンゲイ(ケニア)に転がり込みました。
男子1500mは大会前のランキングでも1位が3分31秒台と近年になく低レベル。そうなると勝負強いラムジ(バーレーン)とラガト(米)が強いと思われました。ところが事もあろうにラガトは準決勝を2組5着+2のところ6位に終り、2/100秒差で決勝進出を逃してしまいました。一方のラムジは絶対的な力はないもののラストのキック力は一歩抜けていて初の五輪金メダル。
女子800mは今年になって突如現れたジェリモ(ケニア)。昨年までは400mの選手(ベストは今年出した52秒68)だったと言うから耳にしなかったのも当然ですが、19歳で大舞台にきちんと合わせられるかが懸念材料。しかしそんなことは全く問題とせず1分54秒87で2着のジェプコスゲイを1.20秒引き離しての圧勝。ジェリモは8月29日のチューリヒ国際では更に1分54秒01に伸ばしています。歴代でこの記録を上回る53秒台をマークしたのは2人のみ。いずれも今ほどドーピングが厳格でない80年代前半に東欧の選手が出したものなので、実質世界新と言えるかもしれません。ジェプコスゲイは2007世界選手権では圧倒的な強さを見せましたが、ジェリモの前では影が薄くなってしまいました。なお、ムトラは5位でしたが、この後、ジェリモが世界歴代3位を出したチューリヒ国際で引退とか。
女子1500mは直前にロシアの3選手がドーピング発覚で出場できなかったため、多くの選手に優勝のチャンスが生まれました。混戦を制したケニアのラガトという選手は正直、全く認識していませんでした。すでに27歳になる選手なのですが、2005年に4分02秒31をマークして以降の戦績が見当たらず、それ以前もアテネ五輪準決落ちくらいしか探せませんでした。800mも2分01秒26と特別速いわけでもありませんが、ラスト300mを43秒台で走っているところを見ると、潜在的にはもっとスピードを持っているのかもしれません。
忙しくてなかなか記事が進みませんが、今回は女子短距離。
当初からジャマイカvsアメリカの攻防と見られていましたが、ふたを開けてみればジャマイカは絶好調、アメリカは力を出し切れず、「国」対「国」という観点ではジャマイカの圧勝でした。
100mではフレーザーの10秒78(±0.0)を筆頭にシンプソン、スチュワートが同着銀。一方米国は3人が決勝に残ったものの10秒台も出せませんでした。200mはフェリックスが意地を見せるかと思われましたが、決勝で痛恨のスタート失敗で2位に終わり、またしても金はジャマイカのキャンベルに。100m、200mとも歴代上位は疑惑のジョイナー、マリオン・ジョーンズの記録であり、これを除けばかなりの好記録。
400mでもアメリカは本命リチャーズが3位に終り、昨年の世界選手権で優勝したオホルオグ(英)に優勝をさらわれ、2位にはジャマイカのウィリアムズ。優勝タイムは49秒62と低調でした。オホルオグは84年生れの24歳。次のロンドン五輪まで英国の期待を背負って頑張るのか。
100mHでは準決勝までは絶好調だったジョーンズ(米)が決勝も完全にリードしながら9台目で足を引っ掛けてバランスを崩して失速。転倒には至らなかったものの一気に遅れて7位に沈んでしまいました。しかし前評判には全く上がっていなかった同じ米国のハーパーが自己新記録で抜け出し金メダル。アメリカがこの種目では意地を見せました。
400mHは2007大阪で金銀のピットマン・ローリンソン(豪)とペチョンキナ(ロ)がともに欠場で混戦に。ハルキア(ギリシャ)の直前のドーピング発覚などもあり、全体のレベル低下かつ混戦状態に(おかげで日本の久保倉も準決勝進出のチャンスが巡ってきたという幸運もありますが)。そして決勝ではまたもジャマイカ。確かにウォーカーは今季世界最高を出してはいたものの、53秒48と圧倒的に強かったわけではありませんが、決勝は52秒64のオリンピック新。世界歴代でも4位の好記録でした。
男女ともジャマイカの調整ぶりは驚くばかりです。
ようやく一通り見終わったので、競技についてコメント。まずは男子短距離から。
今大会はまさに100m、200mを世界新で圧勝し、さらに400mRでも金メダルを獲得したボルトの大会。今さらコメントするまでもないが圧倒的にレベルが違っていた。タイソン・ゲイが本調子だったとしてもとても勝ち目はなかっただろう。そのタイソン・ゲイはやはり全米選手権で故障してからの期間が短すぎた。故障を治すのが精一杯でとても故障前の状態まで戻すことはできなかった。もう一人の対抗馬、パウエルも勝ち目はなかっただろうが、なぜいつも決勝になると力を発揮できないのか。普段どおりの走りをすれば、少なくとも3位以下を引き離して銀メダルは取れたはず。
200mは、2、3番目にフィニッシュしたスピアモン、マルティナ(オランダ領アンティル諸島)がいずれもレーン侵害で失格という初歩的なミス。ボルトの驚異的な走りに動揺したのか。ボルトは19秒30の世界新、しかも-0.9m。もちろん驚異的なのだが、むしろこれに匹敵する19秒32(+0.4m)を12年前に出していたマイケル・ジョンソンの走りがいかに凄かったか、あらためて思い知らされた。
400mは無敵と思われていたウォリナーが今季力をつけてきたメリットにあっさり敗れる波乱。決勝での0.99秒差はもちろんウォリナーが最後あきらめてしまったたためついた大差とはいえ、意外だった。コーチと決別したのも影響しているのではないか。決勝では44秒台が4人、準決勝でも6人とこの種目はレベル的には上がっていない。
110mHは劉翔が故障で予選を棄権したため、ロブレスの一人舞台に。足をひっかけさえしなければ楽勝の展開になってしまった。この種目も劉翔やロブレスなどトップの選手の記録が目立っていたためレベルが高そうに見えるが、決勝は6位でも13秒46(+0.1m)と実は結構穴場の種目だった。準決勝も13秒43(-0.4m)で決勝に進出している。ロブレスが12秒93で走っていることを考えると、ハードルに不適なトラックということでもなさそう。
400mHも2大会ぶりに金メダルを獲得したテイラーの47秒25は過去3大会より速いものの、全体としてはそれほど高いレベルではなく、決勝進出ラインは48秒75。クレメントは最終ハードルで足を合わせる悪い癖が出て2着。あれだけの走力と体格があるのだから、最後のインターバルも13歩で行けないものか。あるいは、せめて逆足で踏み切れればあれほど減速することはないのだが。
今回は「写真判定」の話です。
北京オリンピックに限りませんが、陸上競技トラック種目で着順が微妙な場合、アナウンサーや時には解説者までもが決まって「写真判定に持ち込まれたようです」などと言うのですが、これを聞くとあたかも着順は肉眼で判定し、肉眼でわからないものだけ写真判定にするか、あるいは電気計時で100分の1秒の差がつかなかった場合だけ写真判定を行っているように思えます。アナウンサーはともかく、解説者でこのようなことをいう方は、おそらく審判員として写真判定をやったことがない人でしょう。
これは明らかに間違っていて、トラック種目はすべて写真撮影を行い、写真によりタイムと着順を決めています。この写真は特殊な画像で、ゴールライン(幅がありますが、100mのスタート側から見て奥側)の延長上に設置された特殊なカメラでゴールラインの上だけを時間の経過とともに連続的に撮影し、それを横につなぎ合わせます。決してある瞬間だけを撮影したものではありません。横軸は長さではなく時間になっているわけです。
写真はこうして撮影されるわけですが、これで着順とタイムが自動的に計測されるわけではなく、判定装置(今はパソコン)を写真判定員が操作して、選手毎にトルソー(胴体)の位置を確定させていきます。判定員によってトルソーの取り方が微妙に違うので、微妙な場合は何人もが見て合意したところで判定を出すので、判定に時間がかかるわけです。特に隣のレーンがほぼ同着になると、イン側の選手が隠れてしまうので、トルソーがどこか一見してわからず、判定は非常に難しくなります。
タイムは1/1000秒単位まで一応は計測可能ですが、写真の解像度にも限界があるので、ルール上は1/1000秒差は誤差とみなし、同着と判定されます。これは下位ラウンドから上位ラウンドに進む場合のプラス取りを判定する場合も同じです。
ドーピングの話。今大会はまだドーピングによるメダル剥奪は出ていませんが、大会前からロシア選手が多数発覚して出場停止になるなど、ドーピングに揺れています。
陸上競技開幕後も、17日の女子400mHに出場するはずだったギリシャのハルキアが抜き打ち検査で筋肉増強剤に陽性反応を示して棄権。女子400mHといえば久保倉選手が予選3位で準決勝に進出しましたが、この組だけ他の組より1名少ない6名のエントリーでした。DNSはなかったので、スタートリストからも除名されていたようですが、もしかすると元々は久保倉選手と同じ組だったのかもしれません。
実はハルキア選手は、このブログの記事でも昨年の時点でドーピングの可能性を示唆していました。(コメントの方を見てください)
http://net-rc.com/b/2007/06/8m66.html
その記事の中心人物であるツァートゥマスは今大会、16日に行われた走幅跳予選で8m27のトップで通過しているのですが、18日の決勝はNM(記録なし)。DNSとはなっておらず、3回ともファウルしたのか故障などで跳ぶに跳べなかったのか、詳細はわかりませんが、ハルキアの事件とは無関係なのでしょうか。
ギリシャのもう一人のスター選手である女子三段跳のデヴェツィは15m23で銅メダルを獲得していますが、こちらは17日に競技が終わっています。ギリシャは前回のアテネ大会でも男子200mの優勝候補だったケデリスとシドニーの女子100m銀メダリストのサヌが大会直前にドーピング検査から逃避し、代表から外されるという事件があり、このままでは全選手が疑いの目で見られてしまいます。
男子100mは衝撃的でした。同じジャマイカのパウエルが前評判や準決勝までの走りと打って変わって決勝で硬くなってしまうこともあり、ボルトが100mで世界の一線級と同じレースで本当に真価を発揮できるのか、まだ誰にもわからないことでした。
しかし結果は9秒69の世界新で圧勝。100mで2位を0.20秒も離すというのは圧倒的な力の差がなければ不可能です。しかもゴール直前はもうレースの走りではありません。異次元の走りとはまさにこのことでした。
ボルトの走りはここ最近世界の主流とされてきた走りと異なります。近年の100mは、膝を伸ばし切らず曲げ切らず、大腿と下腿の角度をあまり変えずにスイングすること、重心の近くに着地し、着地時には反対脚の膝が重心の前に出るくらい素早く引き寄せること、そのためには地面を引っ掻くのではなく、プッシュするイメージで、キック脚は膝を伸ばさないというのが特徴です。原点はカールルイスにあり、モーリス・グリーンあたりで完全に確立され、現在のトップスプリンターの多くはこの走りです。
しかし、ボルトは着地時には膝が比較的伸びており、キック時は膝は伸びきっていないものの、キック後は膝を完全に折りたたんでいます。速く走るための合理的な走法なのか、196cmという長身だからなのかはわかりませんが、これまでと異なる走法と言えます。あまりに脚が長いため、スイング時の慣性モーメントを減らすために膝を折りたたむ必要があるのかもしれません。
「本職」の200mは一体どういう走りを見せるのか、最も破るのが難しい記録の一つであるマイケル・ジョンソンの19秒32を破ってしまうのか。注目です。
昨日いよいよ陸上競技が開幕。しかし録画して見るのが精一杯でとても各種目のコメントを書けそうもありません。かなり雑談的な内容になりそう。
放送が日本選手中心なので、初日の女子800m予選、男子1500m予選などが見られず残念です。それと当然ですがオリンピックなので他の競技も混在してくるので飛ばし見するのも大変です。
それにしても昨日の女子10000mのT.ディババとアベイレゲッセの走りは凄まじかったです。あれだけのハイペースで刻みながらラスト1周を60秒とは…。もっともT.ディババは5000mを14分11秒で走っているので、29分30秒を切る力があることを考えると余裕があったのかもしれませんが、アベイレゲッセも敗れながらもラスト1周62秒でカバーしているのには驚きました。エチオピア勢に勝つためにかなりスピード練習(というかスプリント練習)に取り組んだのではないでしょうか。
まだ2日目の途中ですが、日本選手は昨年の世界陸上に続く惨敗を予感させるスタートです。男子100mは塚原選手が準決勝に残ったとはいえ10秒23のタイムでの進出は組合せによるところが大きいし、400mHも決して予選のレベルは高くなかったのにあえなく敗退。女子も100m、400mとも地に足がついていない感じだし、3000mSCは調整ミスでしょうか。そう考えるとハンマー投の室伏選手はさすがです。負の連鎖を断ち切ってほしいです。
ここからは独り言ですが、女子種目は女性が解説することには別に否定はしませんが、マラソンだけでなくトラックを含めた陸上競技に精通してほしいです。3000m障害の水濠がトラックの内側にあるのを珍しいと言ったり(国際的には内側が主流。ただしIAAFはトラックの外側を推奨している)、8000mあたりから29分台は予想できたのにゴール直前で29分台に突然驚いたり、世界記録とは20秒以上差があるのに「世界新?」と言ったり。また、完全に失速しているのにまだ大丈夫とか、いい加減なことを言わないでほしい。素人のアナウンサーはともかく、解説者には冷静かつ客観的にコメントしてもらいたいものです。
やり投で海老原が2投目でトップに立つと4投目にj56m71を投げ、B標準突破して優勝。代表に近付いた。
棒高跳は4m30以上の記録を持つ選手のうち日本記録保持者の錦織とその前の日本記録保持者の近藤がともに4m10を失敗して記録なし、中野が4mは成功するも4m15を失敗。唯一4m10を成功した我孫子に優勝が転がり込んだ。A標準とかいう以前に全く勝負にならず煮え切らない競技だったに違いない。
ハンマー投は予想通り室伏と綾の一騎打ちとなったが、優勝した室伏でも62m98と低調。2人で67m台を投げていた頃は世界が見えていたのだが、このところは霞んでしまっている。
三段跳も世界が全く見えない種目。吉田が13m12とかろうじて13mを超えたが、B標準でも14m00。走幅跳で記録を伸ばしてきた桝見あたりが本気でやらないと14mには届きそうにない(桝見の三段跳はあまり聞かないが、4年前に13m11を跳んでいる)。
砲丸投は豊永が優勝したが記録は15m66。自己記録にも2m近く足りない。B標準が17m20とかつてよりかなり下がっているのでB標準くらいは行ってもらいたいのだが。未だに森千夏の永眠が惜しまれる。
走高跳は福本という聞きなれない選手が1m86で優勝したが、旧姓青山。ハニカット(太田)、今井が退いたあとはもうこの選手しかいないのが寂しい。2位でも1m78でこの種目の凋落は激しい。
走幅跳は桝見が6m57で優勝。池田はまさかの3位(6m42)。桝見はB標準(6m60)を突破していないので今大会の結果で代表に選考されることはないが、もし6m60を超えていたらどうなっていたか?不調に陥っている池田より勢いのある桝見を選ぶということもあったのではないか。池田の不振の原因は福島回帰にあるのではないかと思うのは私だけだろうか。落ち着いて1ヶ所で競技に打ち込んだほうがいいと思うのだが。
円盤投は室伏がハンマーと合わせ2冠を達成したが、53m36はB標準に5m64も足りず、本人のベスト記録にも5m以上及ばない。それでも2位を5m40も引き離すという状況で、この種目の将来は一体どうなってしまうのか。
7種競技は第一人者の中田が順当勝ちしたが、5576点と自己記録に遠く及ばないばかりか、B標準(5800点)にも全く届かず。自己の持つ日本記録の時と比べると、投擲と800mはそれほど乖離がないが、スプリント(100mH、200m)と跳躍(走高跳、走幅跳)がかなり落ちているのが気になる。
まずはハンマー投で室伏が代表内定。今季初戦であり、相手が日本選手ということで76m台、よくて78m台と思っていたのだが、結果は80m98。すご過ぎる…。内容も1投目76m99であっさり事実上優勝を決めたあと、2~4投目は79m台、5、6投目で80m台と尻上がり。百戦錬磨の鉄人だけに本番もメダルは手堅く取ってくれるだろう。
円盤投は世界から最も遠い種目の一つ。その中で畑山の60m突破と日本新だけが関心事だったが、畑山は55m56で2位。代わって小林が優勝したものの56m27とやはり世界は遠い。
砲丸投も世界から遠いが日本記録18m56を持つ畑瀬や18m43の村川らが19mを超えてくると少し世界が見えてくる。しかしその畑瀬は右脚の故障で痛みを我慢しながらの懸命の投擲。結局村川が勝ったものの記録は17m50と低調。
走幅跳は菅井がB標準を超える8m13を跳ぶも追風参考。優勝はしたものの公認記録は7m79で2~5位を下回る。唯一B標準記録を突破している荒川は故障らしく7m35の低空飛行。
棒高跳は澤野が5m60の1回目を失敗してひやっとしたものの、2回目にクリアし優勝を決めた。続く5m70は3回目に決めたが、今回も脚に痙攣がきたらしく、そこで試技は中止。まだ痙攣癖は克服できていないようだ。鈴木が5m60を跳んでいれば澤野も慌てただろうが、まだ5m60は簡単に跳べる高さではない。しかし5m50の試技には笹瀬も残ったし、最近まで見られた澤野以外の全員の試技が終了した後で澤野登場、という状況からは改善している。学生新をマークした荻田は5m20に終わった。
三段跳は雨の影響もあったか、優勝記録は16m30(石川)に終わった。大学生でも16mを跳ぶ選手は少なくないのだが、そこからが伸びない。
やり投は村上が79m71とB標準を超えての優勝。A標準こそ超えていないものの、安定性があり、代表には選ばれるものと思われる。この種目で9連覇というのもなかなかできることではない。
10種競技も金子が8000点目前までいってから早15年。今回も自己記録7803点の田中が臨んだが7594点。競技人口の少なさもありB標準は7700点とそれほど高くはないのだが。
10000mは歴史的な好レースと言えるだろう。スタート直後は赤羽が先頭を切ったが、1000m過ぎからはずっと渋井がレースを引っ張る。リアルで見ていたらペースメーカーに終わってまたも五輪代表を逃すと思っただろう。レースが動いたのは8000m。7600m辺りで松岡が交代し、渋井、赤羽、福士の三つ巴。まず動いたのは赤羽。しかし急激な変動はなく、その後に福士が前に出たところで一気にペースが上がる。昨年までの福士ならここでリードして安全圏だったであろう。しかし福士の走りは昨年とは違い、推進力が弱い。一瞬赤羽が遅れかけるが追いつき、ラスト1周のバックストレートで逆に赤羽が一気にスパート。福士が遅れるが渋井は差を保ち、最後の直線でついに赤羽を差した。感動的なレースだった。渋井と福士の差はマラソンを走った時期の差が出たのではないか。11月の東京に出た渋井は完全に復調していたが、1月の大阪に出た福士はまだ回復途上。むしろ31分18秒まで復調したのさえ驚きでもある。このレースを見れば優勝を逃した赤羽、福士とも文句なしに選ばれるのではないか。
800mは佐藤が本調子にはほど遠く、自ら引っ張れない状態では記録も望めず。優勝はしたものの2分05秒37の凡記録。個人的には女子800mを変える可能性があるのは丹野だと思っている。
3000mSCは終始先頭を走った早狩が優勝し、代表内定。発展途上の種目とはいえ、35歳での初五輪は賞賛もの。逆に2位以下は徐々に底上げされてきているが、もっと走力が必要。(早狩は5000mベスト15分11秒)
1500mは小林がいない中、特別ハイペースではないものの吉川がスタート直後から先頭を引っ張り、ラストも他を寄せ付けず圧勝。力をつけている。ラスト300mは47秒0で、ラストの切れ味だけなら小林を上回るのではないか。まずは4分10秒を切ってほしい。
5000mは小林が15分11秒97で優勝、すでにA標準は破っているので代表内定。本人は1500にこだわりがあるだろうが、世界的に見れば5000mの方が近道。レースを見ていないので何ともいえないが、ラスト1000mは2分53秒だったようだ。赤羽、福士、渋井が続いたが、10000mの疲労もあり、1500m選手の小林のこのスピードにはついていけなかったか。本番では14分台と決勝進出を期待したい。
10000mはA標準を突破している松宮が優勝でタイムも27分51秒27の好記録なので文句なし。ラスト1000mも2分39秒と切れ味も十分。大野、三津谷も27分台ということで選ばれる可能性はある。しかし功労者は木原だろう。最終的には6位に終わったが8000mまでずっと先頭を引っ張り続け、今回の好記録を生み出した。
800mはB標準を切るために自分で引っ張ると意欲的だった横田が予告通りオープンレーンから先頭を引っ張ったが、200m過ぎから中だるみして400mを53秒の通過。先頭で消耗したか、第3コーナーで口野にリードを許し、差し返せなかった。勝負に徹して後方で待機すれば得意のパターンで勝てただろうが、B標準を切らなければ話にならない状況ではやむを得ない。男子のトラック種目では最も遅れている種目だけに、他の選手にももっと積極性がほしい。
5000mも松宮が勝って2冠。2種目で代表権獲得。2位竹澤も当確のようなことがメディアに出ていたが、勝負重視とはいえ13分49秒のタイムで選んでいいのか?と個人的には疑問。1000mは中山卓也(30位)、2000mは柴田(19位)、3000mは佐藤秀和(15位)と下位の選手に引っ張らせ、代表権を勝ち取るというようなレースをしていない。
3000mSCは岩水が磐石なレース運びで確実に代表権獲得。最後意地で8分30秒を切りに行ったのも好感。インタビューではメダルを取ると言っていたが、それはさすがに無理でもなんとか決勝進出と日本新達成を果たしてほしい。
1500mは優勝すれば代表入りと勘違いでもしているかのような超スローな展開。見ていても完全に興ざめ。完全に勝利を手中にしたはずの渡辺が残り30m位のところでまさかの転倒。あのままゴールしていればラスト400mはおそらく53秒台だったが、限界を上回るスピードに脚がついていかなくなったものと思われる。それほどに残り150mあたりからの渡辺の走りはすさまじかった。
200mは福島が100mに専念した関係で注目度が低いレースとなってしまった。-1.1の中23秒84の信岡は悪くはないが世界は遠い。注目の中村宝子も疲労が出たか、得意の向い風でも3位に終わった。
400mHは脚を引っ掛けさえしなければ負けそうにない久保倉が56秒21で優勝。A標準には届かなかったものの、代表には選ばれるのでは。青木が56秒93と56秒台に入ってきたのは楽しみ。
100mHは石野が今大会でB標準を切って圧勝なら選考の可能性もあったが、3位に終わった。
400mは丹野が順当勝ちしたものの、52秒68は期待外れ。雨の中とはいえ、2位以下のタイムやほぼ同条件で行われた男子のタイムと比較しても、52秒は切ってほしかった。
100mは福島の力が完全に頭一つ抜けていた。軸足がしっかり推進力を地面に伝え、キック時に伸び切ることなくすばやく切り返す技術が他の選手より優れている。だから雨や向い風でも走れる。細身の身体はこれまでと違うタイプだが、アリソン・フェリックスなど世界的選手もいる(全米選手権は5位に終わったらしいが)。A標準は突破していないが代表に選んで世界を経験してきてほしい。
競技順では400mHがまず決勝第一弾。調整不足で50秒を切ることさえ困難かと思われた為末の決勝一発にかけた集中力は見事としかいいようがない。成迫も持ちタイム、実績、期待度から言って代表当確か。
200mでは末續の失速に誰もが目を疑ったのではないだろうか。しかしすでに日本記録を出した頃の鋭さはここ数年影をひそめているし、そろそろ世代交代の時期か。しかし高平とて絶対的な力を持っているわけではなく、伊東、末續と続いた黄金期の後の低迷期に入るかもしれない。
110mHは内藤が2位との差0.07秒だったが、内容的には全く危なげなかった。世界のレベルは上がっているので、五輪では13秒39の日本記録を更新してほしい。
400mは関東インカレで負傷した金丸がどこまで回復しているかが注目だったが、雨の中45秒69で圧勝。さすがに回復が早い(40過ぎのオジサンとは違う)。心配なのは肉離れ癖がついていること。大阪の再現だけはしてほしくない。
100mは塚原が雨の中いい走りで朝原を後半引き離して優勝。しかし3位以下が物足りない。おそらくリレーは順当にいけば塚原、末續、高平、朝原でいくと思われるが、200m選手頼みではメダルは厳しい。末續も今回の失速で印象が悪いし。
今年も審判員で参加しました。ただ、今回は競技者係(招集係)で、しかも招集場所がバックスタンドの下ということで、競技はほとんど見られなかったのが残念です。掲示板の記録用紙を見て「あ、日本新出たんだ…」という感じ。
でも競技前の選手の様子は観察できました。例えば先日女子100mで日本タイを出した福島選手などは、招集場所に来るのが予選も決勝も一番乗りだったし、「この間は日本タイおめでとう」と一言かけると、照れながら「ありがとうございます!」と返事したりと、初々しさが残っていて好印象でした。棒高跳の澤野選手あたりになると他の選手からも雲の上の存在という感じで常に選手達の中心にいる感じでした。
競技の方は女子400mで丹野選手が51秒75の日本新、金丸選手が男子400mで45秒21のA標準突破と400mで好記録が出ていました。風がいい感じ(常に追風のような感じ)で回っていたように思います。男子走高跳の醍醐選手が2m27、女子走幅跳の池田選手が6m51(+1.3)でそれぞれ復調の兆し。女子200mでは福島選手が23秒13、中村宝子選手が23秒35と好記録を出しましたが惜しくも+2.7mで追風参考。
残念だったのは男子10000m。残念なのは記録ではなく、コール遅れで棄権となる選手が多数出たこと。招集開始時刻に既にいたのは2名のみ。その後招集終了時刻までに集まったのは3~4名のみ。しばらく様子を見て、招集終了後1~2分後に7~8名が来ましたが、招集の審判長判断でここまでは救済。その後更に5分以上遅れて外国人選手を含む数名が現れましたが、既に点呼済の選手はグラウンドに移動した後。当然ながら受付けませんでした。
その後、どこかのチームのコーチらしき人が来て、コール場所がわからず迷ってしまった、外国人だからわからなかった、等々言い訳をして何とか救済してもらえないか、と訴えていましたが、小学生や中学生で初めて試合に出る選手じゃあるまいし、試合会場に来たらまずすべきは自分が出る種目の招集時間と招集場所の確認ではないでしょうか。まして招集所まではIDカードを持ったコーチや通訳も同伴できるのです。なお、他のグランプリ種目ではコール時間の遅延はほぼ皆無でした。
ちなみにこのレースではダビリ選手が自分以外の全選手を周回遅れにし、27分14秒03の好記録を出しましたが、ダビリ選手は招集は2番目に早々と済ませ、他の選手が一向に集まらないのに長椅子に座って落ち着き払っていました。このあたりのレースに臨む姿勢に日本男子長距離界の低迷の理由が垣間見えるような気がします。
短距離種目のスタート準備の際の注意事項です。
〔第162条5〕
「位置について」または「用意」の合図で、競技者は、ちゅうちょなく完全にして最終の用意の姿勢をとらなければならない。
「位置について」または「用意」の合図の後、信号機や認可されたスタート装置の発射前に、正当な理由もなく手を挙げたり、クラウチングから立ち上がった場合は(そのような理由は審判長によって見きわめられるが)審判長はその競技者に不適切な行為として警告する。
〔注-IAAF〕
スタート中止の原因が他の理由によるものであれば、不正スタートは競技者に原因がないことを示すために緑旗(カード)を全競技者に示すべきである。
下線部が追加された部分です。高いレベルの競技会になるほど、位置についてから(集中できないのか?)手を挙げて中断を促すケースが散見されます。世界選手権でもよく見られました。こういった行為を慎むよう明文化したものです。ただし判断は(スタート地点にいるわけではない)審判長に委ねられるということで、どれだけ徹底されるかは疑問。
見慣れない緑旗または「グリーンカード」も今年の競技会では頻繁に見られることになるでしょう。
3000m障害の水濠の規格が変わります。
〔第169条6〕
(本文省略)
〔注-IAAF〕
水濠のトラック表面レベルからの水深は70cmから50cmまでとする。水濠のスロープは、図で示されているように、維持されるものとする。新しく建設される水濠は、より浅く建造されることを推奨する。
水濠の傾斜は変わらないものの、最深部の水深はこれまで70cmだったものが、50~70cmと幅ができ、特に新しく造る場合は50cmを推奨ということで、今後は水深50cmがスタンダードとなります。これは女子選手に配慮したものと思われますが、3000mSCに対して日の浅い高校生などでも、水濠の恐怖感が多少なりとも和らぐのではないでしょうか。
「高さ」を争う競技の優勝決定戦(ジャンプオフ)の高さの設定方法が変わりました。
〔第180条8(c)(i)〕
第1位を決めるには、第181条1に基づき、同成績の競技者全員が成功した次の高さで、もう1回試技を行い、同成績者がいずれも成功するか、失敗して決定に至らなかった場合は、バーは走高跳は2cm、棒高跳は5cmそれぞれ上げ下げして行う。(以下省略)
例えば走高跳で1m88を成功した選手が複数いて、次の高さ1m91はいずれもパス、その次の1m94はいずれも失敗した場合、現行ルールでは試技の権利を失った1m94からジャンプオフをスタートしていましたが、新ルールでは最後に成功した次の高さである1m91からジャンプオフが開始されます。
次は上位ラウンドにおけるシード選手のレーン割り当てです。
これまで上位ラウンド進出の際にシードとなった場合は、3~6レーンが割り当てられ、シード外は1,2,7,8レーンが割り当てられましたが、新ルールでは、シードが3~6レーンというのは変わりませんが、シード外選手のうち下位2名は1,2レーン、上位2名は7,8レーンが割り当てられます。
なお、9レーン使用する場合は、上位4名がシードで4~7レーン、シード外の上位2名が8,9レーン、下位3名が1~3レーンとなります。
リレーのオーダーについては大幅な改定があり、現場の混乱が懸念されます。
〔第170条17〕
リレーチームの編成メンバーは、どのラウンドにおいてもその競技会のリレーまたは他の種目に申し込んでいる競技会であれば出場することができる。ただし、本連盟の公認競技会では出場するメンバーのうち少なくとも2名はリレーに申し込んだ競技者でなければならない。最初のラウンドに出場したメンバーはその後のラウンドを通して、2人以内に限り、他の競技者と交代することができる。この規則に従わなければ、チームは失格となる。
〔第170条18〕の〔注〕
1 申し込みのときのチームの編成は、原則として6人以内とする。
2 交代とは、一度出場した選手が他の競技者と代わることであり、最初のラウンドにおいてリレーに申し込んでいない競技者が出場する場合は交代と見なさない。
3 前のラウンドに出場した競技者が一度他の競技者と代わり、再びリレーチームに戻る場合は、新たな交代競技者数には加算しない。
第1のポイントは、最初のラウンド(予選)ではエントリーしたリレーメンバー(通常6名)の中から出場しなければならなかったのが、新ルールでは同一競技会にエントリーしている他のメンバーでも出場できるようになったこと(170条17および18の注2)。ただし、最低2名はリレーメンバーから出場しなければなりません(170条17より)。
第2のポイントは、予選を走り、次のラウンドで退いた選手は、その次のラウンドも走れなかったのですが、新ルールでは一度走った選手の再出走が可能になりました(第170条18の注3より)。
第3のポイントは、交代は2人までしか認められないこと。なお、上の2つのケースは「交代」にあたりません。
具体的に予選、準決勝、決勝の3ラウンドを例にしてみます。
予選ではリレーメンバーを最低2名使えば、他の種目から2名出しても構いません。また、この時点で「交代者」は1名も使っていません。
準決勝で2名別の選手を使ったとすると、この時点で交代者は2名です。では交代者を2名使ってしまったので、例えば怪我人が出たら決勝は棄権か、というとそうではありません。予選を走り、準決勝で退いた2名が決勝で復帰するのは「交代に当たらない」からです。このルールを上手く使えば、準決勝の顔ぶれを見て一人休ませ、決勝で再出場するなど、これまでできなかったことが可能となります。また、掛け持ちの選手の使い方も変わってくると思います。
2008年度の審判講習会に行ってきました。大規模な改正ではないものの、競技をする上では影響が大きい改定事項もありました。主なものを一つずつ紹介します。まずは長距離種目に大いに関係あるもの。
〔第147条〕
競技場内のみで行う競技では、男女混合の種目は通常では認めない。しかしながら、第1条1(a)~(h)以外の競技会において、フィールド競技および5,000m以上の競走(歩)における場内の混合競技を認める。第1条1(i)(j)の競技会では、混合競技は地域陸協、各国陸連の特別な許可があれば認める。
第1条1(a)~(h)の競技会とは、いわゆる国際競技会のこと。つまり、トラックでも5,000m以上なら男女混合レースが認められます。これは競技会の時間短縮のため、出場選手が少ない種目を男女混合で行うことを想定しているようです。たとえば県や地域の選手権での10000mや競歩などで、出場者1名のみというのも珍しくありませんでした。
ちなみに現行規定では上記の第1文目のみでしたので、道路競技では男女混合が暗に認められていました。
その他、フィールドでも女子のハンマー投や棒高跳など、出場選手が少ない種目がありますが、これらも対象になります。
男子が世界選手権5位の尾方、福岡で日本人1位、2時間7分13秒の佐藤、びわ湖で日本人1位、2時間8分36秒の大崎の3名、補欠が東京で日本人1位、2時間8分40秒の藤原。
女子が世界選手権3位の土佐、東京優勝で2時間21分37秒の野口、名古屋優勝で2時間25分51秒の中村の3名、補欠が大阪日本人1位、2時間25分34秒の森本。
大方の予想通りで全く順当なのだが、意外だったのは、男子の選考順位が佐藤、大崎、尾方の順だったこと。まず2時間7分13秒という高い水準のタイムを叩き出した佐藤がまず決まり、世界選手権6位に加えてびわ湖日本人1位となった大崎が2番手。尾方と藤原の選考に時間を割いたとのこと。世界選手権5位は決して群を抜いて高い評価ではなく、6位、7位となった大崎、諏訪が国内選考会に出ており、しかも藤原は諏訪に勝っていることから、尾方、藤原両選手の評価は近かったようだ。最終的には尾方の実績、安定感が買われた。
女子は土佐は内定済、野口も全く問題なしで3人目はタイムよりも「優勝」に重きが置かれた。優勝と言っても名古屋は外国人の有力選手が出ておらず、日本人の誰かは必ず優勝するわけであるが、出場選手の顔ぶれからして、この中で優勝できたのが高く評価されたようだ。中村と森本は同じ天満屋であるが、武富監督の意見は特に求めなかったという。
この中で一番心配なのはやはり中村選手か。今回が初マラソンだったので当然ながら夏マラソンの経験はなし。本番まで5ヶ月しかないので、初マラソンのダメージを引きずるともう一度身体を作り直す時間がない。1本だけならともかく、短期間で2回続けて結果を出すにはやはり経験がものをいうと思う。まだ21歳なので、周りが過度に追い込んで潰してしまうことのないよう配慮してほしい。
高橋尚子選手がレース後の記者会見で明らかにしたところによると、昨年8月に右膝半月板を50%切除する内視鏡手術をしたとのこと。調整レースに出ていなかったのはその影響だろうし、そもそもマラソンで戦うための練習すらできていなかったと思われる。市民ランナー並みの走力にしか戻せなかったのだろう。
私も2001年8月に同じ内視鏡手術により右膝半月板を部分切除し、翌2002年2月に東京国際マラソンを走っているが、その時と状況は酷似している。10月から本格的なマラソン練習に入ったものの、やはりレースに出て再発させるのが怖くて調整レースには一切出ず、レースペース走なども極力行なわずに本番を迎えた。走ってみなければわからない状況の中、2時間34分32秒で、2年前に出したベストから9分落ちだった。
高橋選手の場合は、私の時よりもずっと回復状況が思わしくなかったと思われる。おそらく最後までマラソン練習らしい練習はできずじまいだったのではないか。レースになれば何とかなるのではないかと淡い思いでスタートしたものの、イメージ通り走れず、でも完走だけはしなければと思い、プライドを捨てて走り続けた…。私自身同じような経験があるだけに、そんな状況が痛いほどよく伝わってくる。
私の場合、今でも時々半月板の痛みが再発するが、一応その影響はほとんどなく走れている(レベルの低下はその他の理由によるところが大きいが…)。記事にはまだ走り続けるようなコメントが書かれているが、決して克服できない怪我ではないので、最後に一花咲かせるまで頑張ってほしい。
名古屋国際女子マラソンをもって女子の北京五輪選考レースは全て終了。
名古屋では天満屋の新鋭中村選手が初マラソンながら2時間25分51秒で優勝。大阪で同僚の森本が出した2時間25分34秒は下回るものの、レース内容という面では中村選手の方が評価されるのではないだろうか。参考までに東京優勝の野口選手を含めて5km毎のラップを比較すると、
森本 | 中村 | 野口 | |
5km | 16'57" | 17'55" | 16'38" |
10km | 16'58" | 17'52" | 16'49" |
15km | 17'50" | 17'47" | 16'57" |
20km | 16'52" | 17'15" | 17'12" |
25km | 17'28" | 17'35" | 16'47" |
30km | 17'21" | 16'59" | 16'39" |
35km | 16'56" | 16'31" | 16'26" |
40km | 17'30" | 16'44" | 16'56" |
GOAL | 7'42" | 7'13" | 7'13" |
加納選手は大阪に一度出ている時点で(一度失敗しているということで)あまり評価は高くなかっただろうと思う。選考レースに出るのは1回が原則という考えは選考委員にもあると思う。原、坂本両選手も大阪を直前に回避して名古屋にスライドしている時点でやはりベストの状態に持っていくのは難しかったのではないか。坂本選手にも注目はしていたが、画面で見ても脚が十分に締まっていなかった。明らかに4年前とは違う。
高橋尚子選手は、レース前の練習の映像などを見ていて、変な走りだなと思っていた。そしてわずか9kmで失速というありえない展開。故障しないように筋力アップに努めていたようだが、走りの方はどう見てもバラバラ。私も昨年筋力トレーニングを取り入れたが、最初は上手く走れなくなった経験がある。それに似た感じにも見えた。
でも根本はもっと別のところにあるような気がする。年齢による衰え、永年の高地トレーニングによる身体へのダメージ、体質の変化やスピードの低下。焦りからくる調整ミス…。考えられる要因はいろいろある。また今回、高地トレーニングからの帰国が早かったのも気になる。それでも最後までレースを投げ出さず、完走(2時間44分18秒)したのは、何か思うところがあるのかもしれない。(このレースで一線を退くとか?)
大崎選手が2時間8分36秒で日本人1位。北京五輪の代表をほぼ手中にした。もともとびわ湖に出なくても大阪世界選手権6位の実績だけでも選考される可能性はあったのだが、あえてリスクを冒して国内選考レースに挑戦し、なおかつ狙ったレースでしっかり実力を発揮して文句なしの結果を出す。速さでは佐藤敦之選手の方が上だが、「強さ」では負けていないと思う。
1位のシャミ選手にも、40kmでは37秒差があったのに、最後は13秒差まで詰めていて、ラスト2.195kmは5km換算で15分18秒にペースアップしていて、日本選手全般のラストの課題もクリア。東京で藤原新選手が出した2時間8分40秒をオーバーしていたら…という仮定の話をしても、今日のレースなら多少の超過は問題ないだろうと思う。
大崎選手以外では、意外な選手が上位に入ってきた。4位の大西選手は2時間8分54秒。25km手前で遅れ出し、30kmでは大崎選手と17秒差。しかし一時は6~7秒差にまで詰め寄り、あわや逆転というところ。もし逆転していたら選考がまたもめるところだったかもしれない。大西選手といえば駒沢大OBだが、駒大OBで過去サブテンは藤田選手、西田選手の2人。しかしこの2人は駒大の大エースであり、ベスト記録はいずれも大学卒業後1~2年に出したもの。いわば学生時代の遺産といえなくもない。その後も駒大のエース級は社会人に入ってから目立った活躍がない。
一方、大西選手は駒大時代、5000m13分57秒、10000m28分45秒、箱根駅伝も1年で7区2位、2年で3区4位、4年で6区2位とそれなりに実績はあるが、エース級ではなかった。そして卒業後8年目にして初サブテンというこれまでになかったタイプ。日清食品では39歳でまだ衰えを感じさせない実井選手といういいお手本がいるだけに、まだまだ期待できる。
清水智也選手は中間点の前で既に後退していたので、全く意外だった。大崎選手との差を見てみると、25kmで19秒、30kmで37秒、35kmで40秒、40kmで38秒、ゴールで47秒。早い段階で離れながらも自分のペースを維持してかなり粘っていて、ハイペースの影響で崩れて落ちてくる選手を確実に拾っている。清水智也選手も、双子ランナーということで注目はされていたが、学生陸上界を代表するような実績はなかった。同じ双子でも兄・将也(旭化成)の方がどちらかといえば体格も恵まれ、実績は上だったが、長距離ではあまりメジャーではない佐川急便というチームで、初マラソンサブテン。なかなか面白い選手になってきた。
昨年とは打って変わって好天。気温は低めだったが、昨年の冷たい雨に比べれば雲泥の差だろう。雨さえ降っていなければスローランナーはそれなりに着込めばさほど寒さは感じないだろうし。3万人規模の大会運営は大変だ。
レースは35km付近で抜け出したロスリン(スイス)が2時間07分23秒の好タイムで優勝したが、最後まで食い下がった一般参加の藤原新選手(JR東日本)が2時間08分40秒で2位に入り、日本人1位。招待選手の諏訪、入船、梅木に先着した。終盤、脚に異常を来して何度かバランスを崩したが、よく持ちこたえた。実況ではしきりに「つまづいた」と言っていたが、あれはどう見ても痙攣。机上の知識だけではああいった現象は理解できないものなのだろうか。
これで諏訪選手の五輪出場はなくなった。世界選手権で24秒差で6位入賞した大崎選手と今回の藤原選手の評価は選考委員も悩むところだろう。もちろんびわ湖で大崎選手が2時間08分40秒以内で日本人1位なら文句なしであるが。個人的には8月の北京という環境を考えれば大崎選手の実績に対する評価の方が1枚上だと見るのだが、半年前のレースだけに記憶が薄れているというマイナス面もある。びわ湖の大崎選手の走りが期待通りでなかった場合は、まさに混沌としてくる。
それ以外では今回の藤原選手のようなあっと驚く新星が出現しない限り全く対象とならない。また、福岡失敗組の追試合格は認めないでほしい。前例を認めると、とりあえず福岡に出て、失敗したらびわ湖という風潮ができてしまうことになりかねない。
雨が心配されたが、スタート時にはすっかり好天。しかも前半は風が弱く向い風の影響が少なく、折返し後は風が強まり追い風を受けるという絶好のコンディションに見えましたが、実際のところはどうだったのだろうか。
有力選手は皆オリンピック選考レースに回ったため、別大は新人が目立つ大会となった。そのためか折り返して追い風になったにもかかわらず、先頭集団の全員がスローダウン。その中で落ち込みを最小限に抑えた旭化成の新鋭、足立選手が2時間11分59秒で優勝。序盤から集団の中ほどの好位置をキープし、頭の動かない安定したフォームはかつての瀬古選手を思わせる。35~40kmを17分近くかけながら、ラスト2.195kmは7分を切って上がるあたり、潜在能力は高そうだ。
唯一持ちタイム2時間10分以内の野田選手は折返し前で早くも集団から遅れ、30km付近では坐骨神経が痛んだような感じで大失速に見えたが、7着2時間16分01秒でゴール。途中棄権してもおかしくない状態だったが、最後まで走りきったのは先週の福士選手の影響も多少あったかもしれない。
ところで余談だが、別大といえば毎回スタート直後に猛然とダッシュして先頭で競技場を出て行く、知る人ぞ知る某市民ランナーがいる。しかし、年々彼をテレビ画面から外す技術が向上しているように思える。中継カメラもその辺りを意識しているのだろうか?それでも毎年懲りずに続ける彼もある意味大したものですが…。私にはとても真似できません。
第42回青梅マラソンは雪のため12年ぶりに中止だそうです。
12年前の第30回大会も同じく雪で中止。ちなみにこの大会は私もエントリーして前日から現地入りしていましが、前夜から雪が降り始め、当日朝、宿で中止を知りました。御嶽山の旅館に泊まったのですが、積雪でケーブルカーも動かず、下山に苦労したのを思い出します。
ねずみ年の青梅マラソンは雪というのがジンクスになるのでしょうか?
自分の勝田マラソンと同日だったので当然生では見られず、1日半経ってようやく録画を見た。
当然結果や新聞記事などを見てしまっているので、福士選手のゴール前のシーンなども手に汗握るような状況ではなかったものの、リアルタイムで見ていたらショッキングだっただろう。
トラックやハーフで実績を持つ選手のマラソン初挑戦であそこまで撃沈するのは女子選手では珍しい。しかし男子選手ではよくあることで、しかも福士ほどの注目度もないので大抵は途中でリタイヤしてしまう。あの状態で完走したことはむしろ驚異的だ。まだ25歳なのだから、マラソンの厳しさを知って4~5回目の挑戦で日本記録に挑戦できるようになればいいと思う。福士にはマラソンは無理という意見もあるかもしれないが、3分20秒ペースをあれだけ楽なフォームで走れる選手は日本人では福士以外にいない。今回は準備不足でやむを得ないが、将来の可能性という点では決して低くなってはいないと思う。
これで3人目の代表が名古屋で決まる可能性が非常に高くなった。今回の日本人1位森本選手の2時間25分34秒より速く、かつ優勝なら決まりだろう。嶋原選手が日本人1位なら、優勝でなくても世界選手権の実績と合わせて選ばれる可能性もある。
高橋尚子選手は最近の状況から2時間21~22分で走れと言われれば厳しいだろうが、25分で勝負に勝てばよいというのなら30kmまで集団で自重し、得意のロングスパートがある。ただ、一気に16分10秒台に引き上げるようなかつてのキレを求めるのはちょっと無理があるかも。
もう一人の注目選手は坂本直子選手。長いブランクの後、昨年のベルリンで2時間28分台と復調の兆し。その後また故障してしまい、大阪は早い段階で回避したが、回復次第では高橋に引けをとらないスパート力を見せてくれるかもしれない。
その他の選手では、原選手は予定していたレースを体調不良で欠場ということで印象が悪い。強さを見せ付けないとたとえ日本人1位でも森本との比較で不利。大崎選手もスピードランナーとして期待されるが個人的にはマラソンはまだ早過ぎるのでは?と思う。弘山選手はよくここまで第一線を維持してきたと賞賛したいが、これだけのメンバー相手に勝つのはさすがに厳しい。
今大会はある意味最も印象に残る大会となってしまった。大会史上最多の3校途中棄権。まず5区で順大が残り500mまで来ながら歩行すら困難な状態に。脱水症状と低血糖らしい。なお、順大は8区でも区間19位に3分以上遅れる大ブレーキを起こしている。
次に大東大が9区で残り約1.5kmの地点でこれまた脱水症状で走行不能に。大東大は8区まではシード権争いに踏みとどまっていた。そして10区では何と東海大が2kmあまりを残して棄権。カメラが捉えたのは既に大崎コーチに抱きかかえられた後だったのでニュースサイト等を見るまでわからなかったが、6km地点の蒲田の踏切で足をとられ、靱帯を痛めた後、必死にこらえて20km過ぎまで来たが、そこまでが限界だったようだ。3度ほど転倒したらしい。
最近の途中棄権は多くは疲労骨折など事故に近いものだったが、今回は脱水症状での棄権が2校も出て、選手のコンディション管理に問題があったと言われても弁解できない。順大は2年前も8区で脱水症状となり、あわや棄権、という状況になったのは記憶に新しいが、あれは教訓にならなかったのだろうか? ちなみに低血糖状態に「真水」は体液の濃度を更に薄めることになり、逆効果である。
東海大は不慮の事故で気の毒としかいいようがないが、それでも事実として同時3校棄権はあまりに後味が悪すぎる。加熱し過ぎで選手のコンディション管理がおろそかになっていたとすれば、箱根駅伝不要論が再燃し、開催自粛に追い詰められるという最悪のシナリオもあり得ない話ではない。
女子は前評判の高かった立命館宇治が大会史上4番目の1時間07分06秒、2位に1分10秒の大差をつけて圧勝。男子は一転して大接戦の末仙台育英が同タイムで佐久長聖を体一つかわして優勝。
今大会は有力チームでエースの欠場が目立ったような気がする。女子で言えば仙台育英の絹川(9'04")、須磨学園の広田(9'09")、興譲館の前田(9'14")、男子は世羅の鎧坂(14'00")、佐久長聖の村澤(14'09")、那須拓陽の八木沢(14'17")といったところ。
女子は3,4,5位がエースを欠きながら上位に入っていることを考えると、エースが出場していれば立命館宇治の独走を許すことはなかっただろう。また、解説の山下さんもしきりに苦言を呈していたが、1区の留学生勢の無意味な牽制。留学生にはタスキの渡し方は教えられても、駅伝は区間賞より「チームのために1秒でも速く」という大原則を理解させる方が難しかったか。
男子は佐久長聖が区間順位が4,8,3,2,2,1,2と層の厚さでカバーし2位になったが、村澤が走れていればどうなったか。那須拓陽も7位と好走したが、エースが走っていれば3位にはなっていたと思われる。一方、優勝候補の一角の西脇工はエース八木は出場したものの、1区で10位と凡走。例年圧倒的な力で日本人を大きく引き離す留学生も今年は29分19秒と日本人でも出せる記録。日本人が第一中継所をトップでリレーする千載一遇のチャンスだっただけに残念。
注目された初マラソンのワンジルが2時間6分39秒で優勝。ベストは2時間13分台だがハーフで実績のあるメルガ(エチオピア)が2時間6分50秒で2着、ハーフで日本記録を更新した佐藤(中国電力)が2時間7分13秒で3着。いずれもハーフマラソンの強い選手が上位を占め、ますますスピード化に拍車がかかるレースとなった。
ワンジルはハーフを超えるレースを見たことがないので未知数だったが、最後まで衰えを見せなかった。東アジアの夏の暑さを知っているワンジルは北京五輪の有力候補となるだろう。佐藤はようやく潜在能力の高さを実証した。選考レースは残り2レースあるが、レース内容から見てもほぼ当確と見られる。終盤前の2人に離されはしたが、30kmを1時間30分05秒で通過した後の30~35kmを14分51秒、35~40kmを15分23秒で走れる日本人選手は現時点では他にいないだろう。
その他の選手については以下。
松宮祐行は日本人2位だが、記録(2時間9分40秒)、レース展開ともに印象が薄く、代表入りは難しい。油谷も全盛時ならば佐藤に肉薄するところまでは行ったかもしれないが、残念ながら体力の衰えだろうか。高橋(トヨタ自動車)は30kmまで無理のない走りで、終盤はさすがに疲れたが2時間11分52秒でまとめ、今後に期待が持てる。藤田はレース前の評判とは裏腹に近年では最悪の走りとなってしまった。ゴール直前に足がもつれるあたり、脱水症状気味だったようだ。もしかしたら直前に風邪をひいたとか何か原因があるのかもしれない。高岡は2時間13分40秒。レースが動く前にあっさり脱落してしまった。年齢のこともあるだろうが、レース前のインタビューなどを見ていても、顔につやがなかった。
走りませんでしたが、補欠・付添いとして参加しました。
静岡市は今年はA・B2チームの出場。Aが2位、実力的には劣るBチームも8位と健闘しました。
ちなみに11区間42.195kmでAが2時間16分55秒、Bが2時間20分00秒。優勝の浜松市中央は2時間15分20秒でした。男女混合で、小学生から40歳以上まで走る駅伝にしてはまずまずのタイムでしょうか。
それにしても駅伝というものに参加したのは何年ぶりだろうかと、記録をさかのぼってみたら約9年ぶりでした。40歳以上の部でもまだ上には上がいるので、刺激になりました。
北京五輪の代表選考会を兼ねた東京国際女子マラソン。野口みずき選手が2時間21分37秒の大会新で2着を2分近く離して圧勝。
まさに王者のレースでした。前半は向い風にもかかわらず渋井選手に対して一歩も引かずともに先頭を走り、後半は微妙にペースアップしながら他の選手のスタミナを奪い、終盤の登り坂でも全く疲労を見せない走り。このレースの走りそのものも素晴らしいのですが、何よりすごいのは狙ったレースにビシッとピークを持ってくる調整力。過去の調整実績も含めて日本では他の選手の追随を許さない。速いだけでなく真に強い選手です。
それと比べると無残に散ったS選手は、直前の駅伝で10km31分そこそこで走るなど好調が伝えられていましたが、どこか方向が違っているというという印象でした。もっとも、その時点からの方向修正は無理でしょう。少なくとも2~3ヶ月前から向かう方向がズレていたと思います。中期的に先を読める選手との差がはっきり出たレースでした。まあチームに所属しているわけだから選手だけの責任ではありませんが…。
もう一人、当初このレースに出る予定だった選手も、調子が合わなくて回避した時点で野口選手との差は歴然です。仮に他の選考レースで今回のタイムを上回る記録で圧勝したとしても、それは半ばフロックに近いものです。マラソンは絶好調時に出せる潜在能力がなければもちろん勝負になりませんが、半年後位のある特定の1日にピークを合わせられる能力が極めて大事だからです。
それにしても事実上あと1枠になってしまった女子マラソン。今から2レースで1人しか選ばれない選考会をどう走れば選ばれるのか、そしてそこへ到達するまでどういうプロセスを踏めばよいかをここ2~3日のうちにしっかりイメージ、方向修正して、監督・コーチと納得いくまですり合わせ、実行できた選手が必然的に決まるのではないかと思います。というか、そうあってほしいです。そういう選手ならば、本番でも強さを発揮できると思います。
静岡県長距離強化記録会の中でも10月に開催されるレースは例年有力選手が数多く出場する。記録が出やすいエコパ開催ということもあり、男子は3000mが6組、5000mが13組、10000mが5組。女子は3000mが7組、5000mが2組。
その中でも注目は男子10000m。最終5組は27分43秒67のアセファ(SUBARU)を筆頭に27分台が8人。ほとんどは外国人だが、その中で気を吐いた日本人は佐藤悠基。自己記録を大幅に更新する27分51秒65をマークした。春先から調子が悪かったがここへ来て完全に復調したようだ。
女子では5000mでエバリンワンボイ(ユタカ技研)が15分08秒08、小林祐梨子が15分28秒49。
秋田国体の少年男子A5000mで八木勇樹(西脇工)が14分11秒97で14分13秒97のコスマス(山梨学院大付)、14分16秒17のクイラ(仙台育英)を抑えて優勝した。
外国人留学生が出場した主要大会の5000mで、日本人高校生が優勝というのは初めて?と思ったが、2年前にも森選手(当時鹿児島実)が優勝していたのを思い出した。最近忘れっぽい…。ちなみに八木選手は昨年も日本人では1位(着順は3着)。
ハイレ・ゲブルセラシエがベルリンマラソンで2時間04分26秒の世界新を樹立!
過去に5000m、10000mで世界新をマークし、圧倒的なスピードでマラソンに乗り込み、いつ世界新を出してもおかしくないと言われ続けて早5年半。ついにマラソンの記録でも頂点に立った。
ハーフの通過は62分29秒。後半が61分57秒のネガティブスプリットだった。5kmの平均タイムは14分44秒7。後半に限れば14分40秒9となる。後半のタイムを見る限り、条件次第では2時間03分台の可能性も十分。
世界選手権は最初の種目、男子マラソンで開幕。
酷暑の大阪は、時折陽がかげったり、並木やビルの日陰があったりで見た目はそれほど暑くなさそうだが、実際は相当厳しい気候だったと思う。優勝タイム2時間15分59秒は過去最低。しかもこれまでの最低記録は東京大会谷口選手の出した2時間14分57秒と夏の日本での開催でマラソンは過酷過ぎる。87人出走中、完走は57人。2時間20分以内は9人、25分以内は24人、30分以内でもわずか36人。
日本選手は上位3人が5,6,7位で入賞。願わくば1人はメダルを、という期待はあったがまずまず走りだったと思う。ペースを守ったからこそ入賞できたのだが、途中少し離され過ぎたかもしれない。
ところで、このレースでちょっと注目していた選手がいる。それはイスラエルのSeteng Ayele選手。この選手は1955年生まれの何と52歳。プロフィールを見ると16年前にエチオピアから移住したらしい。今大会は2時間22分27秒で19位に入っていた。
6月15~17日にかけて静岡のエコパで開催。この時期にしては3日間とも好天で、かといって暑すぎもなく風も穏やかで良いコンディションだった。
男子
400mで渡邉(浜松市立)が47秒88。渡邉は準決勝でも47秒93を出している。2着は恩田(惟信)で48秒00。準決勝では小松(富士)が47秒98を出しているが、小松は決勝では5着。
800mは粟津(愛工大名電)が1分53秒21。粟津は1500mも3分57秒42で制し、2冠。
110mHは加納(中京大中京)が14秒91(-1.0m)。予選で14秒75(+0.7m)を出した和戸(中津商)は14秒93の2着。
400mHで高レベルの混戦を制したのは柳本(三重)で52秒17。以下、若井(三島北)52秒32、渡邉(浜松市立)52秒79。54秒25でも7位落選。
5000mWは鈴木(豊川工)が21分52秒75。
400mRは宇治山田商が41秒16、中京大中京が41秒29、藤枝明誠が41秒31。41秒76でも7位落選というハイレベル。
1600mRは浜松市立が3分15秒29。
走高跳は1位小野田(修善寺工)と2位中村(岡崎城西)がともに2m04を跳んでいる。
棒高跳は笹瀬(浜松市立)が5m20。笹瀬は4m60を1回でクリアしたあと、400mRの準決勝に出場。その間はパスして次の試技5m00を一発クリアという芸当。続く5m20は3回目でクリア。バーを5m41に上げたが、使ったポールは世界選手権B標準の5m60を跳ぶためのポールだとか。1回目は全く立たなかったが2,3回目は失敗はしたものの、跳ぶ形には持っていったあたりは非凡。2位横山(浜松北)は5m00。
走幅跳は長谷川(宇治山田商)が7m33(+0.6m)。
三段跳は小野(浜松商)が14m84(+1.0m)。県大会で15m17を跳んでいた山崎(浜松市立)は14m45で5位に終わった。
円盤投は小野(津)が50m50。
やり投は土田(至学館)が64m66。
女子
100mは佐野(富士見)が11秒97(-0.2m)。佐野は200mも24秒75(-0.2m)で制し、2冠。
400mは、愛敬(桑名)が55秒88。愛敬は3000mSCの愛敬重之氏の娘。
1500mは鈴木亜由子(時習館)が4分22秒11の東海高校新で優勝したが、800mはDNS。800mは三郷(常葉菊川)が2分12秒04で優勝。
5000mはワイリム(豊川)が9分15秒59。豊川高は2着にも二宮が9分20秒21で入っている。
400mRは宇治山田商が47秒26。47秒88でも7位落選。
1600mRは三島北が3分49秒66。
走幅跳は吉田(県岐阜商)が6m07(+0.2m)の好記録。
6月10日に米オレゴン州ユージンで行なわれたプレフォンテーン・クラシック。
日本人も澤野、岩水(3000mSC)、小林(女子1500m)が参戦。
男子
200mで-2.3mの風の中、カーター(米)が20秒23、スピアーモンが20秒25。この2人は昨年の世界ランク1,2位。
1マイルはD.K.コメン(ケニア)が3分48秒28。ラガト(米)が3分50秒56で2位。
2マイルはモットラム(豪)が8分03秒50、ベケレ弟が8分04秒83。
3000mSCはP.K.コエチ(ケニア)が独走で8分08秒08、岩水は2位争いに加わり、8分23秒31で4位。世界選手権のA標準を突破。
走幅跳はサラディノ(パナマ)が8m49(+1.3m)。この選手は昨年も8m40以上を8試合で記録しており、本当に安定している。
棒高跳はラナロ(メキシコ)が5m80。澤野は5m45に留まり4位。
砲丸投はキャントウェル(米)が21m83、ホッファ(米)が21m65。この2人も昨年の世界ランク1,2位。
女子
1500mはブルカ(エチオピア)が4分00秒48。小林は最終周で失速、4分11秒41で10位(14名出走、12名完走)。小林は今、生まれて初めて伸び悩みを感じているのではないだろうか。環境も変わり、試練の時。
100mHはペリー(米)が12秒51(+1.3m)。
400mHはウォーカー(ジャマイカ)が54秒14。
やり投はスポタコヴァ(チェコ)が65m20。
6月8~10日にかけて国立競技場で行なわれた日本インカレ。
男子
200mで斉藤(筑波大)が20秒74(-1.3m)、神山(作新学大)が20秒79、ともに2年生。
800mは3人が1分49秒台。只野(日体大)1分49秒55、安西アルトウ(城西大)1分49秒91、井野(順大)1分49秒96。
5000mは竹澤(早大)が13分36秒02で優勝、以下松岡(順大)13分36秒51、高橋(城西大)13分37秒69、キプロノ・ムタイ(第一工大)13分39秒80と4人が13分40秒切りのハイレベルの争い。5位上野(中大)、6位伊達(東海大)と続き、佐藤悠基(東海大)は9位、北村(日体大)は11位。モグス(山梨学大)はDNS。
10000mはモグスが27分52秒79の大会新。2位に松岡(順大)が入ったが28分55秒66と1分以上の大差。佐藤悠基は29分17秒60で8位。
10000mWは森岡(順大)が40分22秒35。
棒高跳は川口(筑波大)が5m35、鈴木(東海大)が5m30で静岡出身勢がワンツー。
走幅跳は鈴木秀明(順大)が8m01(+1.7m)で日本人11人目の8mジャンパーとなった。但しセカンド記録は7m71(+2.3m)。7m90台がもう1本位あるとよかった。
10種競技は池田(日大)が7457点。
女子
100mは高橋(平成国大)が向風2.1mの中で11秒94を出し、11秒98の北風(北翔大)を抑えた。
200mは丹野(福島大)が23秒64(0.0m)の学生新。丹野は400mでも52秒32の大会新。
400mでは青木(福島大)が53秒40の好記録で2位に入っているが、400mHでは57秒26で優勝。
リレーは福島大が2冠。400mRで45秒59、1600mRで3分37秒68。
10000mWでは渕瀬(龍谷大)が44分52秒90の学生新。大利(日女体大)は46分06秒58の大会新。
棒高跳は我孫子(同大)が4m00の大会タイ。
ハンマー投は山城が60m78、武川が58m24で中京大勢がワンツーでそろって大会新。60m突破は日本人5人目。
ギリシャで行なわれたEAA(欧州陸上競技協会)の競技会。
男子走幅跳でツァートゥマス(ギリシャ)が8m66(+1.6m)で優勝。
ただし、最近のギリシャ選手の好記録はどうも違和感を覚えざるを得ない。
この選手は2002年に8m17(-0.3m)で世界50傑入りして以来、2003年8m34(+1.4m)、2004年8m19(2.0m)、2005年8m14(+0.8)、2006年8m30(+2.0)と安定している。これほど長期間にわたって8m10~30台で安定している選手がいきなり8m66を跳ぶことの違和感だ。
その他の種目では女子三段跳でアルダマ(スーダン)が14m58(0.0m)など。
6月2日にニューヨークで行なわれたリーボック・グランプリ。
男子
100mでは9秒84の記録を持つゲイ(米)が9秒76の世界新か!と思いきや、+2.2mの追参。バーレーンのアトキンスという選手が9秒83で2位に入っている。
200mはスピアーモン(米)が19秒82、ボルト(米)が19秒89(+1.3m)。
5000mはタリク・ベケレが13分04秒05。
110mHは劉翔が早くも12秒95(+1.5m)の好記録をマーク。ベテランの域に入るトランメル(米)が12秒95を出したのが注目される。ウィルソン(米)が13秒02。
400mHはカーター(米)が48秒37。
棒高跳は澤野が参戦。1位はラナロ(メキシコ)が5m70。澤野は5m50に終り6位。
円盤投はローム(米)が66m84。
女子
100mはキャンベル(ジャマイカ)が10秒93、エドワーズ(米)が10秒96、フェリックス(米)が11秒01(+1.2m)。
200mはブーン・スミス(米)が22秒31(+1.6m)。
400mにはなんとフェリックスが出て50秒53。昨年49秒53で走っているウィリアムズ(ジャマイカ)を抑えた。もともとロングスプリントも走れそうな走法ではあるが、400mに出場した意図は何なのか?
5000mはT.ディババが独走で14分35秒67。
100mHはパウエルが12秒45(+1.4m)。
棒高跳はベストが昨年の4m68のステュチンスキ(米)が4m88をマーク。一躍イシンバエワを脅かす存在になった。中国のGao, Shuying(高淑英?)が4m64をマークしているのも注目される。
エコパで行なわれた静岡県長距離記録会。出場したかったのだが、子供の運動会と重なってしまったので行けなかった。
実は今回の記録会は陸連からの要請で特別レースが組まれていた。通常この時期に行なうことのない10000m(男子)。
これに好記録が出ていた。生で見たかった!
1,2位は国内所属の外国勢が27分51秒台で占めた後、3位に大森(四国電力)が27分51秒90!欲を言えば世界選手権A標準(27分49秒)を切ってもらいたかったが、国内としてはかなりの好タイム。
4位には前田(九電工)が自己記録28分10秒66を大幅に破る27分56秒92。6位に北村(日体大)が28分00秒22とこちらもB標準を突破。
10000mが行なわれた頃はアメダスの最寄の観測点では気温約18度、風速1mの微風と条件もかなり良かったものと思われる。
5月28日オーストリアのゲツィスで行なわれた混成の競技会でベルラーシのクラヴチェンコが8617点をマーク。クラヴチェンコはまだ21歳で、昨年出した8013点がこれまでの最高記録。
100m10秒86、LJ7m90、SP13m89、HJ2m15、400m47秒46、
110mH14秒05、DT39m63、PV5m00、JT64m35、1500m4分29秒10。
身長187cm、体重72kgと10種競技の選手らしからぬスリムな体型。競技の方もスプリントと跳躍で稼ぐタイプのようだ。
この大会で7種目の自己記録を更新しているというから凄まじい。
昨年女子ハンマー投で世界新を連発したリセンコ(ロシア)がロシアの競技会で78m61の世界新をマークした。
※当初78m67と報じられていたが、正式には78m61とのこと。
2位のハナフェエワ(ロシア)も77m36の世界歴代2位。
5月26日オランダのヘンゲロで開催。
男子
400mは今日もウォーリナーが圧勝、44秒43。
10000mはハイレベルの争い。シヒネ(エチオピア)が26分48秒73、以下2位キプチョゲ(ケニア)26分49秒02、3位モソプ(ケニア)26分49秒55、4位ゲブレマリアム(エチオピア)26分52秒33、5位にはマラソンに転向したゲブルセラシエが26分52秒81とまだまだ健在。
3000mSCはコエチ(ケニア)が8分01秒05。
棒高跳は澤野が出場したが5m30に終り10位。1位はハートウィグ(米)で5m70。
走幅跳はサラディノ(パナマ)が8m53。
砲丸投は地元オランダのスミトが20m85。
女子
5000mはブルカ(エチオピア)が14分38秒18。J.キプラガト(ケニア)が14分40秒74。
円盤投はチェフロヴァ(チェコ)が64m49、昨年世界ランク1位のディーチュ(独)は64m19で2位に終わった。
インターハイの静岡県予選より。
○男子
藤枝明誠の羽根が100m(10秒76,+0.1m)、200m(21秒34,+1.4m)で2冠。100mの準決では-0.9mの中で10秒61をマークしている。
浜松市立の渡邉は400mで48秒20、400mHで52秒32で2冠。400mHは優勝候補の1人に挙げられるだろう。400mHでは伏見(静岡市立)も52秒61の好記録をマークしている。
400mRは藤枝明誠が41秒46、浜松市立が41秒72。1600mRは浜松市立が3分15秒11。浜松市立は400mRと1600mRのメンバーのうち3人が共通。
棒高跳は笹瀬(浜松市立)が順当勝ちするも記録は5m00。2位には昨年IH5位の横山(浜松北)が4m80。
三段跳は山崎(浜松市立)が15m17(+0.5m)。2位の小野(浜松商)も14m81(-0.4m)の好記録。
砲丸投は1年生の鈴木(藤枝明誠)が14m67。鈴木は昨年中学1位(5kgで16m70)の選手。
やり投は杉本(藤枝明誠)が62m70。
こうして見ると、浜松市立と藤枝明誠に全国的に通用する選手が集まっている。
○女子
佐野(富士見)が100m12秒10(-0.8m)、200m24秒59(-0.3m)。期待された伴野(浜松市立2)は100mが12秒30で同着2位、200mも24秒90の2位に終わった。
400mは鈴木(三島北)が56秒21、400mHは肥田(浜松西)が61秒69。
400mRは富士見が47秒54、浜松市立が47秒68。
走高跳で大城(浜松商)が1m67。
女子は中村宝子(浜松西)などを擁した昨年に比べると残念ながら小粒。優勝者を出すのは厳しそうだ。
但し、金曜日は大雨、土・日は連日31~32度の猛暑でコンディションに恵まれなかった面があったことを補記しておく。
特に日曜日の長距離種目は過酷であった(男子5000mは15分20秒45、女子3000mは9分44秒54)。
「ゴールデンゲームズinのべおか」で三津谷(トヨタ自動車九州)が13分18秒32の日本歴代2位、国内日本人最高記録をマークした。世界選手権のA標準も突破となった。
5000mD組には三津谷、前田(九電工)以外、18人が外国人というレース。S.アレックス(コニカミノルタ)が13分13秒18で1位のほか、4位にS.ワンジル(トヨタ自動車九州)が13分18秒25で入っていることから、ワンジルが三津谷のペースメイクをしたものと思われる。前田も13分28秒84で自己記録(13分39秒42)を大幅に更新している。
世界選手権はケニア、エチオピア勢が別次元のレースとなるだろうが、13分10秒前後なら下位入賞の望みはある。それが無理でも決勝進出なら5000mとしては快挙だ。
全国高等学校体育連盟(高体連)は22日、東京都内で理事会、評議員会を開き、全国高校駅伝(毎年12月・京都市)=全国高体連、毎日新聞社など主催=の大会要項改定について審議。来年の大会から男女とも、日本で生まれ育った選手を除いた外国人留学生を、最も距離の長い1区に起用できないことを決めた。都道府県大会や地区大会でも適用する。(毎日新聞)
私も常々、留学生が1人だけとはいえ全体の1/4の距離を走るのはあまり賛同できなかった。個人的には区間平均距離(42kmを7区間であれば6km)を上限とするのが妥当と思う。そうすれば男子は5km区間の5,6区か3km区間の2,5区に限定される。女子の場合は4km区間の2区と3km区間の3,4区となる。制限するのはグローバルでないなどの意見もあるだろうが、高校生年齢の長距離部門において日本人とケニアなどの外国人との実力差は歴然たるものがあるのは、過去の事例から言っても動かしがたい事実。
逆に、区間平均距離さえ上回らなければ、2人使ってもいいことにすれば、2,5区に2人起用できる。もっとも、女子の場合は最短区間が3kmでは2人起用するのは不可能であるが。
世界選手権と同一会場で行なわれるグランプリ大会ということで国外からも滅多に見られない有力選手が数名参戦。
中でも超大物は男子400mのウォリナー。期待に違わぬ素晴らしい走りで44秒02。世界記録保持者のマイケル・ジョンソンは独特のフォームだったが、ウォリナーはロングスプリンターらしい伸びのあるフォーム。
また、日本には何度も来ているが、110mHの世界記録保持者、劉翔。シーズンイン間もないこの時期に既に13秒14。
男子400mHでは47秒30の記録を持つジャクソンと47秒43の記録を持つカーター(ともに米)と迎え撃つ国内勢に為末(ベスト47秒89)、成迫(ベスト47秒93)。持ち記録どおりジャクソン48秒13、カーター48秒22、為末48秒73、成迫49秒20の順となったが、1年以上ハードルを封印した為末がまずまずの記録、成迫も途中ハードルに脚を引っ掛けて歩数が合わなくなったにも関わらずそれほど遅れておらず、次回に期待が持てる。
6mボウルターのウォーカーは静岡国際に続いて本来の跳躍にほど遠く、5m50。優勝は澤野だが5m60にとどまった。静岡国際の時もそうだが、頂点がバーよりかなり手前に来てしまい、ポールが十分に立っていない。それでも5m50までパスして最初の跳躍5m60をしっかりクリアしたことは評価できる。
日本勢では男子走高跳で醍醐が自身2度目の2m30台となる2m30で優勝。日本人で2m30以上を複数回跳んだのは過去阪本孝夫のみであり価値がある。
女子走幅跳は池田が6m73。この冬でかなりスピードをつけたとのことだが、微妙に踏み切り角度とまだ合わないのだろうか、空中のバランスが今一つで日本記録には届かず。しかしその状態で6m71、6m69と続き6m70前後を安定して跳べるのは一回り成長が見られる。
女子400mは丹野が52秒17とまずまず。日本人2位となった久保倉の53秒13は自己記録を更新し、日本歴代3位。52秒台突入は時間の問題か。
女子1500mは1200mを3分19秒で通過した小林がその後失速。4分11秒87に終わった。残り300mでは2秒ほど遅れていた吉川がホームストレートであっさり逆転、4分10秒00でB標準と同記録。小林は速いスピードを持続する能力は高いのだが、意外とスピードの切替は上手くないように思える。環境の変化等のマイナス要因も大きいだろうが。
女子400mRはバトンパスが乱れながらも日本代表では2度目の43秒台となる43秒93。43秒台前半が出るようになると世界選手権が期待できる。1600mRは3分30秒53の日本新。これも3分28秒を切れるようになると面白い。
男子400mの38秒74もこの時期にしてはまずまず。
4月29日に米スタンフォード大学で行なわれたカージナル招待の男子10000mで竹澤(早大)が27分45秒59で9位に入った。これまでの日本人学生記録の27分48秒55(渡辺、早大)を更新した。日本歴代では9位。世界選手権のA標準も突破している。5000m(13分22秒36)に見合う記録が10000mでも出るようになった。1位は27分33秒48で5000mは13分54秒で通過している。レース展開はわからないが、5000mでは先頭集団にいたと考えれば13分54秒-13分51秒となる。
4月30日に行なわれた静岡国際陸上。競技役員として参加したが、写真判定室にいたのでトラック競技はほぼすべて見ることができた。フィールドはトラックの合間の一部競技のみ。
今日一番の好記録はやはり日本新となった女子400mHだろう。昨年から国内第一人者となった久保倉が従来の日本記録55秒89を破る55秒71。昨年の世界ランクでも34位に相当する。世界選手権A標準(55秒60)も射程圏内に入ってきた。
女子円盤投の室伏は昨日広島で織田記念にハンマー投で出場したばかりなのだが、今日は円盤投に出場して56m95。
100mは予選で北風が11秒52(+1.8m)。信岡は11秒47で走るも+3.3mで参考記録。決勝はマクレラン(豪、ベスト11秒25)が優勝したが、2位に平成国際大に進学したばかりの高橋萌木子が11秒55(+0.3m)で入り、早くも自己記録11秒54(+1.7m)に迫った。
男子は棒高跳で澤野が5m75を3回目にクリアして、昨年世界ランク1位のウォーカー(5m60)を破った。しかし5m75は3回目の跳躍、風が強い中体力、神経ともすり減らしてしまったか、5m85は体が上がらず。強いて言えば1回目が下半身だけは越えていたようだったが、アップライトが遠く(というかポールが完全に立たなかったか)腹で落としていたように見えた。
200mは予選で斎藤仁志(筑波大2)が20秒79。草薙陸上競技場は風向きによってバックストレートで100m、200mを行なうことができるという利点を生かした。高平は21秒40で4位に終わり、速報を聞きに判定室に飛び込んできた高野進先生も不満顔だった。
走幅跳は菅井(順大4)が7m87で制したが追風3.3mの参考記録。2位に35歳の森永が7m76(+2.2m)で入ったのには驚かされる。
4月22日に行なわれたロンドンマラソンは、男子はレル(ケニア)が2時間07分41秒、女子は周春秀(中国)が2時間20分38秒で優勝。
男子は混戦で5位までが7分台。ガリブ(モロッコ)は2時間7分54秒で4位、テルガト(ケニア)は2時間08分06秒で6位、ゲブルセラシエは30km付近で棄権。
女子はワミ(エチオピア)が2時間21分45秒で2位。トメスク(ルーマニア)が2時間23分55秒で3位。
兵庫リレーカーニバルで絹川(仙台育英高3)が初めて走った10000mで、それまで福士が持っていたジュニア日本記録31分42秒05を7秒近く破る31分35秒27をマークして2位に入った。世界選手権A標準も突破。世界ジュニア歴代では11位に相当。また、日本歴代では18位となる。福士の当時の記録は19歳6ヶ月で、しかも福士は早生まれのため社会人2年目にマークした記録だが、今回の絹川は17歳8ヵ月で高校3年。確かに大変な記録ではあるが、早熟選手を産み出すことにかけては定評のある仙台育英高においては高校時代の記録より高校を出た後の記録が大事。燃え尽きてしまうことがなければいいのですが。
女子1500mには地元の小林が出場し優勝するも、4分14秒42と小林の記録としては平凡。
男子は内定済の奥谷の他、福岡で8分台の諏訪、アジア大会2位の大崎、福岡で日本人3位の尾方、びわ湖で日本人1位の久保田が選考された。別大優勝の藤田、東京で日本人1位の佐藤も候補に挙がっていたが、結果的には再挑戦で結果を出してもピーキングに問題ありと判断された。久保田は夏の北海道マラソン(2位)、今回のびわ湖ともに上手くピーキングし、しかも暑さに強いことが評価されたようだ。大崎、尾方は過去の実績も考慮されたとのこと。
女子は内定済の原の他、東京1位の土佐、名古屋1位の橋本と各大会1位が順当に選ばれ、アジア大会2位の嶋原、大阪2位で24分台の小崎が選考された。大阪3位で24分台の加納、北海道優勝の吉田も候補に挙がったが、両者とも経験が浅いことが今回の選考基準では不利に働いた。
今回の選考でポイントとなったのはピーキングの巧拙。今まで選考基準としてこの点に触れたことはあまりなかった。狙ったレースで結果を出すことが評価基準として盛り込まれた。また、過去のレースも単に実績を見るだけでなく、上手くピーキングできた選手をプラス評価している。したがって、新人選手の場合はあらかじめ決められた選考基準をクリアしない限りは難しかった。また、何人かの選手が再挑戦の意向を示した(高橋尚子も結局は再挑戦しなかったものの、一旦は再挑戦を表明した)が、最初のレースで失敗した時点でピーキングに難ありと判断されたわけで、これはいい傾向だと思う。
よりによって朝から雨とは。しかも気温も低く悪いコンディションとなってしまった。2時間台前半で走るトップランナーはともかく、問題は数時間かけて走る市民ランナー。これでマラソンが嫌いにならなければよいのだが。
雨天は呼吸がしやすいというメリットはあるが、運動時間が長時間にわたるフルマラソンでは、冬の雨は体温を奪い、確実に体力を消耗させる。それだけでなく、軽量化したシューズも水を含んで重くなるとその機能を発揮できない。足の裏がふやけて路面をうまく掴めなくなるなどマイナス面は大きい。
レースにも早速その影響が出た。10kmまでは予定の15分10秒ペースを刻んでいたが、10~15kmで15分30秒近くに落ちてからはペースメーカーもペースを維持できない。20~25kmにいたっては15分50秒台まで低下。このままズルズルと落ちてしまうのかと思った矢先、ジェンガが一気に1km3分を切るペースにアップ。キロあたり一気に15秒位上がれば当然反応できる選手は限られるのだが、あの停滞していたペースからよく引き上げられるものだ。ジェンガが他の選手と違っていたものと言えばニットの帽子。あまり頭を温めるという発想はなかったのだが、以前のワイナイナも同様だったし、意外と効果があるのかもしれない(試したことがないので何ともいえないが)。
着いていこうとしたのは徳本(日清食品)、入船(カネボウ)、少し遅れて佐藤(旭化成)。佐藤はすぐに追いついたが、油谷は全く無抵抗のまま簡単に置いていかれた。ジェンガのスパートが2~3kmで落ち着いたならまだ勝負できたかもしれないが、ジェンガは25kmから14分51秒、15分07秒とキロ3分ペースを10kmも持続した。さすがにその後ペースを落としたが2時間09分45秒はさすが。
日本人の争いは徳本も必死に粘ったが35km手前で脱落。まだまだマラソンを走る脚にはなっていないが、スピードランナーにしてはよく粘った。徳本は本格的にマラソンを目指すのなら大腿の裏側を使わない走りを身につけるべきだ。前方に振り出して着地した足をすばやく重心の下へ引き付けるのが彼の走法の特徴で、それがスピードの源泉になっている。しかしこれは大腿の裏側の筋肉を多用している。この筋肉はパワーを出しやすい反面、エネルギーを使うため、マラソンではスタミナ切れと隣り合わせとなる。
入船は毎度のことながら終盤のペースダウンは克服できず脱落。消去法的に佐藤が浮上したが、佐藤はジェンガほどの爆発的なペースアップはないものの25km以降を15分24秒、15分53秒、15分50秒と日本人で唯一15分台を維持し、ラスト2.195kmの7分00秒はジェンガを上回っている。
油谷は30~35kmの間で途中棄権したもよう。身長が高くないのでもともとゆったりとした動きではないが、今日は序盤から何か無理をしているような走りは確かに見られた。圧倒的な強さを誇っていた中国電力勢がここへきて尾方、佐藤、油谷と立て続けに失敗(尾方は失敗と言うほどではないが)し、勢いに陰りが見られるのが気になるところ。
テレビ画面には全く映らなかったのだが、女子1位、高校出1年目の新谷(豊田自動織機)の2時間31分01秒も注目される最初の5kmこそ18分41秒と控えめだが、その後30kmまでは17分19秒、17分10秒、17分26秒、17分06秒、17分19秒と2時間27分位を狙えるタイム。その後18分18秒、19分07秒とペースを落としたものの、総合でも44位。入りのペースとコンディションを考えれば2時間26分位の力はあるのではないか。
気になる完走率は97%とのこと。制限時間7時間とはいえ、この雨の中でこの完走率はすごい。第1回としては大きなトラブルも聞かれず成功の部類に入るだろうが、課題もいろいろ出てきたのではないか。特にスタート1時間以上前に荷物を預け、スタートラインに並ばなければならないのは今日のような天候では辛すぎる。
もうあちこちで話題になっているが、2月9日にUAEのラスアルハイマで行なわれたハーフマラソンで、トヨタ自動車九州のサムエル・ワンジルが58分53秒の世界新をマークした。ワンジルは昨年度もロッテルダムのハーフマラソンで59分16秒の世界新をマークしたが、その後ゲブルセラシエが58分55秒まで縮めていた。
ワンジルは下り基調の最初の5kmを13分27秒で通過。逆に上り基調となった次の5kmを14分20秒でカバーし、10kmは27分47秒。その後も13分42秒、14分21秒、ラストの1.0975kmも3分03秒とスピードは全く衰えなかった。ワンジルといえば今年度は故障で国内のレースにもほとんど姿を見せず、ニューイヤー駅伝でも11.8km区間でゲディオン(日清食品)に1分以上差をつけられ、本来の走りとはほど遠かったはず。この短期間でここまで復調するとは、彼の潜在能力は一体どこまで高いのか。
山梨学院大のモグスが59分48秒の大会新、2位に2分23秒の大差をつけて優勝。
箱根駅伝の失速がトラウマとなってスタートダッシュに躊躇することもなく、入りの5kmを13分58秒。この時点で2位集団とは56秒の大差、というか2位集団が消極的過ぎる。10kmは28分01秒でこの5kmも14分03秒とペースは衰えず。次の5kmから徐々にペースは落ちていくものの14分14秒、14分27秒でカバーして20kmは56分42秒。ラスト1.0975kmを3分06秒でカバー。
2位には松宮隆行が62分11秒で入ったが、15km以降だけ見ればモグスと1秒しか違わず。前半から積極的に行けば悪くても61分台前半では行けたはず。
女子も独走で福士が68分00秒。15分39秒、31分34秒(15分55秒)と積極的に突っ込み、その後ペースは鈍ったものの16分18秒、16分27秒でカバーし、20kmが64分19秒、ラストが3分41秒。2位は弘山が70分23秒で入った。1位と2位のタイム差2分23秒は偶然にも男子と同じ。
初めてメジャーマラソンに出たのが1997年の別大マラソン。いつの間にかもう10年が経過してしまった。あの時は気温2度台、みぞれ混じりの冷たい雨だったが、今年は気温が14度近く、この時期にしてはむしろ暑いくらいの陽気。注目は福岡で失敗し、わずか2ヶ月で再挑戦してきた藤田と、千葉国際駅伝、ニューイヤー駅伝と絶好調を持続してきた佐藤。結果は藤田が38km付近で抜け出し、2時間10分23秒で優勝。佐藤は53秒遅れ、2時間11分16秒の平凡な記録に終わった。
藤田は福岡のあとは40km走を一度もやっていないというが、私の経験的にはポイント練習と位置づけた40km走の効果は2ヶ月くらい持続するので、福岡が最後の40km走と考えれば賢明かもしれない。ただ、私も99年12月の防府(自己ベスト2:25:37)から7週間後の東京国際に出たときはやはり最長でも35km走にとどめたが、東京国際では2:28:17に終わった。疲労は抜けていたが、東京では最後までスタミナがもたなかった。そのあたりが心配ではあったが、藤田は福岡で完全燃焼していない点で状況が少し違ったかもしれない。福岡では給水を確実に取ろうと無理な動きをしていたが、今回はその学習効果か、集団の後方でじっと待機していた。
佐藤はニューイヤー駅伝の調子が良過ぎた。1ヶ月前に15kmの距離をあの調子で走ってそのまま調子を持続しているとすれば、どこかに落とし穴があってもおかしくない。大阪国際女子マラソンで優勝した原選手も、1ヶ月前の実業団駅伝ではボロボロだったが、1ヶ月前ならその程度の調子でも十分なのだ。本人は自重していたつもりだろうが、やはり調子がいいと集団の前の方で無駄なペースの変動に過敏に反応してしまう。余裕がありすぎるのか、コースの最短距離をとろうとしばしば集団から横に外れてインコースを走っていたが、これは福岡の時の藤田にも見られた現象。物理的には合理的なのだが、環境が変化すると人間にはストレスになる。なるべく精神が定常的であった方が疲労しない。給水地点でチョロチョロ動くと消耗するのも同様。
藤田vs佐藤という観点では藤田の完勝だったが、藤田も30km以降はやや向い風とはいえ、15分48秒、15分51秒、ラストが7分00秒(15分56秒ペース)。他のレースのように強豪ひしめく中でも勝てた(日本人1位をとれた)かどうかはやや疑問が残る。福岡の時よりは確かに良かったが、2時間8分台を出せるような走りには見えない。福岡では2人が8分台で走っており、まだ東京とびわ湖が残っているので、優勝したからといって世界選手権有力候補とはまだ言えない。
原裕美子が2時間23分48秒の自己ベストで優勝、大阪世界選手権の代表内定第1号となった。
序盤から渋井陽子と原のマッチレースとなった。ペースメーカーは5km過ぎで早くも脱落。東京のペースメーカーと比べると大きなハンディだ。女子のペースメーカーはまだまだ当たり外れが大きい。レース前半は原の方が無理して着いている感じもなきにしもあらずだったが、御堂筋の折返しを過ぎて原が渋井の横に並ぶようになってからはむしろ原の方が既に精神的に優位に立っていたかもしれない。
そして大阪城内あたりで渋井の頭が振れ出したのに気付いた。これはもしかしてかなりきつくなっているんじゃないかと思った瞬間、CM挿入。CMが終わったらもう20~30m離れていた。多くの視聴者は一体何があったのか?と思ったかもしれないが、個人的には事前に異常を察知していたので、ああやっぱり、という感じ。30kmの通過は原と渋井は10秒差だったが、3位争いの小崎と加納との差が開いていなかったので、渋井が捉えられるのは時間の問題、原はハイペースのつけが回ってくるのかどうかが焦点となった。
原、小崎ともブランクがあり、加納は初マラソン。ちょっと予想がつかなくなってきた。原はペースダウンしながらもなんとか3分35秒以内には収めているので、タイム差から見て残り5kmのところで逃げ切りは濃厚となったが、小崎と加納がどこまで追い込んでくるのか。後からわかったが、原のペースダウンは風の影響があったようだ。だとすると小崎と加納の追い込みはなかなかのもの。結局小崎もわずかずつ詰めたものの、残り距離が少なくなるにつれ、先頭を追うよりも2位確保に意識が移ったようだ。35kmで加納に14秒つけていた差がゴールでは4秒差の2時間24分39秒。2位だが世界選手権代表の可能性は十分にある。
3位ながら加納の初マラソン2時間24分43秒は高く評価できる。走りも疲労がたまりにくいマラソン向き。小崎や加納と同じ集団で走っていた選手のその後の様子は全く紹介されず、終盤の長居公園内ではサイドカーが原に接近しすぎて原が嫌がる場面もあるなど、中継はちょっとお粗末。サミトワは遅れ加減だったが、スズキ所属のワゴイには一体何があったのか(公式記録では25kmまでしか残っていない)。
3区で5000m日本歴代3位の竹沢(早大)を配して先頭に踊り出た兵庫が4区中山(須磨学園)で独走状態となり、そのまま首位をキープ。アンカー北村(日体大)は1分11秒の大差をもらって悠々逃げ切った。
優勝争いより厳しい戦いだったのは3位~8位争い。一時は6人が団子状態となり、最終的にも12秒の中に6チームが入った。ここで憂き目を見たのが大分と栃木。大分は6区まで2位に着けながら7区で12位に転落。栃木も4位から16位に転落。一方で佐賀は13位から一気に3位、長崎は11位から4位へ。確かに6区まで混戦ではあったが、それまでの6区間は一体なんだったのかと思いたくなる。
女子駅伝も同様であるが、区間配分の問題が大きい。最終区間が全体の27%も占めており、しかもチーム間のレベル差の大きい一般区間。大分は6区までで区間順位トップ10以内が5区間あるが、佐賀は2区間しかない。特に中学生区間は2区間とも区間34位。大分は7区が区間39位に沈んだとはいえ、やりきれないだろう。
区間配分は中学生が2区間6km(12.5%)、高校生が3区間20.5km(42.7%)、一般が2区間21.5km(44.8%)。地元色を出し、チーム間の均衡を図るためにも一般区間はもっと距離を短くすべきだし、中学生の強いチームにもチャンスがあるべきだと思う。中学生は女子でも3kmを走るのだから3kmにこだわる必要はない。例えば中学生を3区間10.5km(4km、3.5km、3km)、高校生は変わらず、一般を17.5km(10km、7km)とすれば今よりずっとバランスが良くなる。
第1中継所で押しくらまんじゅう状態になるのもなんとかすべき。高校生の8.5km区間と逆にした方が良いし、多少距離が地半端になっても、もっと広い場所に中継所を移せないものだろうか。2区も3kmなのであまり差はつかず、第2中継所では郷土静岡チームが見失って順位を落としてしまったのは残念だった。
京都が2時間17分03秒で3年連続11回目の優勝。岡山、兵庫が11秒差、更に12秒遅れて宮崎。特に最終区で京都、岡山、兵庫が全く並ぶというのはレース展開はなかなか面白い。だがトップと28秒差ながら一旦は先頭に並んだ兵庫のアンカー勝又は静岡出身。兵庫には高校(須磨学園)時代の3年間いただけであり、しかも昨年は静岡から出ているので何か違和感がある。
2時間17分というタイムは16年も前にマークされたタイムであり、そこから女子中長距離は飛躍的に伸びているはずなのだが、各チームともふるさと選手の使い方もまちまちだし、県をあげて最強チームをつくろうという雰囲気はもはやなく、選手の方も京都の早狩選手(19年連続出場)というように、地元に恩返しという気持ちを持ち続けている選手は例外的なので、大会のレベル的としてはそれほど上がっていない。
力が入らないのは、区間配分が問題なのだと思う。9区間中、大学生・実業団は最大4人使える。この4人で最大24km(全体の57%)も占めているのだから、中高生がどんなに頑張っても簡単にひっくり返されてしまう。特に9区の10kmは異常だ。他の8区間は平均約4kmなのに、この区間だけ突出している。そこで地元チームのエースとして走ってもらいたい選手が他チームで活躍しているのを目の当たりにすると、大会のステータスが落ちるのは当然かもしれない。
最長区間は最高でも他の区間の平均の2倍を上回らないように設定すると8.4kmが上限なので、8kmとする。中高生は1区間ずつ増やすと一般選手は2区間となり、最長でも合計14km。中学生3km×3人、高校生4人、一般2名ならばバランスが良くなる。中高生1区間の代わりにシニア区間というのを設定するのも往年の名選手が出てきたりして面白いかもしれないし、普段チームとなかなか共にしない一般選手の代わりにチームをまとめてくれる効果もある。
近年は優勝争いよりもシード権争いの方が加熱してきている。数ある駅伝の中で箱根駅伝が最も人気がある理由はシード権にあるといっても過言ではない。7区終了時点では15位までのチームは次の区間で一気にシード圏内に浮上する可能性があった。9区まで6位の早大あたりでも10区で少しでも異変があればシード落ちという接戦。
それだけ下位校のレベルが上がっている、と考えるのは早計かもしれない。優勝タイムは昨年より3分57秒早いが、10位のタイムは3分14秒遅い。気象条件により一概にタイムの比較はできないが、気象条件で言えば今年はまずまずのはず。しかし昨年11位の城西大のタイム11時間16分10秒は今年なら4位に相当する。昨年10秒差で泣き、その悔しさをバネに力をつけたはずの城西大でも4分40秒も低下している。昨年よりタイムを上げているのは順大、日大、東海大、早大、専大、中央学大の6校。トラックや予選会のタイムが落ちているわけではないので、独りでも走れる選手が育っていないということだろう。
少子化の影響で徐々に選手が集めにくくなっているのかもしれない。特に近年駅伝に力を入れ始めた学校は、一時的に選手を集めて強くなっても長続きしない。今回出場校の中では駒大、亜大、山梨学大や神奈川大が昨年・一昨年あたりから比べて大きく順位を下げ、関東学院大、帝京大、拓大、平成国際大などは出場すらできていない。
一方、今回上位校の順大、日大、東海大、日体大、東洋大、早大はいずれも駅伝だけでなくすべての“Track&Field”に力を入れてきた学校。付け焼刃で駅伝だけ力を入れ、引退した著名選手を監督として招へいしても、知名度が使えるのは数年間だけで、有望選手をいつまでも囲い込むことはできない。そういった意味では批判の多いインカレポイント制は将来を危惧した先見性の高い策と言えるのかもしれない。そしてこのまま少子化が続けば、いつの日か古豪の筑波大、慶大、立大あたりが復活する日がくるのかも。もっともその頃は今のようには加熱していないかもしれないが。
往路はオールドファンには面白い内容だったのではないだろうか。ブレーキのあった中大などを除き、伝統校が上位を走っていた。11位明大までのうち新興勢力は7位中央学大、9位山梨学大(21回目の出場で新興勢力とも言えなくなってきたが)のみ。
往路に限っては東海大逃げ切り困難という予想が当たってしまったが、これは3区と5区の出来が悪すぎたことも一因。復路は駒不足か。6区で波に乗らないとズルズルと後退してしまう。
以下、学校別にコメント。
順大はやはり松岡が本調子ではなかったが、3区区間4位となんとかまとめた。2区終了時点で6分36秒差は絶望的にも思えたが、3区で4分37秒差。4区は佐藤秀和。区間賞とはいえ、あまり走力のない走者が集まる区間で本来の走りにはまだ程遠いのだが、4分09秒差まで詰めた。5区今井は区間2位を2分34秒離す実力どおりの走りだったが、3回の山登りで最も会心の走りは距離が長くなる前の2005年、1時間09分12秒ではないだろうか。往路でサブを3人使ってしまったので、復路に使えるのは1名のみだが、復路も力どおり走れば十分逃げ切れる。
日体大は1区を無難に走ったことに尽きる。しかし北村以外に5区を走れる人材がいればもっと北村を生かせるのにもったいない。北村はどうみても登りの適性はないのに走力だけで何とか走っている。復路は良くも悪くも鷲見がカギ。
早大は2区竹澤がモグスに抜かれたときも一瞬ついてスピードを測り、オーバーペースと判断して冷静に対応した。1時間07分46秒はまだまだ物足りないが、今の走法はまだロードに適応していないから好走と言えるのでは。渡辺監督は鬼門の5、6区は十分に適性を見たというが、予選会校内トップの駒野をして区間8位。まだまだ眼力が足りない。復路も6区がポイント。サブの宮城が7区か10区に入ってくると予想され、ブレーキがなければ上位争いに踏みとどまれそう。
日大は大した計算違いはなく区間2位も2人いるのに5位に留まった。2区までもう少しいい位置でつけたかった。
中央学院大は2区木原が区間7位にとどまってどうなることかと思ったが、他の4人がよくカバーした。11位とは2分23秒差なのでまだシード権安泰とは言えない。6~7区でシード権ラインからいかに逃げるか。
駒大は全く予想外の7位だった。2区宇賀地の区間13位は確かに誤算だが、それよりも2区にエントリーしていた安西が走れなかった方が誤算だろう。心配の種の4区高井がそこそこ走れたのが救い。復路にも強力な走者を残しているとはいえ、シード落ちもあり得るこの順位で冷静に走れるか。
専大は大健闘の往路8位だったが、復路は未知数。11位とはわずか38秒差。
山梨学院大はモグスの独り相撲が台無しにしてしまった。思わぬ失速に3区が焦ってしまうという負の連鎖。なんとか5区で持ち直したが、復路はかなりの苦戦を強いられるだろう。モグスを焦らせたのは1区東海大・佐藤がつけた大差だろう。しかし5km13分30秒、10km27分22秒(距離が不正確なので当てにはならないが)ではベケレでも最後までもつまい。無謀としか言いようがない。ラスト1kmは4分30秒かかっていた。
東洋大は4区までよくつないだのに5区の区間17位が痛い。この区間は同じ区間順位でも大差がついてしまう。ちなみにほぼ同じ距離の2区でも区間1位と17位は3分06秒、5区ではなんと8分25秒。平地の2区間以上の差がついてしまうことをもっと認識しなければならない。
明大の11位は大健闘。古豪の健闘に特に箱根山中の沿道は沸いたことだろう。5区尾籠の区間2位が光る。6区にエントリーした中村(静岡・藤枝東高出)の快走を期待したい。
亜大は13位だったが、そもそも昨年は他校が崩れてぼた餅的優勝であり、実力的には4~5位と思っていた。2区山下が区間16位に沈んだがそれでも大ブレーキと言うほどでもなく、まだ悲観するような差ではない。
中大は1、2区の力不足は予想されたことだし、3区上野が(区間賞とはいえ)他を圧倒するほどではないのも折込済み。4区の区間20位は一体何があったのか。それでもまだ10位と1分01秒差。亜大と中大がシード圏内に上がってくるとすると、はじき出されるのはどこか。12位城西大もまだシード権に食い込む力はある。専大、中央学院大、山梨学院大あたりは厳しい戦いを強いられる。
細部を見ていくと展開はだいぶ違うが、大筋で結構予想が当たってしまった。大体予想というのは外れるものだが…
東海大の逃げ切りは難しいと予想していたが、1区はまさに東海大の思うつぼだった。まさか4分も離れるとは。たぶん監督・コーチからは「東海大は追うな。集団で行って六郷橋から勝負だ」などと指示が出ていたのだろうが、指示がなくても危険を察知して追わなければ。3位以下の超スローペースで助かったのは2位を守った東洋大とブレーキ寸前だった順大中村。
東海大佐藤は61分06秒で早大・渡辺の持つ区間記録を7秒更新。13km付近から痙攣しかかっていたというのにこのタイムとは恐ろしい。ちなみに過去に2位を1分以上離したケースをさかのぼってみると、ほとんどが戦前。今回の4分01秒より大きいのは戦後の混乱期の47年(4分27秒)、黎明期の第3回、22年(4分31秒)の2回のみ。
以下1区1分以上差リスト。
00年法政・徳本1分05秒
95年山学大・中村1分24秒
83年東洋大・佐藤1分03秒
77年日体大・石井1分22秒
75年筑波大・片山1分12秒
73年東洋大・松田1分31秒
66年国士大・井上1分21秒
51年中大・浅井1分54秒
49年明大・島村1分47秒
48年中大・浅倉2分25秒
47年早大・後藤4分27秒
43年立大・伊藤1分25秒
40年日大・郷野1分15秒
38年文理科大(現筑波大)・常松2分20秒
37年日大・村上2分35秒
35年早大・中村(清)1分43秒
33年早大・朝倉1分10秒
32年中大・佐藤1分21秒
29年東京高師(現筑波大)・横川2分11秒
27年明大・窪田1分54秒
26年東大農学実科(現東京農工大)・藤巻2分32秒
23年東京高師・畠山2分53秒
22年東京高師・畠山4分31秒
21年早大・河野(謙三)2分46秒
20年東京高師・山下3分00秒
今日から3日間は駅伝三昧。まず元日は男子の全日本実業団駅伝。
まず1区はビルドアップのように徐々にペースが上がり、抜け出したのはスズキのエース、マサシ。しかしエースが1区ではジリ貧となるのは目に見えている。日本人トップの松宮(コニカミノルタ)と35秒差しかつけられなかったのは本来の走りではなかったということだろう。
最長22kmの2区を制したのは秋葉(小森コーポレーション)。ほぼ独走状態で油谷(中国電力)、徳本(日清食品)、岩佐(大塚製薬)といった他チームのエースを30秒近く離した走りは将来が楽しみ。油谷もしばらく見ていなかったが全盛時と遜色ない走り。徳本はマラソン初挑戦らしいが、今日の調子云々ではなく、まだマラソンの走りにはほど遠いように見える。
3区は日清食品にゲディオンが登場。11.8kmを30分43秒。10km換算26分01秒はいくら何でもあり得ない。実際には11.8kmよりもかなり短いと思われる。日本人最高の岩井(旭化成)が32分22秒(10km換算27分25秒)であることからも明らか。距離計測がいい加減だとせっかくの好記録も興ざめ。この時点で日清食品が完全に独走となり、このまま逃切り濃厚と思われた。
要所の5区で日清食品は大島を起用したがこれが区間22位の大誤算。一方、逆転を狙う中国電力は佐藤が区間2位の坪田(コニカミノルタ)をも1分12秒も上回る激走で一気に逆転。日清食品の優勝はこの時点でリードしていなければ難しかった。それにしても佐藤は駅伝になると滅法強い。フォームがどうこうではなく、マラソン向きの身体ではないのかもしれない。
結局6区は他チームも駒の関係で圧倒的な力を持つ選手の起用はなく、中国電力との差は詰まらず、7区尾方が楽々逃げ切った。旭化成が2位に入り、一時の低迷をようやく脱しつつある。まだ小島兄弟に続くマラソンランナーは出てきていないが、近いうちにマラソンでも台頭してきそうだ。3位日清食品、4位コニカミノルタは順当としても、5位トヨタ紡織、6位大塚製薬、7位安川電機、8位日産自動車は大健闘。
しかし、これが実業団チームの真の実力を表しているわけではない。マラソンシーズンの合間に行なわれる大会という性格上、マラソンに力を入れていないチームが有利なのは否めない。2位に入った旭化成にしても、今はマラソンで世界を狙える選手がいないから駅伝に専念できるだけかもしれない。日清食品もマラソンで通用するランナーは諏訪しかいない。そういう意味では中国電力の強さは圧倒的だ。6位の大塚製薬も中国電力より小粒ながらスタンスは似ている。駅伝が最大のイベントの学生とは立場が違うということをもう少し認識しなければ男子マラソンの復活は遠い。
昨日箱根駅伝の区間エントリー選手が発表された。
最大のサプライズはやはり東海大だろうか。何と1区佐藤、2区伊達と2人の大砲を1、2区に持ってきた。見た瞬間、このオーダーでは逃げ切りは難しいと思った。いかに佐藤が強いと言っても独走の経験は乏しい。区間記録である早大・渡辺の出した61分13秒は山学大・井幡と終盤まで競った中で出した記録。この時の早大は1区で2分は離すつもりでエース渡辺を起用したが結果的に山学大に27秒差しかつけられず、逆転を許している。風などにもよるが、佐藤は20km以上の距離では当時の渡辺ほどの力はまだないだろう。61分30秒程度と予想する。2位争いも63分は切ってくるだろうから、差は1分半以内。伊達で更に1分離したとしても2分半。逃げ切るのは厳しいかもしれない。
しかし妄想しているうちに、東海大の新居監督、大崎コーチは箱根優勝というのは彼らにとって小さなことと考えているのではなかろうか、と思い始めた。2区佐藤、5区伊達が最も予想された区間配置であるが、伊達が5区でもし失敗したら2年連続であり、潰れてしまうという配慮があったのではないだろうか。佐藤にしてもトラックでの実績は申し分ないが、最長区間にはまだ絶対の自信はなく、ヨーイドンで自分のペースで走れ、コースも易しい1区に回したのかもしれない。
以下、主要校別に見ていく。
亜大は大エースはいないが穴が少ない。2区に前年の殊勲者、山下を起用。個人的には数少ない静岡出身の山下の快走を見たい。サブに岡田直寛(前回10区7位)、益田(前回8区6位)を残している。
山学大は2区モグスで大量リードを目論むが、如何せん後に続く者がいない。前回10区2位の小山が5区にいるので3、4区がうまくつなげば往路上位に入り、波に乗れる可能性はあるが、シード争いの位置が妥当か。
日大はギタウがまだ2区は無理と判断したか、3区に起用。ただ1区松藤、2区福井は実力者で東海大から2分以内で来ればギタウで逆転もある。7区秀島、9区土橋と復路勝負もかなり意識している。ただし勝負どころが9区になった場合、駅伝で実力をなかなか発揮できない土橋がプレッシャーに耐えられるか。サブにも末吉、阿久津、笹谷など実力者を残し、当日のオーダーに今も頭を悩ましているのではないか。選手のイライラ感となっていなければよいが。
順大は昨年は8区のアクシデントがなければ優勝していたチーム。平地のエース松岡がサブに入っているが、やはり故障から完全には復帰できていないのだろう。1区に中村を持ってきたが、東海大・佐藤が走るとなると大差がつく可能性がある。思い切って松岡1区もあるのではないか。2区も1年生でロードの実績が乏しい関戸に代え、小野(前回7区2位)か。佐藤は秋頃にだいぶ復調してきたが、まだ監督の信頼を得られていない。要所での起用はないと見る。
駒大は宇賀地をサブに入れた。東海大のリードを許さないためには1区に入れたいところだが、10000m28分台の池田を外すのはもったいない。前々回までなら往路の純エース区間4区だろうが、4区は距離が18.5kmになってしまった。3区あたりの起用となるか。オーダーを見ると、やはり駒大は強い。
中大は層は厚いのだが1、2区が他の強豪校と比べ見劣りする。上野にもう少しスタミナがあれば苦労しないのだが。上位争いには加われないと見る。
日体大は別府監督がついに1区鷲見を見限った。1年の森を起用したが、森は全日本でペース配分を誤って大失速。今回も佐藤のペースに惑わされて大ブレーキの恐れがある。過去2年、期待されながら5区で凡走の北村が今年も5区。山に強い人材がいれば北村を2区に置けるのだが。実力はあるが優勝争いに加わるのは厳しそうだ。
早大は予想通り竹澤が2区だが、竹澤はまだロードで実力を出し切ったことがない。せっかくの大エースを生かせるかどうかが最大のカギ。宮城をサブに残したが、今回の1区はかなりバラけるだろうから、好位置につけるためには1区に使わざるを得ないかもしれない。1、2区で波に乗れないとシード権も危うくなる。予選会の時点で仕上がってしまったのを再度ピーキングできるのか。今回シードを逃せば渡辺コーチの手腕が問われる。
中央学院大は単独走には不安があるという木原を2区に持ってきた。1区がダンゴで来ればよかったのだろうが、東海大・佐藤のおかげでそれはなさそう。伊達と肩を並べて走るシーンもなさそうだ。3区以降はやや見劣りし、シード権は厳しいだろう。
予選校の中では城西大が好位置につけるのではないか。1~3区はなかなか強力。復路にもそこそこ走れる走者を残し、昨年10秒差でシード権を逃した時より実力はかなりアップしていると見る。10位以内の可能性はかなり高い。
男女とも頭一つ抜けているチームがあり、独走の展開も予想されたが、意外にも本命が順調なレース運びができずに接戦となり、見ている分には面白いレースだった。
女子は須磨学園が圧倒的な力で2区小林から独走と思われた。しかし1区がトップ仙台育英から何と1分03秒も遅れて23位。3000m9分13秒、昨年も1区区間8位で走っているのだが。しかし2区小林が冷静に差を縮め、終わってみれば20人抜きで3位に上がり、差も23秒と見える位置まで詰めた。下り基調なので12分30秒切れるかもと思ったが、終盤は少し疲れたようだ。差が出たのは4区。チームでも力のない選手が走る3km区間で須磨学園は3000m9分09秒のタイムを持つ広田を惜しげもなく投入し、逆転。この時点で2位仙台育英とは3秒差。5区は須磨学園が前半自重気味だったので仙台育英が追いつくが、後半は自力の差が出た。2位争いは興譲館がトラックで猛然と追い込み、同タイムながら2位でフィニッシュ。
須磨学園が出遅れながらも優勝できたのは小林の力が大きい。といっても単に走力だけではなく、インタビューなどで事あるごとに「キャプテンとして…」と真っ先に口にしていたように、チーム全体を引っ張り上げたことによる。この1年、日本新樹立などの実績面もさることながら、こういった面でも一回り成長したようにうかがえる。
しかし優勝タイムは1時間07分34秒。1区が順当に走っても歴代最高の1時間06分26秒(1996年埼玉栄)には及ばない。当時と比べると1区で39秒遅く、2区で17秒早く、3区で5秒遅く、4区で15秒遅く、5区で26秒遅い。この記録を破るには1区に小林を投入してスタートから全開で行っても届くかどうか。
男子は1区で仙台育英が28分31秒、世羅が28分39秒と昨年より悪いタイムにもかかわらず、後続の日本人は5kmを15分17秒くらいで通過という消極レースで30分を切ったのは1校のみ。駅伝は総合タイムを競うのだから、日本人1位にこだわっても仕方がない。優勝を目指す有力チームはとにかく順位よりタイム差。前をいく留学生が優勝候補の一角なのだからできるだけ離されないレースをしなければ1区にエースをおく意味がない。しかもその有力校は豊川工の12位、1分42秒差が最高、西脇工が1分46秒差の14位。佐久長聖に至っては2分36秒遅れの36位に沈んでしまい、早くも優勝戦線から脱落。
2区も仙台育英が快調にリードを広げ、2位世羅と18秒差。また例年と同じ展開か、と思ったところ、3区が思わぬブレーキで区間24位で逆に世羅に47秒差をつけられる。まあこの辺りはまだ想定内だろう。しかし4区で詰めるどころか逆に1分31秒差に開いてしまったのが誤算だった。もちろん区間賞で走った世羅の清谷の走りを褒めるべきだが。残り13kmで1分半の差はいくら力のある選手を残していても厳しい。仙台育英の焦りをよそに世羅は先頭を快調に走り、2時間03分18秒で1分07秒差をつけて優勝。仙台育英以外のチームでは97年の西脇工と並ぶタイム。
仙台育英の4連覇を阻んだのは高く評価できるが、やはり1区にケニア留学生を配しての勝利。勝つ可能性があったのは豊川工と佐久長聖だったが、豊川工は3区三田がベストの走りより1分遅かった(今年の調子から見て予想できたことだが)。佐久長聖は1区の出遅れがなければ他の選手ももう少し力を発揮できただろう。
世羅も外国人の力が大きいとはいえ、古豪の優勝は古くからの駅伝ファンにはたまらないだろう。何しろ32年前といえば私が中学校に入学して以来、28年も競技を続けている私にも記憶はない。ただ、その頃は優勝こそないもののまだ駅伝名門校として名を馳せており、私と同学年にも当時5000mで14分13秒9の高校新をマークした工藤康弘、当時1500mで3分47秒77の高校新をマークした中原誠の2枚看板がいた。今回6区、7区を走った中原兄弟は、ひょっとして中原誠氏のご子息、ということはないだろうか?
これまで全国規模の駅伝大会でこのようなことがあっただろうか。
猛威をふるっているノロウィルスに大量感染し、全国中学校駅伝にエントリーしたうちの男女7チームが欠場したとのこと。
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/061216/jkn061216007.htm
これから高校駅伝、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝とビッグイベントが目白押しだが、各チームとも予防には細心の注意を払ってほしい。特に合宿所で集団生活をしているチームは非常にリスクが高い。単なる風邪と思って症状を隠し、感染を拡げるというのが最悪のパターンだ。
アジア大会ではレベル的に種目ごとに細かく書いても面白くないので、少し趣向を変えて国別得点を出してみた。
得点はインカレやインターハイ方式で1位8点~8位1点。総合得点のほか、男子総合・女子総合、男子トラック・女子トラック(ロード競技含む)、男子フィールド、女子フィールド別に算出。混成はトラック・フィールドどちらにも含まない。即席の集計のため、多少間違いがあるかもしれないがご容赦ください。
【総合の部】 | ||
---|---|---|
1 | 中国 | 279 |
2 | 日本 | 277 |
3 | インド | 132 |
3 | カザフスタン | 119 |
5 | カタール | 118 |
6 | バーレーン | 110 |
7 | 韓国 | 95.5 |
8 | サウジアラビア | 88 |
9 | スリランカ | 49 |
10 | ウズベキスタン | 44 |
【男子総合の部】 | ||
---|---|---|
1 | 日本 | 136 |
2 | カタール | 118 |
3 | 中国 | 94 |
4 | サウジアラビア | 88 |
5 | バーレーン | 68 |
6 | 韓国 | 49.5 |
7 | インド | 44 |
8 | カザフスタン | 39 |
9 | クウェート | 38.5 |
10 | イラン | 31 |
【男子トラックの部】 | ||
---|---|---|
1 | 日本 | 103 |
2 | カタール | 85 |
3 | バーレーン | 64 |
4 | サウジアラビア | 60 |
5 | 中国 | 54 |
6 | 韓国 | 20 |
【男子フィールドの部】 | ||
---|---|---|
1 | 中国 | 40 |
2 | 日本 | 33 |
3 | カタール | 28 |
4 | サウジアラビア | 28 |
5 | 韓国 | 23.5 |
6 | クウェート | 22.5 |
【女子総合の部】 | ||
---|---|---|
1 | 中国 | 185 |
2 | 日本 | 141 |
3 | インド | 88 |
4 | カザフスタン | 80 |
5 | 韓国 | 46 |
6 | バーレーン | 42 |
7 | スリランカ | 39 |
8 | ウズベキスタン | 29 |
9 | ベトナム | 22 |
10 | タイ | 21 |
【女子トラックの部】 | ||
---|---|---|
1 | 日本 | 94 |
2 | 中国 | 92 |
3 | インド | 55 |
4 | カザフスタン | 45 |
5 | バーレーン | 42 |
6 | スリランカ | 26 |
【女子フィールドの部】 | ||
---|---|---|
1 | 中国 | 93 |
2 | 日本 | 42 |
3 | カザフスタン | 25 |
4 | 韓国 | 24 |
5 | インド | 20 |
6 | スリランカ | 13 |
第60回を迎えた福岡国際マラソン。大阪世界選手権の選考レース第1戦であると同時に、「皇帝」ゲブルセラシエと世界王者のガリブ(モロッコ)の対決、そしてこれに藤田、尾方、諏訪といった日本勢がどう挑むかが焦点だった。ゲブルセラシエが終盤で力の差を見せ、2時間06分52秒で優勝。日本人1位は奥谷(SUBARU)が2時間08分49秒で入り、2007年大阪世界選手権の代表当確となった。
詳細は以下。
レース序盤、体感気温がかなり低かったのか、ペースメーカーの先導が不味く5km15分44秒で入ってしまう。ようやく気付いたかその後はペースアップしたものの10kmは30分56秒(15分12秒)。早くも快記録への期待は薄れたが、日本人にとっては好都合か。15kmは更にペースが上がり、45分56秒(15分00秒)。直後の給水で藤田がスペシャルを取り損ねたように見えた。
20kmは60分59秒(15分03秒)とすっかり3分ペースに安定。しかし力のない日本人は徐々に脱落していく。藤田は給水の失敗を避け、給水所直前で強引にペースアップし、先頭でボトルを取る。しかし他のボトルを倒してしまっていた。焦り、余裕のなさが見受けられたところ、解説の谷口氏にも余計な動きを指摘されていた。コース取りもコーナーで最短距離をとろうという意図はわかるが、集団の流れからあえて一人だけ外れて走ることもあるまい。
中間点は64分18秒。最近のペースメーカー付きレースでは64分台というのは珍しい。25kmは1時間15分54秒(14分55秒)と初めて5km14分台に入った。5kmからの20kmは60分10秒と日本人にはそろそろ持続が厳しいペースになってきた。その後、それまでペースメーカーの直後にピタリとつけていた藤田が集団の後方へ下がっていった…と思っているうちに集団から離され始めた。意外にも尾方までもここで藤田同様に遅れ始めた。外国人に着いていくのは奥谷と諏訪。表情は奥谷の方が厳しく、諏訪はまだ余力がありそうに見えるがサングラスの奥までは窺えない。
30kmは1時間30分48秒(14分54秒)。2区間連続14分台は相当に力がないと着いていくのは難しい。ゲブルセラシエとガリブはまだ余裕。ガリブは脚の返しが速いモロッコ人らしい走法。ゲブルセラシエはようやく自分のペースにはまってきた感じ。昨年の優勝者、バラノフスキー(ウクライナ)がやや苦しそうにしながらもパワフルな走りで引けを取らない。寒さには滅法強いという強みも自信につながっているのだろうか。ビウォット(ケニア)はケニア人には珍しくピッチ方法だが走りはあまり洗練されていない。前述の3人とは力の差がありそうに見える。奥谷はかなり表情が険しくなり、懸命に着いている。諏訪は表情ではまだ大丈夫そう。尾方、藤田、佐藤智之(旭化成)はすでに100mかそれ以上遅れてしまった。
31.6kmの香椎折り返し点を過ぎると展開が変わった。折り返してすぐペースメーカーが離脱すると、それに巻き込まれるような形で諏訪とビウォットが一瞬遅れる。と同時にゲブルセラシエが先頭に立ち、ペースアップを始めた。奥谷は懸命に着こうとするが、33km~34kmは何と2分47秒。これには奥谷もたまらず、34km付近からじわじわと離され始める。35kmは1時間45分30秒とこの5kmは14分42秒。2回連続14分台の後の14分42秒は日本人では高岡以外には無理だろう。奥谷はそれに8秒差だから大健闘と言える。それ以上にバラノフスキーの走りは見事。
ゲブルセラシエはなおもペースを緩めず、1~2mリードを奪ったところでバラノフスキーが脚に痙攣が来た。ペースダウンを余儀なくされたところ、ガリブも限界が来たか39km付近でついに遅れ始める。40kmは2時間00分20秒(14分50秒)とゲブルセラシエも圧倒的なスパートをしているわけではない。むしろストライドに少し衰えも見え隠れしているが、ガリブはここで6秒差、バラノフスキーは12秒差となり、勝負はほぼ決した。奥谷はこの5kmを15分56秒、諏訪は15分57秒ですでに先頭とは1分以上の差となったが、この2人の差は16秒差とほとんど変わっていない。奥谷が楽に逃げ切るかに見えた。
ゲブルセラシエはこの後もペースアップこそしないものの落ち込みなく2時間06分52秒(6分32秒)で優勝。2位はガリブで決まりと思ったが、バラノフスキーがトラックに入ってから大きなストライドで猛追し、最後の直線でついにガリブを逆転、ゴールの1歩手前で脚が痙攣したがなんとかなだれ込んで2位を確保。2時間07分15秒(6分43秒)。ガリブはゲブルセラシエに離されてから戦意喪失したか、ラストは6分53秒かかって2時間7分19秒。4番手に奥谷が入ってきたが、いつのまにか諏訪が30~40m差に迫ってきている。最後の直線で15~20m差まで詰め寄ったが、奥谷が何とか逃げ切り2時間08分49秒(7分15秒)。諏訪は3秒差。ラストでATPを使い切ったような状態でゴール後膝から崩れ落ちた。諏訪は十分に代表候補となるだろう。
勝負に加われなかった尾方は2時間10分48秒で6位。疲労困憊という感じではなかっただけに、おそらく本人も絶好調という認識ではなく、14分台のペースは無理と判断し、前の2人がオーバーペースでつぶれることに賭け、自らは2時間09分30秒狙いに変えたのだろう。結果的には前の2人は粘り勝ち、自分は予想以上に失速してしまったのだが。対照的に自信満々だった藤田は結局2時間11分50秒かかって8位。気負いがあったのと、たぶんピークを過ぎていたものと思われる。駒大のパターンは大学3~4年で好成績をあげ、社会人になってからは1~2年目がピーク(藤田、西田)。20代前半で最高のパフォーマンスが得られる練習を30歳でやってもダメということに気付いてもらいたい。途中でしきりに太腿を叩いていた(坐骨神経痛?)が、身体に負担をかけすぎなのではないか。年齢なりにトレーニングも変えていかなければならない。ちなみにゲブルセラシエは33歳、ガリブは34歳。まだまだ老け込む歳ではない。
注)ゲブルセラシエは、新聞・テレビ等ではゲブレシラシエと表記されているが、綴りはGebrselassieであり、ゲブルシラシエと発音することはあっても「ゲブレ・・・」とは発音しないと判断し、ゲブルセラシエと表記している。陸マガ・月陸でも同様。
静岡県の市町村対抗駅伝も7回目を迎えた。42.195kmを小学生(男女なし)、中学生男子・女子、ジュニアA(高校生年齢)男子・女子、ジュニアB(中学生・高校生年齢)男子・女子、一般男子・女子、40歳以上(男女なし)の10区間で行なう。
公式サイト
写真は自分と同年代の40歳以上の区間(3区)。この時点では富士市がトップだったが、家に帰ってテレビを見ると静岡市静岡(静岡市からは旧静岡市の静岡市静岡と、旧清水市・蒲原町の静岡市清水の2チームが出場)が逆転していて、そのまま逃げ切った。タイムは2時間15分13秒。町の部というのもあって、こちらは函南町が2時間21分07秒で優勝。
当初は市の部が21チーム、町村の部が53チームでスタートしたのだが、市町村合併が進み、今大会は市の部が28チーム、町の部が19チームと、町の部がかなり寂しくなってきた。龍山村が浜松市に併合されて以来、もう村は存在しないのだが、「市町村対抗」というのは愛嬌か、それとも大会関係者の誰も気付いていないのか(?)。コースの大部分が県都静岡市の市街地を走るという珍しい大会であるが、これも県が共催という力が大きいのだろうか。
生放送でのテレビ中継もあり(解説は金哲彦さん)、高校駅伝の上位校の選手が出身の各市町に分かれて同区間で競い合うのも面白い。
男子は1区からケニアの独走になってしまい、勝負の面白味はなかった。
1区の序盤こそ集団で走っていたが、2km5分27秒で通過した後、ケニアのマサシが一気にペースアップ。1km2分33秒で走られては日本選手はとてもついていけない。レース前から「残り3kmでペースアップ」と公言していたが、中間点前から「残り○km」という感覚がそもそも並の選手と違う。結局5kmを13分13秒で走り、2番手には日本学生選抜の上野が13分32秒で入り、更に1秒差で日本代表の佐藤悠基が続いた。上野は大学3年になってから好調を維持している。佐藤は相変わらずスピードの持続力はあるがラストの切れがない。
2区10kmは注目のマサイ族、ゲディオンが5kmを13分07秒というとてつもないペースで入った。後半はさすがに落ちたものの、26分51秒で突っ走って差を大きく広げた。2番手は残り2kmでスパートした伊達(東海大)が28分20秒の区間2位でカバーし、学生選抜の北村(日体大)は28分38秒の区間4位。
3区5kmもダビリ(ケニア)が13分29秒の区間賞。日本代表の尾田(トヨタ自動車)は14分05秒の区間3位。4区10kmはケニアのコリルがどうしたことか29分46秒もかけてしまい、世界新の期待は薄れた。その間に日本は佐藤敦之が28分28秒の区間賞で差を詰め、1分07秒差まで迫った。
5区5kmは各選手とも坂と風に苦しみ、ケニアのモグスでも14分01秒。それでも区間2位、学生選抜の小野(順大)より43秒も速かった。日本代表は白柳が振るわず。最終区7.195kmはジュイ(ケニア)が20分38秒で結局ケニアは6区間中5区間で区間賞。1時間57分58秒で優勝し、日本代表は2時間00分01秒で2位。学生選抜は2時間02分03秒で4位に入った。
女子も1区からケニアが独走態勢を築いた。フィレスは15分11秒だったが、日本代表松岡(スズキ)は15分20秒の区間2位で走る大健闘。淡路島、中部実業団でも1区で好走していたが、好調が持続している。2区10kmはキムウェイ(ケニア)が31分20秒で後続を大きく広げた。日本は扇(十八銀行)が32分38秒の区間4位。ロシアに抜かれ、2位と14秒差の3位。
3区5kmはチェピエゴ(ケニア)が15分31秒でまたも区間賞。区間2位には日本代表の那須川が15分50秒で入り、ロシアとの差を2秒差まで詰めた。4区10kmはケニアがデレバを起用し、圧倒的なスピードはないものの安定した走りで32分02秒の区間賞。日本は加納(資生堂)が32分22秒の区間3位で走ったが、2位ロシアとの差は11秒に広がった。
5区5kmはボゴモロワ(ロシア)が16分16秒で初めてケニア以外の選手が区間賞を取ったが、差は6秒しか縮まらない。日本は早狩がスピードに乗れずロシアとの差も1分近くに広がった。最終区7.195kmもロシアが区間賞を取ったが、ケニアが2時間13分35秒とロシアに1分16秒の差をつけて優勝。ロシアはメンバーは悪くないのだが、すでにシーズンオフで太り気味の選手もいるなどベストの状態にはほど遠い。日本はロシアからも2分09秒遅れて3位。学生選抜は日本代表から1分44秒遅れの4位と健闘。
男女共に言えることだが、メンバー集めに相当苦心した様子がうかがえる。ホスト国として恥ずかしいレベルではまずいし、かといって一線級は他のレースとの兼ね合いでなかなか出せない。学生も男子は箱根駅伝を約1ヵ月後に控えて走り込み中であり、各校監督は本当は出したくないのが本音ではないか。本当に世界を見据えて取り組むなら、こういう大会でケニアに真っ向から勝負できるようなスピードをつけることも大事だと思うのだが。
2007年の世界選手権大阪大会の出場資格のかかった今大会。15kmを過ぎて尾崎(資生堂)が先頭集団から遅れ、予想通り日本人の1位争いは土佐礼子と高橋尚子の一騎打ちの展開に。折返し前で早くもペースメーカーのイワノワを含む3人に絞られる。イワノワが上手い走りで27kmまで引っ張ったが、向い風もあって徐々にペースダウン。雨が次第に強くなり、日比谷通りに入った後、31km地点で土佐が引き離しにかかると高橋があっけなく失速し、勝負はついた。しかし、土佐のペースも急落とは言わないまでもジリジリと低下。ぶっちぎりで優勝はしたものの、タイムは2時間26分15秒。世界選手権の内定は取れなかった。
先頭のラップは、5km16'30、10km33'16(16'46)、15km50'06(16'50)、20km67'01(16'55)、25km1:24'16(17'15)、30km1:41'48(17'32)、35km1:59'25(17'37)、40km2:18'03(18'38)、残り2.195kmが8'12。
2着には先頭集団から遅れながらも孤独にペースを守った尾崎が2時間28分51秒で入り、高橋はデビュー戦以来となる2時間30分超過、2時間31分22秒で3位に入るのがやっとだった。高橋は30kmまでは土佐とほぼ同タイムで進めたが、30km以降は、35km2:00'07(18'19)、40km2:21'30(21'23)、残り2.195kmが9'52と急激なペースダウン。一方尾崎は最後の2.195kmは8分01秒と土佐をも上回っていた。
レース前の話でも高橋が雨天のマラソン経験がなく、雨を嫌がっていた(デイリースポーツ記事参照)ように、走る前から勝負はついていたのかもしれない。土佐が手袋・アームウォーマーをし(靴下も履いていなかった?)、髪を束ね、サングラスも明るめにしていたのに対し、高橋はアームウォーマーなし、手袋はしていたが一旦脱いだ後チームメイトに投げてしまったこと、帽子をしていたのはよかったが、重さを感じたのか脱ぎ捨てたとき、長い髪を束ねていなかった(そもそも帽子も脱ぐべきではなかったと思う)こと、サングラスの色が濃すぎたことなど、終わってみれば色々なことが裏目に出ていた。
今大会のように気温が低く、更に降雨となると皮下脂肪が少ない方が不利となる。それは体脂肪が極端に少ない私自身、、唯2回のリタイヤが調子は悪くなかったにもかかわらず、いずれも雨天(霙)・低温で体が動かなくなったということからも実感している。それに加え、高橋のように走りが軽快で路面からの反発を十分に生かした走りの場合、シューズと靴下の重みの影響を受けやすい。路面に水がたまり出すと足の重みがスタミナを奪っていく。ペースが鈍ってくると体が冷え、ますますペースが落ちるという悪循環に陥ったと思われる。
敗因はいろいろあるだろうが、天候を味方にできなかったことの他に、練習方法が誤った方向に行っているのではないかという懸念がある。従来より更に高度を上げた海抜4300mでトレーニングしたというが、高度を上げればよいというものではあるまい。心肺機能は強くなるだろうが、実際のレースとかけはなれたスピードで練習するうち、地面からの反発を受ける筋力が低下してしまったのかもしれない。実際、今日のレースでも息苦しさは感じられなかったが、折返した直後あたりから腰が落ち、大腿部前面の筋肉が浮かび上がるようになっていた。地面を跳ね返せないからストライドに頼って足が流れ、ピッチが落ちる。
また、これは仮説であるが、あまりに平地とかけ離れた環境に、肉体年齢の加齢に拍車をかけている可能性がある。すでに34歳ではあるが、シドニーからの6年間で肉体的には6年を大きく超える負荷をかけてしまったのではないだろうか。もしこの仮説が正しいとすれば、高橋尚子はもう復活は難しいことになる。若くて経験の少ない「チームQ」陣営に少しでもこのようにいろいろな可能性やリスクを考え、方向修正を示唆できる人がいればいいのだが…。
11月12日、福島市の信夫ケ丘競技場発着で行なわれた。
競技場では好天だったのだが、途中から激しい風雨に見舞われ、気温の低さもあって(アメダスの観測では13時の福島市は5.5度)、優勝タイムが2時間20分37秒と4年ぶりに2時間20分を超えた。
レースは1区で神奈川の吉川(パナソニック)が切れの良い走りで6kmを19分11秒でトップを奪ったが、2区で群馬がトップに立ち、3区で福島が逆転すると、福島と群馬の一騎打ちの様相。8区終了時点で1位福島と2位群馬の差は23秒あったが、最終区で群馬の芳賀(ヤマダ電機)が32分33秒の区間1位の好走で結局53秒の差をつけて優勝。16年ぶりということだから、走った選手は生まれてない人もいれば、生まれていても記憶にはないだろう。
渋井陽子を擁する東京は1区で岩田(第一生命)がまさかの区間17位でトップから1分28秒遅れ。腰の右側や太腿をしきりに叩いていたが、坐骨神経痛だろうか。5区に北海道マラソン優勝の吉田(資生堂)で巻き返しを図るも、吉田は見るからにウエイトオーバーで、区間12位。結局渋井に渡った時点で14位、渋井は区間1位タイで走ったものの9位まで押し上げるに留まった。
この駅伝は今年で22回目を迎えるのだが、すでに当初の役割を終えたのではないだろうか。当初は女子にも駅伝を走る機会を拡げようという意図があったと思うが、今はいろいろな駅伝が乱立し、東日本女子駅伝にベストメンバーで臨むチームは少ない。例えば私の住む静岡では、わざわざ全国都道府県女子駅伝の候補選手以外から選考しているような有様だ。
先週(11月5日)に行なわれたのだが、録画を見る暇がなくて、ようやくこの週末で見終わったので投稿が大幅に遅れてしまった。
レースは初出場の城西大が1区高橋の区間賞でまず先手をとったものの、2区で日大の留学生ダニエルが13人抜きでトップを奪うと、逃げ切り体制に入った。ところが、3区、4区で振るわず、4区で駒大に先頭を許すと、駒大は安定したレース運びで5時間19分05秒で2位日大を1分41秒引き離して優勝。
以下、主要校別のコメント。
1位駒大は1区で12位と出遅れたとはいえ、トップとはわずか17秒差で、残りは8人中7人が区間3位以内という安定した走り。出雲5位から見事に建て直してきた。だが、真の目標が箱根ならば、この時期にこんなに仕上がっていていいのか?それと最長19.7kmを任せられる人材がいない(堺は区間7位に留まっている)のも気になるところ。
2位日大はダニエルが快走したものの、ダニエルも後半は後続に少し追い込まれていたようで、20km以上への適性は未だ不明。3、4区の4年生、特に4区の主将土橋の凡走はいただけない。本当にこのまま4年間終わってしまいそう。
3位中大、4位順大は全般を通じて安定的だった。両校で区間2桁は順大1区の中村が区間11位(といっても区間1位と17秒差)と中大5区梁瀬の区間13位のみ。順大はいい噂のない佐藤秀和(仙台育英出)がやはり出場せず。
山学大は5位といっても7区までで11位、モグスの驚異的区間新(19.7kmを56分31秒、ハーフ換算で60分31秒)に助けられただけで、箱根の苦戦は必至。
6位日体大は、1区男の鷲見がまたやってくれた(区間15位)。無謀な飛び出しをしなくてもこの走りでは精神的に弱いとしか言いようがない。大物ルーキー森も4区14kmで43分18秒(10km換算で30分55秒)の区間14位と期待に添えない走り。
亜大は7位に終り、シードを逃したものの、十分に調整されていない印象。箱根しか眼中にないといったところ。
8位東洋大は7区までは3位につけていた。8区山本のブレーキに近い走り(区間16位、63分01秒)がなければ中大・順大あたりの場所でゴールしていたはず。
9位第一工業大は出雲に続き外国人を3人起用。日本人のウエートが上がった分、順位は落ちたが、よく一桁順位にとどまった。
関東勢では、10位城西大、11位大東大、12位神大、13位明大ともに力不足、走の薄さは否めない。ところどころ好走はあるのだが、総合力で東洋大までと比べて明らかに落ちる。
ここまで外国人3人が走った9位第一工業大を除き、すべて関東勢。他地区の奮起を期待…といってもあれだけ箱根駅伝の影響で関東に流入していれば無理もない。出身高を見てみると、関東とはいっても各校とも西日本出身者が結構多い(学校によってはほとんど西日本の選手のところもある)のだから。
11月5日、御前崎市・菊川市で開催。
男子は7人全員を14分台で揃えた藤枝明誠が1区でトップから44秒差の4位とやや出遅れたものの、2区からは区間1位が5人、区間2位が1人と他を寄せ付けず、2位を2分17秒離して2連覇。7回目の全国大会出場となった。総合タイムは2時間11分50秒。記録が出にくいコースで、例年全国では2分位縮めるのだが、今年の藤枝明誠のチーム力からするとやや物足りない。1区での出遅れと、独走だったからだろうか(昨年は2区から首位だったものの、2位とは25秒差)。ちなみに昨年はオール2年生で2時間11分15秒で、全国では2時間09分11秒(24位)。今年はチーム力が上がっているはずなので、2時間07分台の15位以内を期待したい。
女子は三島北と常葉菊川の一騎打ちと予想されており、優勝は三島北1時間12分35秒、2位常葉菊川は1時間13分14秒と39秒差に過ぎないが、常葉菊川は一度も首位に立つことができず、タイム差以上に完敗の印象。三島北は1区こそ富士東に3秒遅れたものの、その後は一度も首位を譲らず。常葉菊川は1区で三島北と39秒差。つまり2区以下は全く互角で、3区終了時点では25秒差まで詰めていたが、その後引き離された。1区でもう少し僅差で来れば、2区のスピードランナー三郷をもっと活かせただけに惜しまれる。三島北も昨年2年生4人、1年生1人のオーダーで1時間12分42秒をマークしている。全国では1時間12分41秒で31位。全国では1時間11分前半、20位が妥当な目標。
11月3日、浜松市の四ツ池競技場で開催。
招待日本男子
800mで下平(早大)が1分48秒96で優勝。2位中野(大塚製薬)1分49秒45、3位吉井(早大)1分49秒83と3人が1分50秒を切った。横田(慶大)は何と1分56秒26かかって9人中8位。
走幅跳で品田(筑波大)が7m77(+1.2m)。
やり投は山本一喜(中大→樟栁クラブ)が75m48で村上(スズキ)を破った。
招待日本女子
100mで高橋(埼玉栄)が自らの高校記録11秒54に迫る11秒56(+1.6m)で優勝。北風が11秒61(浅井学園大)で2位。
100mHは好調の石野(長谷川体育施設)が今日も好走、13秒18(+1.7m)。
走幅跳は池田(スズキ)が6m76(+1.9m)。
招待高校男子
100mは保善2年の小林が10秒53(+1.9m)。
400mは浜松市立2年の渡邉が48秒37。
110mHは洛南2年の中村が14秒24(+1.0m)の高2歴代2位。
棒高跳は注目の笹瀬がもはやこの記録では驚かない5m20。有明(観音寺中央2年)、横山(浜松北2年)がともに4m80。
招待高校女子
100mは小尾(敦賀2年)が11秒92(+1.2m)。伴野(浜松市立2年)は12秒09にとどまった。
400mは石本(兵庫・園田2年)が55秒50。崎山(東大阪大敬愛2年)が55秒78。
一般男子
400mRで洛南高が41秒49(3年1人、2年2人、1年1人)。
1600mRで浜松市立高が3分14秒98。2年2人、1年1人でこの記録はなかなかのもの。
一般女子
400mRで中京大中京高が47秒41。
1600mRは先日高校記録を樹立した東大阪大敬愛高が3分45秒44。浜松西が3年の中村宝子、飯尾も起用して3分45秒68で磐田北高が1986年にマークした静岡県高校記録3分46秒37(当時の高校記録)を20年ぶりに更新。
ジュニアオリンピックと同時開催の日本選手権リレー競技大会。女子で好記録が出ている。
400mRは福島大が44秒80の学生新・大会新。
1600mRは福島大の3分36秒93は実力的に順当だが、2着に入った東大阪大敬愛高は、インターハイでマークした高校新を更に2秒近く短縮する3分41秒35の高校新。バトンリレーによる短縮を考慮しても1人平均56秒を切る走力が必要なので、高校の単独チームとしては驚異的と言える。
10月27~29日にかけて日産スタジアムで開催。
ジュニアオリンピックといえば、昔(私が中高生の頃)は高2まで対象だったのだが、今は中学生の学年別選手権といった意味合いが強い。A(中3),B(中2),C(中1),に分かれている。その代わり、全日中が学年別ではなくなっている。
A男子
400mは柳澤(北海道・七飯大中山)が49秒20、以下4着まで49秒台の高いレベル。
3000mは田村(青森・野辺地)が8分28秒38で2位を4秒近く離す快勝。8位でも8分36秒台のハイレベル。
110mHは矢澤(神奈川・岩崎)が14秒49(+0.8m)の大会新。通常の中学生のハードルの高さ(91.4cm)ではなく99.1cmを考えると好記録。
砲丸投で鈴木(静岡・東伊豆稲取)が全日中に続き優勝で、16m70の中学新。2位が15m01だから完全な圧勝。
B男子
1500mで松村(広島・八本松)が4分02秒85の大会新。「怪物」和田仁志が24年前にマークした4分02秒9の中2最高を上回った。
110mHで渡辺(神奈川・潮田)が14秒54(+0.5m)の大会新。これも14秒57の中2最高を上回っている。
C男子
100mで田子(千葉・八幡東)が11秒35(-0.6m)の好記録。向風の中では中1最高と思われる。
A女子
3000mで鈴木亜由子(愛知・豊橋陸上ク)が9分18秒41の大会新。小林祐梨子の大会記録9分21秒07を上回った。中学生だけのレースで9分10秒台は強い。ラップは3'02-3'09-3'07。2着の藪下(兵庫・加古川山手)の9分26秒93もなかなかの記録。
100mYHで長村(神奈川・金沢)が14秒13(0.0m)の大会新。これがハードル間は高校・一般用の8.5m、ハードルの高さは中学用の76cmという変則的な種目。
B女子
1500mは谷本(山口・田布施)が記録的には平凡ながら4分34秒57で全日中800mに続いて全国制覇。
C女子
100mHで中原(北海道・函館北)が14秒84(+0.5m)の大会新。1年生では池田久美子が当時手動で14秒2を出しているが、それに次ぐ記録となる。
AB共通女子
円盤投で堀(徳島・半田)が38m14で圧勝。
遅くなってしまったが、10月22日に行なわれたシカゴマラソン。
男子はR.チェルイヨット(ケニア)が2時間07分35秒で優勝。2位には日本在住のケニア人、ジェンガが5秒差の2時間07分40秒で入り、3位はムインディ(ケニア)が2時間07分51秒。アブディラーマン(米)が4位で2時間08分56秒。
優勝したチェルイヨットはゴールのマットに足を滑らせて転倒。後頭部を打って車椅子で運ばれてしまった。その後どうなったのだろうか。
チェルイヨットのラップ。
15'05-30'06(15'01)-44'58(14'52)-59'56(14'58)-1:15'11(15'15)
-1:30'41(15'30)-1:45'47(15'06)-2:01'01(15'14)-2:07'35(6'34)
特別速いペースでもないし、急激に上がった区間もない。強いて言えば25km~30kmのペースアップだがそれでも14分台には上がっていない。日本人でも高岡選手あたりなら最後まで優勝争いに加われたのではないか。それにしてもジェンガ選手は安定して強い。
女子はアデレ(エチオピア)がいよいよ本格的にマラソン参入か、2時間20分42秒で優勝。2位はボゴモロワ(ロ)が5秒差の2時間20分47秒。B.ジョンソン(豪)の2時間22分36秒、ペレス(メキシコ)の2時間22分59秒など、新興勢力も現れてきた。前半かっ飛んだトメスク(ルーマニア)が2時間24分25秒、日本の大南博美は25km手前までアデレらについたものの、後半ペースダウンして2時間26分04秒。
アデレのラップ。
16'10-32'43(16'33)-49'28(16'45)-1:06'36(17'08)-1:23'23(16'47)
-1:40'12(16'49)-1:56'44(16'32)-2:13'26(16'42)-2:20'42(7'16)
トメスクの影響か、入りの5kmが速かったが、後は落ち着いたペース。アデレには楽なペースのようだ。潜在能力はこんなものではないだろう。今でも2時間17~18分台では走れそうだ。ベルリンではワミが2時間21分34秒で優勝しているし、エチオピアが本格的にマラソンに参画してくると手強い。
トメスクのラップ
16'04-32'13(16'09)-48'14(16'01)-1:04'30(16'16)-1:21'31(17'01)
-1:38'30(16'59)-1:55'54(17'24)-2:15'04(19'10)-2:24'25(9'11)
これだけのペースで突っ込みながら、35kmまではペースダウンを最小限に抑えているのは高く評価できる。アデレらに抜かれてから急激に失速したと思われる。30kmは野口みずきの世界最高記録1時間38分49秒を上回っており、IAAFのサイトでは世界最高記録の認定待ちということになっている。
大南のラップ
16'10-32'43(16'33)-49'28(16'45)-1:06'37(17'09)-1:23'28(16'51)
-1:41'02(17'34)-1:59'02(18'00)-2:17'52(18'50)-2:26'04(8'12)
大南にしてみれば速いペースだが、この集団についていくしかなかった。前半1時間10分15秒というペースはいい経験になるだろう。
10000m(10月21日)
◇高校
コスマス(山学大付)28分42秒41、岡部(豊川工)29分52秒95、唐川(美方)29分56秒19。
豊川工は他に小柳津30分10秒25、市川30分11秒81、三田30分34秒21で走っている。
◇大学
モグス(山学大)27分44秒94、ギタウ(日大)28分05秒96、北村(日体大)28分18秒40、立命館大の森田が28分47秒82と健闘。
日大は土橋28分52秒57、福井28分54秒14、松藤28分57秒07、秀島29分03秒77など、28分台4人、29分台8人。
日体大は1年の森が28分53秒86をマーク。鷲見29分12秒23など、28分台2人、29分台7人。
◇一般のトップは松村(日清食品)の28分18秒88。
10月21~22日にかけて静岡県草薙陸上競技場で行なわれた東海高校新人陸上。
男子
100mは羽根(藤枝明誠)が10秒76(+1.9m)。2位に東邦1年の後藤が10秒80で入った。決勝8位が10秒91という大混戦。
200mは羽根が2冠を狙うも、100m6位の杉本が21秒96(-1.2m)で優勝。杉本は予選で21秒55(+2.4m追参)、準決で21秒89(-0.1m)。
400mは渡邉(浜松市立)が48秒65、杉崎(沼津工)が48秒72。
800mは粟津(愛工大名電)が1分54秒43の大会新。
5000mは田中(稲生)が中盤から独走し、14分33秒13の大会新。田中は1500mも2位に入っている。
400mHは渡邉(浜松市立)が53秒04、伏見(静岡市立)が53秒76と実力者が順当に入った。
400mRは名古屋が41秒75で優勝。浜松市立が42秒01、宇治山田商が42秒18と続いた。
1600mRは浜松市立が3分19秒71で2位を約4秒差をつけ圧勝。3走には笹瀬を使っている。
棒高跳は高2最高を持つ笹瀬(浜松市立)、5m00の記録を持つ横山(浜松北)がともに欠場。優勝は鈴木(浜松市立)の4m60。
走幅跳は西(名古屋大谷)が7m29(+1.9m)の大会新をマーク。
砲丸投は三浦(伊勢工)が15m15で、これが新しい重さ(6kg)の大会記録となる。三浦はハンマー投でも53m46と6kgでの大会記録となった。
円盤投は小林(沼津東)が47m90。
女子
100mは伴野(浜松市立)が12秒02で優勝。伴野は予選で大会記録となる11秒97(+1.9m)をマークした。
400mは柘植(至学館)が56秒60の大会新。桑名1年の愛敬が57秒30で2位。
800mは400mと掛け持ちの愛敬(桑名)が残り100mでさすがに強く、2分14秒47で優勝。
1500mと3000mは中條(愛知淑徳)が2冠。4分31秒53と9分31秒17はいずれも大会新。
100mHは中川(中京大中京)が13秒94をマークするも、+2.3mで参考記録。しかし予選で14秒12(+1.8m)の大会新を出している。
400mHは肥田(浜松西)が61秒64の大会新。決勝に静岡県勢が6人全員残ったのが特徴的。100mHを制した中川は、400mを走り切る走力がなかったか、予選落ち。一方、肥田は100mHでも4位に入っている。
400mRは伴野を2走に起用した浜松市立が47秒79で逃げ切り、至学館が47秒81で2位。
1600mRは伴野をアンカーに起用した浜松市立が3分53秒47の大会新で2冠。伴野は55秒位のラップで走っていた。2位には三島北も3分54秒60で大会新。
走高跳は河澄(岡崎城西)が1m67で優勝。
走幅跳は吉田(県岐阜商)が5m94(+0.6m)の大会新。
砲丸投で茂山(宇治山田商)が13m33の大会新。
優勝種目数は、男子が静岡8、愛知7、三重4、岐阜1。女子は愛知8、静岡5、三重2、岐阜1。
その他コメントは以下。
男子
中長距離は各県とも駅伝を控えて駅伝有力校は出場を控えている。鶸田(豊川工)が3分58秒96で制したが、駅伝のメンバーではないのかもしれない。
5000mWは23分台の優勝タイムだったが、歩型がまともな選手が非常に少ない。厳密に不正をとれば大半が失格になってしまうのではないか。
走高跳は最近時全国的にレベルが落ちている中、東海も例外に漏れず優勝が1m96と低調。三段跳も14m40で優勝、14m以上が3人だけ。
女子
3000mでは基本的なルールを理解していないことによるトラブルがあった。3000mは出走者23名ということで、1列に並びきれないため、2段階スタートとした。ところが、アウト側の選手が1名、スタート直後にいきなりインコースに入ってしまった。結局4番目にゴールしたのだが、当然ながら失格。後で学校関係者が、説明がなかった(同県では2段階スタートをやったことがないらしい)ことを理由に抗議に来たようだが、国際大会でも頻繁に行なわれているものであり、決して特殊な規約ではない。ルールを周知させるのは指導者側の役割と思うのだが。スタートした時にすぐに止めるという手段ももちろんあるのだが、フライングならともかく、想定していない突飛な行動に、すぐに対処できなかったのが実際のところだろう。
10月21日、東京立川で行なわれた箱根駅伝予選会。
早大が50位以内に10人が入り、10時間06分53秒、2位を5分50秒も引き離す圧倒的な強さで1位通過。
2位には59分33秒で個人1位となった座間を擁する専大が10時間12分43秒で2位。以下、タイムだけで決定される6位までには中央学大、国学院大、神大、明大が入った。
関東インカレポイントが加味される7~9位は次のようになった。
レース 順位 | 学校名 | レースタイム | 減算 タイム | 総合タイム | 総合 順位 |
---|---|---|---|---|---|
7 | 拓大 | 10:17:08 | 0:10 | 10:16:58 | 10 |
8 | 大東大 | 10:18:29 | 1:55 | 10:16:34 | 8 |
9 | 城西大 | 10:18:31 | 2:25 | 10:16:06 | 7 |
10 | 国士大 | 10:20:47 | 3:50 | 10:16:57 | 9 |
11 | 帝京大 | 10:21:02 | 0:30 | 10:20:32 | 12 |
12 | 東農大 | 10:21:15 | 1:35 | 10:19:40 | 11 |
13 | 上武大 | 10:24:42 | 1:05 | 10:23:37 | 13 |
14 | 平成国際大 | 10:27:48 | 2:10 | 10:25:38 | 14 |
15 | 関東学院大 | 10:29:07 | 0:10 | 10:28:57 | 15 |
拓大は何と1秒差で落選。昨年も4秒差の10位で落選しており、合わせてわずか25~30mの差で2度も出場を逃したことになる。一方で国士大は2年連続してインカレポイントの恩恵で本戦出場となった。不公平とか理不尽とか言われようが、ルールは最初からわかっていたこと。駅伝だけに傾注しすぎることに警鐘を鳴らすための制度であり、トラックにももっと力を入れてほしい、もっというと、学校として長距離だけでなくTrack & Field全体を強化してほしいという主旨に反しているのだから仕方ない。学連は長距離だけで成り立っているのではないのだから、金で選手を集め、いいとこ取り(知名度アップ)だけするのは許さないという考えを明確にしたのがこの制度だ。
落選はしたものの、花田監督を迎えて2年目の上武大があと7分弱で予選通過というところまで来たのが注目される。来年は本戦出場権争いに割って入ってくるだろう。
個人成績では、上位には当然ながら圧勝した早大が目立つ。これだけの戦力をもってすれば上位争いに食い込むポテンシャルは十分にある。これでシード権がとれなかったら渡辺監督個人の指揮管理能力が問われる。
10月15日、新潟ビッグ陸上フェスタが新潟スタジアムで行なわれた。
その中で、女子4×100mRで日本歴代2位となる44秒10を記録。オーダーは北風沙織、高橋萌木子、中村宝子、信岡沙希重。高校生を2人起用し、今までにない斬新なメンバーでのこの好記録には日本記録更新の可能性を感じる。
その他、女子400mでは丹野が52秒72、久保倉が53秒30。100mHで国体で池田久美子に肉薄した石野(長谷川体育施設)が13秒29(-0.5m)と好調。
男子では10000mでJ.M.ダビリ(小森コーポレーション)の28分16秒26の後、大森(四国電力)が28分16秒32で健在をアピール。走高跳では土屋(筑波大)が2m20をマーク。土屋はその後2m27にバーを上げたが3回失敗。
10月14日に静岡のエコパスタジアムで行なわれた静岡県長距離記録会。
女子3000mで小林祐梨子が自らの持つ高校記録(8分52秒33)および福士が持つジュニア日本記録(8分52秒3)に挑戦したが、8分52秒77とわずかに及ばなかった。(写真はその時の写真判定の画像)
レースは最初からE.ワンボイ(ユタカ技研)と小林の2人が飛び出す展開。1000mを2分55秒で通過。小林はワンボイにぴたりと付け、2000mは5分55秒で通過。高校記録更新への期待が高まる。ところがワンボイがペースをなかなか上げず、しびれを切らした小林がついに前に出てペースアップを試みる。残り1周で高校新は確実、8分50秒を切るかどうかというところまで来ていたのだが、ラストでワンボイがスパートした時に小林は着いていけず、結局ワンボイは8分49秒39でゴールしたものの、小林は自己の持つ高校記録にもわずか及ばなかった。しかしとてもいいレースを見せてもらえた。居合わせた他校の生徒もみんなでトラックの周りを囲んで応援し、隣のエコパアリーナで行なわれていた安室奈美恵のコンサートよりも、ある意味盛り上がったかもしれない。
小林があまりに次元が違うレースをしていたので全く目立たなかったが、このレースには須磨学園が9名走り、小林以外にも2年の広田が9分09秒89、村岡9分12秒14、永田9分15秒42と駅伝上位行でもエース級のタイムで走り、更に9分27~33秒台で5人が走っていた。その中で、遠路福井から出場した松見(美方高)が9分19秒05をマークした。
男子は最終レース10000m第4組でM.ムリギ(トヨタ自動車)が独走で27分40秒27。2着S.ガンガ(JAL AGS)も28分を切って27分59秒53。
5000m最終組では3位にインターハイ1500m7位の大石(富士東)が14分19秒69。静岡県の日本人高校生としては4年ぶりに14分20秒を切った。藤枝明誠高は、14分29秒89の近藤を筆頭に、14分43秒、46秒、47秒、52秒が2人、56秒とこの記録会だけで7名が14分台をマーク。今年の記録では9人が14分台を記録しており、久々に全国で一桁順位をうかがえる戦力となってきた。
期間が長いですが、少しずつ更新していきます。
成年男子
100mは末續が10秒29(+0.4m)で圧勝。
400mは向井が45秒68の好記録で好調堀籠をラストで差した。しかし堀籠の45秒89も好記録。3位は400mH選手の成迫が46秒51で入った。
110mHは内藤が-1.5mの風の中、13秒59はなかなかの記録。TV解説の尾縣さんがしきりに言っていたように、ハードル間のインターバルが、これまで日本人にはなかなかできなかった足を後方に流さない走りが特徴。日本記録更新の力は十分にある。
400mHは成迫が49秒19、杉町マハウが49秒62、河北49秒87までが50秒を切った。
棒高跳は澤野がポカをやらない限り優勝間違いないのだが、やはり優勝で5m65。5m85に上げて日本新を狙ったが3回失敗。すれすれの跳躍もなかったが、強風で跳躍が難しかったか。
走幅跳はTVでも紹介があったが、荒川(大阪陸協)が7m92(+0.5m)、藤川(筑波大)が7m91(+0.7m)、しかも6回目で逆転と見ごたえがあった。欲を言えばコンディションが良かったので8m超えてもらいたいのだが。
成年女子
100mは小島が11秒66(+1.0m)、次いで北風(浅井学園大)が11秒72。
400mは丹野が短期間で復調してきて52秒65の大会新。5位まで福島大関係者とか。今季丹野に土をつけている久保倉は前半積極的に行ったが53秒50の2位に終わった。
800mは陣内(佐賀大)が2分04秒92、吉田真紀子が2分06秒24、西村は2分06秒30で3位。
110mHは池田と石野(長谷川体育施設)が13秒24の同タイムながら着差ありで池田が優勝。向風1.2mでの記録なので、石野の力も大したものだ。池田がこのレースで脚を痛めたらしく、走幅跳を欠場したのは残念。
砲丸投は豊永が16m22、美濃部(静岡・筑波大)が14m66で2位。
やり投は海老原(国士大)が55m73の大会新。
少年A男子
100mで江里口(熊本・鹿本)が10秒37(+1.5m)。
400mは我孫子(山形・上山明新館)が46秒97(たぶん今季高校生で唯一の46秒台)。
5000mは4000mまで善戦したものの、やはり最後は留学生。コスマス(山学大付)の13分50秒26は留学生の優勝記録としては平凡。日本人1位は八木(西脇工)で14分01秒97。今年は日本人高校生の13分台は出ていないのでは?
棒高跳で先日5m26の高2最高を出した笹瀬(浜松市立)が5m31と更に記録を伸ばし、高校歴代単独2位。まだ2年生だけに、5m40の高校記録も視界に入ってきた。
三段跳は塩見(玉野江南)が15m31(+1.1m)。
やり投は清水(旭川龍谷)が67m11。
砲丸投は福島(大社)が16m84。インターハイ優勝の宮田(東京学館船橋)は15m45でベスト8にも残れず。
少年B男子
200mは田嶋(白河旭)が-1.3mの風の中、21秒71。
走幅跳の田中(大阪・大和川)の7m43(-0.2m)は高1歴代2位の好記録。
少年A女子
注目の100mは高橋(埼玉栄)が11秒66(+0.7m)の大会タイ、中村(浜松西)が11秒78、福島(帯広南商)が11秒88。以下5位まで11秒台。中村は準決勝を11秒77で走っている。
400mはインターハイ優勝の田中(筑紫女学園)を渡辺(長岡)が破った。記録は54秒08、2位田中は54秒84、3位には飯尾(浜松西)が55秒23で入った。
1500mは小林が順当に圧勝。4分15秒53のタイムでも2位ドリカを5秒以上離した。しかし小林は何と3000mでは体調不良とかで予選DNS。ドリカ(山学大付)が9分04秒16で優勝をさらった。
400mHは田子(久喜)が59秒52の他、3着までが60秒を切った。
三段跳は本田(成田)が12m54、橘(松山北)が12m48。
やり投と円盤投はそれぞれ50m87、43m15で助永(太成学院大高)が2冠(やり投は少年共通)。
少年B女子
200mは紫村(筑紫女学園)が24秒60(+0.6m)、今井(愛知・至学館)が24秒61、伴野(浜松市立)が24秒72。今年の高校女子スプリントは3年生が目立ったが、1年生もレベルが高い。
800mは全日中で転倒して優勝を逃した鈴木(豊城中)が勝ったが、記録は2分12秒62。
100mHは島田(添上)が13秒94(-0.9m)の好記録、と思いきや、高さが76cmの中学用。しかもハードル間は一般用の8.5m(中学は8.0m)と中途半端なことこの上ない。こういう中途半端な競技を行なう必要があるのだろうか。高校生は国体のためだけに低いハードルで練習しなければならず、中学生も卒業後につながらない。
3000mWは3位まで大会新で、優勝は谷本(石川・鶴来)で14分34秒56。
走幅跳で中野(兵庫・長田)が6m05(+1.2m)。中野は昨年の全日中3位の選手で中学時代は5m67。今年の総体で2位。
少年共通女子
走高跳は三村(大阪・太成学院大高)が1m75、同記録で藪根(近大高専)が2位。
棒高跳は仲田(西条農)が3m80。
砲丸投は鈴木(東京)が14m40、大谷(添上)が14m30でいずれも大会新。
400mR
男子は熊本が39秒78で優勝。末續を擁するとはいえ、高1(あるいは中3)を起用しなければならない国体特有のオーダーでのこの記録は好記録。2位千葉の39秒86もすごい。
女子も好記録で地元兵庫が45秒04の大会新。2位埼玉はわずか1/100秒差。
記録的にパッとしなかったものも残念ながら少なくない。
成年男子
1500mは小林が3分57秒32で超スローペースを制した。TV中継で見たところ、71-69-56-41というようなラップだったようだ。
3000mSCは加藤(トヨタ自動車)が勝ったが記録は8分51秒25。
少年A男子
800mは消極的なのか力がないのか、1分52秒62で1位。
400mHも今年は特に低レベル。52秒82が1位で、しかも52秒台は唯一人。
走高跳は優勝が2m09、6位が2m03と寂しい。
ハンマー投の優勝記録は61m58。約350g軽くなったのにこの記録では寂しい。
少年B男子
3000mは8分31秒34。中学生ならともかく今の高校1年生で8分30秒以上はないだろう。昨年の三田(豊川工)の8分13秒94は速過ぎとしても、遅くとも8分20秒台前半では行ってほしい。今季序盤で既に5000m14分10秒台で走っている上野(仙台育英)も8分35秒かかっている。ちなみに私が高1の時の優勝タイムは8分24秒台だった。唯一注目するとすれば、2位に須磨学園の選手が入っていることだろう。須磨学園は近いうちに西脇工・報徳の兵庫県両横綱の間に割って入る存在になる可能性を秘めている。
成年女子
5000mは杉原(パナソニック)が15分41秒86。
早いものでもう18回目。第1回が1989年というから、私が大学を卒業した翌々年度から始まったことになる。地区選抜チームを除けば、単独校で連続出場を続けているのは中央大と京産大の2校のみと意外に少ない。
前評判では東海大だが、箱根優勝の亜大がどこまで戦力が整っているか、駒大の巻き返し、大砲のいる山学大、日大、戦力が安定している順大、日体大、中大、東洋大などを注目して見た。
1区で日体大が1分18秒遅れの15位、山学大が1分27秒遅れの17位と早くも致命的な遅れ。順大もこの2校ほどではないが36秒遅れの10位と8km区間としては出遅れ。東海大は終盤疲れたものの14秒差でまだ射程内。
2区は東海大の杉本の追い上げは素晴らしかった。6人抜きで一気に首位へ。昨年も1区4位と好走しているが、箱根では1区15位。3区で伊達に渡り、順調に後続を引き離していくあたりから勝負への関心は薄らぎ、最終区も佐藤と日大のダニエルが1分11秒差では逆転不可能。
以下、主要校別のコメント。
1位東海大は文句なしだが、6区佐藤の実力はあんなものではないはず。日本人でも日体大北村に負けている。気になるのは独走だとあまり力を発揮できない点。チームとしては2、3年だけでこの力というのは底知れない。
2位日大は1区土橋が区間8位。結局4年間鳴かず飛ばずで終わってしまうのか。6区ダニエルは東海大佐藤を32秒追い詰めたが、20km超の長丁場は走れるだろうか。それよりD.サイモンは一体どうなってしまったのか、そちらの方が気になる。
3位東洋大はトラックの記録の割に安定しているのは充実した練習ができている証拠。全日本、箱根も期待できる。
4位日体大は1区15位からよく持ち直したが、1区の鷲見は4年生なんだからいい加減大人のレースをしてもらいたい。
5位駒大はトラックの記録だけなら13分台がメンバー中5人と最強なのだが、昨年までと比べて戦力ダウンは否めない。期待の宇賀地も区間9位と長距離への移行が不十分と思われる。今回走らなかった高井ももう4年生。日大土橋同様、平凡な選手で終わってしまうのか。
6位第一工業大は6区間中3区間が外国人と、外国人の人数制限がないのをいいことに相変わらずの布陣だが、それでも日本人区間が区間5位、13位、9位とそれなりにまとめている。
7位法大、8位亜大は、箱根までには仕上げてくるだろうが、この大会はほとんど重視していない感じ。あまり参考にならない。
9位順大も同様だが、超大物がエントリーすらしていないのが気になるところだろう。有力な情報筋によれば、退部こそしていないが地元に帰ってしまったとか。ちなみに同じ高校出身では順大と中大にも出ているが、いずれもパッとしない。
10月8日、ハンガリーのデブレツェンで開催。この大会は昨年まで行なわれていた世界ハーフマラソン選手権を改編。今年は20kmで行なわれるが、大会毎に距離や形式を変えてもいいらしい。駅伝形式も可とのこと。ちなみに2007年はイタリア、2008年はブラジル開催が決まっているが、いずれもハーフマラソンでの実施が決まっている。
女子20kmはオランダのキプラガトが63分21秒の世界新で優勝。2位には同じくラドクリフの持っていた世界記録63分26秒を上回る63分23秒を出したトメスク(ルーマニア)。3位はヤプトゥー(ケニア)が63分47秒。
レースは5kmを15分34秒(この時点で世界記録より27秒上回る)で通過した後、10kmを31分11秒(15分37秒)で通過。世界記録を49秒も上回っていた。15kmを47分10秒で通過したので、この5kmは15分59秒かかり、世界記録との差は34秒に縮まっていた。なおもペースダウンし、残り5kmを16分11秒かかりながら辛くも世界記録を5秒上回った。
日本人は福士が6位で65分32秒。先日の10000m30分台の疲れが残っていたか。中村友梨香(天満屋)が65分36秒で7位、木崎良子(仏教大)は67分52秒で19位、坂田昌美(京セラ)は68分13秒で20位。
団体(上位3人)ではケニアが3時間15分55秒、エチオピアが3時間18分50秒、日本が3時間19分00秒で第3位。
男子の方は、アテネ五輪10000m銅メダルのタデッセ(エリトリア)が56分01秒で優勝。5km14分05秒、10km27分55秒(13分50秒)、15km41分47秒(13分52秒)までは世界新を狙えるペースだったが、残り5kmで14分14秒かけてしまい、ゲブルセラシエの持つ55分48秒の世界記録には及ばなかった。
日本人は家谷(山陽特殊製鋼)の27位、59分56秒が最高。以下戸村(九電工)が32位で60分24秒、井幡(愛三工業)が35位、60分30秒、道方(JFE)が59位、62分29秒、下里(日産自動車)は65位、63分03秒といずれも不振に終わった。
チームではケニアが2時間51分18秒で1位、2位はエリトリアで2時間53分19秒、エチオピアが2時間54分17秒で3位。以下、カタール、ウガンダ、米、仏と続き、日本は3時間00分50秒で8位に終わった。一線級が出ていないとはいえ、大学生でもハーフ62分台で当たり前に走る時世に60分を切れないようでは、派遣する意味を問われてしまう。
9月30日~10月1日にかけて大分・九州石油ドームで開催。
男子
200mで末續が20秒36(+0.6m)、大前(富士通が20秒74)。
400mで堀籠(富士通)が45秒88。先日のスーパー陸上に続く45秒台。
1500mはマサシ(スズキ)が3分38秒57の後、小林が3分38秒95で続いた。村上(富士通)が3分40秒01、田子(中国電力)が3分40秒67と小林に続き3分40秒を切れそうな選手が出てきた。
110mHは内藤(ミズノ)が13秒73(無風)。
400mHは河北(石丸製麺)が49秒17、杉町カマウ(日本ウェルネス)が49秒64、吉形(三洋信販)が49秒83。
円盤投は畑山(ゼンリン)が55m10。
女子
200mは信岡(ミズノ)が23秒62(+1.0m)。
800mは杉森(京セラ)が2分03秒52。
1500mはワゴイ(スズキ)が4分12秒44、杉森が4分12秒54、吉川(パナソニック)が4分14秒57。
5000mはW.KEBASO(デオデオ)が15分18秒60。日本人トップは5位の那須川(アルゼ)が15分23秒00。
10000mで福士(ワコール)が国内日本人最高となる30分57秒90。今季世界9位。
100mHは池田(スズキ)が13秒25(0.0m)で優勝。池田は走幅跳も6m44と本人としては低調ながら2冠。
400mHは久保倉(新潟アルビレックス)が56秒24。吉田(ナチュリル)は今回も久保倉に破れ、57秒66。久保倉は400mも53秒66で制し、2冠。
3000mSCで森(第一生命)が10分07秒65。早狩に続く10分切りが目前となった。
5000mWで坂倉(登利平)が21分36秒41。
走高跳は青山(吹田第一中教)が1m87。
ハンマー投で綾(丸善工業)が65m48。円盤投は室伏(ミズノ)が52m60。
9月30日~10月1日にかけて静岡県草薙陸上競技場で開催。
男子棒高跳で笹瀬(浜松市立)が5m26の高2最高、東海高校新を出したのは別エントリーの通り。
笹瀬は父親が浜松工、日体大で棒高跳で活躍した選手で、スプリント種目からマイルリレーまで精力的にこなす選手。
2位には総体5位の横山(浜松北)が4m90で入っている。以下、来年に向けて期待のできる記録を中心に。
男子
羽根(藤枝明誠)が100m10秒74(+0.6m)、200m21秒68(+0.0m)で2冠。200mで2位に入った伊堂(浜松商)は1年生ながら21秒89をマーク、100mでも10秒97で2位。
400mは渡邉(浜松市立)が48秒91。渡邉は400mHでも雨天の中53秒46で優勝。400mHでは7月の県選手権で2年生ながら52秒67をマークしている。ハードリングは荒削りながら5台目くらいまで13歩で行けるのが強み。400mH2位の伏見(静岡市立)の54秒29もまずまずだが、実はこの選手は1年時に53秒60で走っていてやや物足りない。
400mRは浜松市立が笹瀬を1走に起用して42秒25で優勝。浜松市立は1600mRも3分21秒50で制してリレー2冠。
三段跳は山崎(浜松市立)が14m92(+0.9m)。
円盤投は小林(沼津東)が45m32。やり投は杉本(藤枝明誠)が59m65。
女子
100mは佐野(富士見)が12秒10(+1.1m)で優勝、2位伴野(浜松市立)も同タイム。
中距離は三郷(常葉学園菊川)が800m2分16秒65、4分29秒15で2冠。三郷は父親が1982年のインターハイで確か2位だったと思う。800mでは1周目69秒のスローペースながらラスト100mからの爆発的なスパートで後続を2秒近く離した。
ハードルは肥田(浜松西)が100mH14秒48(+2.2m)、400mH62秒60で2冠。肥田は中1の時に一般用のハードルで15秒84で走っている。
400mRは浜松市立が48秒22。
走高跳は大城(浜松商)が1m63。オープン種目ではあるが棒高跳で尾上(磐田農)が3m51。
まあそれなりに好記録は出ているのだが、陸上王国の名を欲しいままにしてきた約20年前以前と比べると、全国レベルの記録が少なくて寂しい。特にフィールド種目の低迷ぶりには目を覆うばかり。その中で浜松市立の活躍が目立つが、実はこの学校はずっと女子高で昨年から共学化した学校。当然男子は2年生までしかいない。監督は浜松商業で数々の名選手を輩出してきた杉井将彦先生。
9月30日、静岡県草薙陸上競技場で行なわれた静岡県高校新人陸上第(1日目)の男子棒高跳で、笹瀬弘樹(浜松市立高2年)が5m26の高2最高記録をマークした。1997年に澤野大地が記録した5m25を9年ぶりに更新。
この日は競技役員として写真判定室におり、棒高跳はバックストレート側なので遠目ではあったが、跳躍の瞬間をしっかり見ることができた。バーにわずかに触れながらもしっかり留まった。
その他の種目については明日最終日が終わってから。
テレビ中継があったので、その雑感も交えてレポート。
男子
100mはフライング1回の後、パウエルがフライングで失格。少し納得いかない表情。ちなみに女子100mでもフライングの失格があった。どうも日本のスターターは「用意(set)」からスタートまで正確に2秒という風潮がある。選手にとって読みやすい(ヤマをかけやすい)し、最近の世界の潮流はもっと早くて、しかもレースごとに微妙に間隔を変えている。
優勝は末續で10秒12だったが、+2.2mの追参。2位に塚原(東海大)が10秒26で入った。ところで山縣アナ、追参なのに末續選手のインタビューで世界陸上A標準突破とか言わないでもらいたい。高校時代陸上やってるはずなのに何でど素人みたいなこと言うんだろう。
400mは堀籠(富士通)が45秒77の自己新。金丸は46秒05に終わった。高校時代からの勢いに陰りが見えた今、正念場かもしれない。為末は今季ベストだったが46秒41に留まった。
110mHは内藤(ミズノ)が13秒61(-1.3m)。向い風でのこの記録はまずまず。
400mHはクレメントが48秒36で優勝。10台目まですべて13歩で行ってすごいのだが、逆足での踏切が極端に苦手なのだろう。400mHにおいて左足踏切はレーンの外側を走らなければならない。また、右足踏切は左足着地なので、左足を軸に腰の回転でコーナーを曲がっていくので速度が落ちにくいが、右足着地だと腰の回転と逆方向に曲がっていくために十分な加速が得られず失速してしまうので、絶対的に不利である(文字だけだとちょっと説明しにくい)。
ハンマー投は全般的に記録低調に終わったが、その中でも室伏が徐々に修正し、最終的には81m00を投げた。サークルの滑りが悪く、各投擲者とも回転スピードが上がっていないように見えた。2位ティホンは78m31。
走高跳で2m27を跳んで優勝したホルム(スウェーデン)の跳び方は特徴的だ。腰がバーを越えるやいなや、腹筋運動のように上体を起こし、その反動で腰を落とし、脚を一気に振り上げる。体は越えているのに脚で引っ掛けることを回避できるクリアランスだが、自分がバーに対してどの位置にいるのかよほど正確に掴めないとできない。素晴らしい技術だ。
エキシビジョンマッチとして行なわれた棒高跳は澤野が5m70で優勝。5m85は3回とも失敗。2005世界選手権銀メダルのウォーカー(米)は5m50を3回失敗してしまった。
女子
1500mで小林が4分07秒86の日本新(1/100秒更新)。ラスト400m通過するときにわざわざ「鐘」を映さないでもらいたい。見たいのは残り400mを通過するタイムなのだから。優勝はジェミーソン(豪)が4分05秒82。
400mHはラブチェニク(ウクライナ)が55秒80、久保倉(新潟アルビレックス)が56秒19の日本歴代2位。世界選手権のB美標準も突破。吉田(ナチュリル)は57秒30。日本記録55秒89から3年経過し、新旧交代をうかがわせる。
走幅跳は池田が1回目に6m81(-0.2m)を跳んで快勝。2,3回目にも6m70を跳び、好調の様子だったが、4回目でちょっとバランスを崩し失敗試技。ここで脚を痛めたか、5,6回目をパス。2位は花岡で6m43。
棒高跳はイシンバィエワが4m72で優勝したものの跳躍は苦労していた。解説者は「助走スピードが云々」と言っていたが、ポールのボックスへの突っ込み方が悪かったのだと思う。ボックスの傾斜部分にポールの先端が着いてから、滑るようにボックスの奥に刺さるのが良い突っ込み方であるが、今日のイシンバイェワはボックス内でポールの先端が弾んでいた(音でわかる)。これではポールが立ってくれない。ところでこの大会ではどの試技も2cmという端数がついているのだが、何故だろう?5m02の世界記録を意識してのことだろうか。
その他の種目は以下。
男子
1500mはL.ニモ・ヌディワ(ケニア)が3分40秒11、J.ムワンギ・(ケニア・トヨタ自動車)が3分40秒63、小林は3分41秒01で3位。
三段跳は金徳現が16m88(+0.8m)。杉林(チームミズノアスレティック)は16m08(-0.1m)に終わった。
やり投げはゼレズニーの引退試合になるはずだったが、早々に欠場表明し、優勝はR.マタス(エストニア)で80m53。村上(スズキ)は76m09に終わった。
女子
100mはシンプソン(ジャマイカ)が11秒15(-0.8m)。日本人1位は北風(浅井学園大)が11秒78、信岡(ミズノ)は11秒86に留まり、期待の高校生は高橋(埼玉栄)が11秒89、中村(浜松西)は12秒09と力を発揮できなかった。
400mはアマーティル(バハマ)が50秒68、故障からまだ復調できていない丹野は53秒54に終わった。
やり投はシェルウィン(デンマーク)が62m68。日本人1位は海老原(国士大)で55m11の3位。
9月24日に行なわれたベルリンマラソンでハイレ・ゲブルセラシエ(エチオピア)が今季世界最高の2時間05分56秒で優勝。35kmまでは世界新を狙えるペースだったが、終盤やや失速したのが惜しまれる。20度を超える高温が記録更新を妨げたかもしれない。ペースメーカーは30kmまでと思われる。最大のライバルであるコリル(ケニア)は20km手前ですでに遅れ始め、26kmでリタイヤし、競争相手にも恵まれなかった。2位はシェンタマ(エチオピア)で2時間10分43秒。3位に梅木が入ったがタイムは2時間13分43秒。
女子はワミ(エチオピア)が自己ベストとなる2時間21分34秒で優勝。2位はコスゲイ(ケニア)が2時間23分22秒。
ゲブルセラシエのラップ
5km14分44秒、10km29分55秒(15分11秒)、15km44分51秒(14分56秒)、20km59分30秒(14分39秒)、中間点1時間02分46秒、25km1時間14分19秒(14分49秒)、30km1時間29分06秒(14分47秒)、35km1時間43分37秒(14分31秒)、40km1時間58分57秒(15分20秒)、ゴール2時間05分56秒(6分59秒)
ワミのラップ
5km17分01秒、10km33分47秒(16分46秒)、15km50分22秒(16分39秒)、20km66分41秒(16分19秒)、中間点1時間10分22秒、25km1時間23分14秒(16分33秒)、30km1時間40分09秒(16分55秒)、35km1時間57分00秒(16分51秒)、40km2時間14分13秒(17分13秒)、ゴール2時間21分34秒(7分21秒)
9月23日、上海で開催。
男子
100mはゲイが欠場、ブランソン(米)が10秒03(+0.4m)優勝。10秒09のスコット(米)を破った。3位に入ったスペアモンが10秒11で自己新というのは意外。
1500mはチョゲ(ケニア)が3分33秒01で制し、ケネニサ・ベケレは3分33秒13で2位。専門種目でないとはいえ、同じく5000mを得意とするチョゲに負けたのは痛い。
110mHは劉翔が13秒07(+0.1m)。ワールドカップで劉翔を破ったアレン・ジョンソンは13秒09の2位。
走高跳はリバコフ(ロ)が2m33のシーズンベスト。
女子
100mはフェリックス(米)が11秒17(-0.7m)。400mはN.ウィリアムズ(ジャマイカ)が49秒63。
5000mはT.ディババが14分55秒63、1/100秒差で20歳のG.ブリカ(エチオピア)が入った。
100mHは今季世界1位のペリーが12秒60(+1.7m)。
400mHはイサコワ(ロ)が53秒98、ローズ・ウィリアムズ(米)が54秒26。
3000mSCはツラワ(ベルラーシ)が9分29秒68で勝ち、早狩が9分45秒77で5位に入って世界選手権A標準突破。
棒高跳はリシッヒ(独)が4m51
男子
100mはゲイ(米)が唯一人9秒台となる9秒88(+1.1m)。オビクウェル(ポルトガル)が10秒09。
200mはスピアモン(米)が19秒87(+0.1m)の大会新。ボルト(ジャマイカ)が19秒96で2位に入り、3位に末續が20秒30で入った。今季20秒01で走っているオビクウェル(20秒36)を破ったのは価値あり。
3000mはモットラム(豪)が7分32秒19(大会新)で、7分36秒25に終わったケネニサ・ベケレを破る大金星。
110mHは35歳のアレン・ジョンソンが何と12秒96(+0.4m)の快記録で大会新。劉翔(13秒03)を撃破。3位はロブレス(キューバ)で13秒06。
400mRは米国が37秒59の大会新。欧州が38秒45で2位、アジアが38秒51で3位に入っているが、オーダーは塚原、末續、高平、小島の日本選手で構成。
三段跳はデーヴィス(米)が17m54。
棒高跳は今季5m96を跳んでいるフッカー(豪)が5m80、澤野が5m70までノーミスで2位に入った。5m80を2回失敗したところでパスし、5m85の1回に賭けたが失敗。
ハンマー投は室伏が82m01で優勝。
女子
400mはリチャーズ(米)が今季世界最高の48秒70。2位以下は50秒を切れず、圧勝。
3000mはT.ディババが8分33秒78の大会新、ホイェツカ(ポーランド)が8分39秒69、日本の福士は8分44秒58で5位、自己の持つ日本記録にわずか0.18秒及ばず。福士は1500mを4分1桁で走るスピードは十分にあると思われる。1500mで今季世界1位のチジェンコ(ロ)は8分59秒67で7位に終わった。
5000mはデファールが14分39秒11の大会新で圧勝。福士が15分06秒69で3位に入った。
3000mSCはツラワ(ベルラーシ)が9分29秒10の大会新。早狩は9分49秒49で7位。世界選手権A標準(9分48秒00)にあとわずかで到達できなかった。
400mRは米大陸選抜チームが42秒26。オーダーはベイリー(ジャマイカ)、ファーガソン(バハマ)、マザーシル(ケイマン諸島)、シンプソン(ジャマイカ)。2位は単独チームのロシアで42秒36。
1600mも米大陸選抜が3分19秒84で優勝。S.ウィリアムズ(ジャマイカ)、ウィリアムズ・ダーリング(バハマ)、アマーティル(バハマ)、N.ウィリアムズ(バーレーン)のオーダー。
三段跳でレベデワ(ロ)が15m13の大会新。デヴェツィ(ギリシャ)が15m04。
円盤投はディーチュ(独)が66m07で圧勝。
ハンマー投はスコリモフスカ(ポーランド)が75m29の大会新。リセンコ(ロシア)は74m44の2位に終わった。
その他の種目は以下。
男子
400mはウォリナーが出ないレースでメリット(米)が44秒54、キカヤ(コンゴ)が44秒66。
800mはカメル(バーレーン)が1分44秒98、ソム(オランダ)が1分45秒13、ムラウジ(南ア)は1分45秒14で3位に終わった。
1500mは超スローペース。400mを67秒04で通過、800mは2分19秒20(この1周は72秒16もかかった)、3周目に入ってようやくペースアップして、1200mを3分15秒9あたりで通過、ラスト300mを36秒7(!)でカバーして優勝したキプチルチル(ケニア)のタイムは3分52秒60。ラスト1周は何と49秒4!
5000mはシャヒーン(カタール)が13分35秒30。3000mSCもシャヒーンが8分19秒09(大会新)。シャヒーンは来年の世界選手権では3000mSCと5000mの2冠を狙うとか。
400mHはクレメント(米)が48秒12、ヴァンジル(南ア)が48秒35、プラウゴ(ポーランド)が48秒76。
1600mRは米国が3分00秒11、米大陸を0.03秒差でかわした。
走幅跳はサラディノ(パナマ)の順当勝ちだったが、8m26と低調。
走高跳は今季2m34を跳んでいるヤンク(チェコ)が2m28で制した。今季2m37で世界1位のシルノフ(ロ)は2m24の2位に終わった。
砲丸投はバーテルス(独)が20m67で勝ち、ホッファ(米)は20m60で2位。
円盤投はアレクナ(リトアニア)が寄せ付けず67m19で優勝、やり投はトルキルドセン(ノルウェー)が87m17。
女子
100mはシンプソン(ジャマイカ)が唯一人10秒台の10秒97(+0.1m)、2着はエドワーズ(米)で11秒19。
200mはリチャーズ(米)が22秒23(-0.2m)。
800mは今季世界3位のカラタユード(キューバ)がスローペースを制して2分00秒06で優勝。今季世界1位のジェプコスゲイ(ケニア)が2分00秒09。
1500mはジャマル(バーレーン)が4分00秒84。トマショワ(ロ)は4分02秒45で2位。
100mHはフォスター・ヒルトン(ジャマイカ)が12秒67(-0.6m)。
400mHはペチョンキナ(ロ)が53秒88、今季世界ランク1位のディーマス(米)は54秒06で2位。ポーランドのエシェンが54秒48。
走幅跳はコロチャノワ(ロ)が6m78。
走高跳はスレサレンコ(ロ)が1m97で優勝、同記録でエルボー(ベルギー)が2位。
棒高跳はイシンバイェワ(ロ)が大会新で優勝するも記録は4m60。既に優勝を決めた後の4m80は3回とも失敗に終わった。
やり投はネリウス(独)が63m37、砲丸投はヴィリ(ニュージーランド)が19m87。
9月17日、群馬県立敷島公園陸上競技場で開催。
男子800mは下平(早大)が復調し、1分48秒52で優勝、笹野(富士通)1分48秒77、口野(日体大)1分48秒88と続いた。
女子200mは高校総体Vの中村宝子(浜松西)が23秒98(-1.3m)。中村は総体前にも-0.5mの風で23秒91で走っているが、更に条件が悪い中でも23秒台。信岡(ミズノ)は決勝を棄権。
女子400mHは久保倉(新潟アルビレックス)が56秒45で世界選手権のB標準を突破。日本歴代2位。
その他の種目は以下。
男子
200mは長谷川(筑波大)が21秒20(-1.1m)。奥迫21秒36、宮崎21秒41と続き、為末が21秒46で4位。
1500mはムワンギ・ムリギ(トヨタ自動車)が3分43秒55、井幡(大塚製薬)が3分47秒30。
3000mSCは岩水が8分35秒09。同じトヨタ自動車の加藤が8分37秒25。加藤はこれまで8分47秒58がベスト。岩水に続く存在となるか?
走幅跳は荒川(大阪陸協)が7m73(+0.8m)。
砲丸投は台湾の張銘煌が18m95、畑瀬(群馬綜合ガード)が17m48。
円盤投は畑山(ゼンリン)が53m99。
女子
800mは西村(東京高校ク)が2分05秒90。
走高跳は青山(大阪陸協)が1m83、同記録でハニカット陽子(日体大AC)が2位。
砲丸投は豊永(香川・生光学園)が16m11、円盤投は室伏(ミズノ)が54m18。
アテネで行なわれているIAAFワールドカップで、アジア代表の室伏が82m01の今季ベストで見事優勝、9点を獲得!
2位にはティホン(ベルラーシ、欧州代表)が80m00で入った。
W杯は9つの国と地域の代表にて争われる。アフリカ、アメリカ大陸、アジア、欧州、オセアニア、米国、ホスト国のギリシャに加え、ヨーロッパカップ上位国から男子はロシアとフランス、女子はロシアとポーランドが単独チームで加わる。
9月10日、ロッテルダムで行なわれたハーフマラソン。
タデッセ(エリトリア)が、前年ワンジル(トヨタ自動車九州)が出した59分16秒のコースレコード(当時世界記録)と同記録をマークし、優勝。14分02秒-27分55秒(13分53秒)-42分07秒(14分12秒)、56分17秒(14分10秒)、残り1.0975kmを2分59秒。ラスト3kmは2'44,2'43,2'42でカバー。2着はキプチュンバ(ケニア)59分28秒。
女子はヤマウチ(英)が1時間10分38秒。3着に馬目(しまむら)が1時間12分50秒で入った。
9月9~10日にかけて、平塚で開催。
この大会の位置付けが中途半端で、種目によってはすごく低レベルだったりする。
男子
100mは塚原(東海大)が10秒25(+1.1m)の大会新。
200mは長谷川(筑波大)が20秒91を出すも+2.2mで追参。
110mHは岩船(東海大)が13秒85(+0.9m)の大会新。
棒高跳は1位浅野(関学大)、2位川口(筑波大)、3位柏木(日体大)とも5m20。
円盤投は秋本(筑波大)が51m57。
女子
200mは成瀬(日女体大院)が24秒10(+1.3m)。成瀬は400mも55秒19で勝ち、2冠。
走高跳は松本(中京大)が1m76。
走幅跳は桝見(福岡大)が追風2.3mの参考記録ながら自己記録を超える6m48。公認は6m24。
桝見は三段跳でも追風参考(+2.4m)ながら13m11(自己記録と同記録)で制し、2冠。
円盤投は鈴木(国士大)が48m39。
9月9~10日、ドイツのシュツットガルト、新装のグリーントラックでファイナル戦。
男子ハンマー投で室伏が1投目に81m42を投げ、そのまま逃げ切り優勝!ティホンが30cm差の2位。3位パルシュ(ハンガリー)は80m41だが、まだ24歳。今年81m35をマークしている。
女子
100mはシンプソン(ジャマイカ)が唯一10秒台の10秒89(-0.2m)。後は米国勢が続き、今期世界9位の記録しか出していないエドワーズが11秒06、フェリックスが11秒07。
200mはフェリックス(米)が22秒11(+0.6m)。今季22秒00の世界1位をマークしているシンプソン(ジャマイカ)は3位に終わった。
400mはリチャーズ(米)が唯一人50秒を切る49秒25で快勝。
100mHはペリー(米)が12秒52で勝ったが、4位までが12秒5台の混戦。
400mHは今季世界ランキング1位のディーマス(米)が53秒42。
ハンマー投はハイドラー(独)が75m44で制したが、リセンコをはじめ、強いロシア勢は出ていない。
やり投はシュポタコーヴァ(チェコ)が66m21のチェコ新で1位。
男子
100mはパウエルが9秒89(+0.9m)、スコット(米)が9秒91、ゲイ(米)が9秒92。スコットはリアクションタイム0.109秒ということから、ヤマをかけた可能性がある。
200mはゲイが19秒68(-0.1m)、スペアモンが19秒88と米国勢がワンツー。今期世界1位のカーターは出場していない。
400mはウォリナーが44秒02で順当勝ちだったが、コンゴのキカヤが44秒10のアフリカ新、メリット(米)が44秒14と接戦。
110mHは世界記録保持者、劉翔が12秒93で快勝、しかも-0.6m。2位、3位も好記録。ロブレス(キューバ)が13秒00のキューバ新。アレン・ジョンソンも13秒01と衰えを見せない。
3000mSCはコエチ(ケニア)が8分01秒37で優勝。但しシャヒーンは出ていない。
やり投はトルキルドセン(ノルウェー)とピトカマキ(フィンランド)の北欧勢一騎打ち。トルキルドセンが89m50、ピトカマキは88m25だった。
その他の種目は以下。
男子
800mはムラウジ(南ア)が1分46秒99でスローペースを制す。
1500mはキプチルチル(ケニア)が3分32秒76、ラガト(米)は3分32秒93。今期3分29秒02をマークしているコーメン(ケニア)は10位に沈んだ。3000mはタリク・ベケレが7分38秒98。
5000mは超スローペースでケネニサ・ベケレが13分48秒62。20歳のS.E.チェルイヨット(ケニア)が13分49秒45で2位。9月23日で17歳(日本で言う高校2年!)になるフェレケが13分49秒66で3位、ベケレ弟が4位13分50秒03。
400mHはヤコヴァキス(ギリシャ)が47秒92。ヴァンジル(南ア)が48秒08で続き、ジャクソン、カーターの米国勢は3,4位。
走幅跳はサラディノ(パナマ)が8m41(+0.4m)で順当勝ち。今期世界ランク2位のM.S.アル・クワリディ(サウジ)が8m34(+0.7m)で続いた。
三段跳は17m台がわずか2名。ベタンソス(キューバ)が17m29で制した。今季1位のデーヴィス(米)は16m98の3位に終わった。オルソンは出場していない。
棒高跳はバージェス(豪)が5m82で1位。同記録でロビンガー(独)とスティーヴンソン(米)が共に2位。澤野は5m65で6位。
走高跳はソルンブラッド(スウェーデン)が2m33、今期2m37を跳んでいるシルノフ(ロシア)は無効試技が2回多く2位
円盤投はアレクナ(リトアニア)が68m63。エストニア勢のカンテル、タンメルトが2、3位。
砲丸投はホッファ(米)が21m05、今季世界1位のカントウェル(米)が20m94。
女子
800mはカラタユード(キューバ)が1分59秒02。ジェプコスゲイ(ケニア)が1分59秒10で2位、ベンハシ(モロッコ)は3位。
1500mはジャマル(バーレーン)が4分01秒58の完勝。ロシア勢はトマショワ2位、ソボロワ3位、今季世界1位のチジェンコは5位に終わった。
5000mはどうやったらこんなタイムになるのかというレース。T.ディババが16分04秒77、デファールがその1/100秒差。ラスト1周は57秒5とか。それにしてもこのレース、出走者はエチオピア5名、ケニア5名と2国のみ。
3000mはデファールが意地を見せて8分34秒22、T.ディババが8分34秒74。
3000mSCはツラワ(ベルラーシ)が9分27秒08。今季9分17秒15をマークしているヤノウスカ(ポーランド)は9分45秒01で予想外の7位に沈んだ。この種目は好不調の波が如実に表れる。
走幅跳はレベデワ(ロ)が6m92。2、3位が6m77、6m75だったので、もし池田が出ていたら面白かったかも。ただしこのゲームでは試技は4回しかない。上位3名はいずれも2回目までにベストを出している。早い試技でいかに一発引っ掛けるかが勝敗を左右する。
三段跳はレベデワ(ロ)が14m82(-0.3m)。ギリシャのデヴェツィが14m67で2位。
走高跳はベリークイスト(スウェーデン)が1m98で1位、同記録でエルボー(ベルギー)が2位。ヴェネワ(ブルガリア)が3位。ヴラシッチ(クロアチア)は1m90しか跳べず6位。
棒高跳はイシンバイェワが4m75と本人としては平凡な記録で優勝。4m85は3回とも失敗。
砲丸投はホロネコ(ベルラーシ)が19m81。
円盤投はディーチュ(独)が64m73と平凡ながら今期世界1位の面目を保った。
9月10日、札幌円山競技場で開催。
詳細が分からないかったので、新聞サイトの記事と寺田的陸上競技WEBを参照させていただきました。
女子100mで高校総体チャンプの高橋萌木子(埼玉栄)が11秒54(+1.7m)で優勝、日本ジュニア新、高校新、日本歴代8位。今季世界ジュニア23位に相当。ちなみに200mでは中村宝子(浜松西)の23秒48が今季世界ジュニア15位となっており、活況。
女子100mHでは池田久美子が13秒28(-0.9m)で順当勝ちだったが、予選で追風参考ながら12秒90をマーク。しかも風は惜しくも2.1m。公認だったら今季世界31位に相当する好記録だった。日本人で追風参考ながら12秒台をマークしたのは金沢イボンヌが12秒88(+7.4m)、12秒90(+2.5m)、12秒94(+3.0m)、12秒98(+2.1m)、12秒99(+2.1m)がある。日本記録の13秒00は+0.7mの中で出したもの。完全に金沢のレベルに追いついたと見ていいだろう。
その他、女子400mは久保倉(新潟アルビレックス)が53秒78で優勝したが、丹野が2位に終わった模様。男子400mは堀籠(富士通)が46秒47で優勝。為末が46秒59で2位に入った。男子砲丸投は村川(スズキ自販茨城)が17m89、女子ハンマー投は綾(丸善工業)が65m65など。
9月3日ベルリンにて。
男子100mはパウエルが9秒86、タイソンが9秒96(-0.5m)。
400mは敵なしのウォリナーがこの日も44秒26で勝利。キカヤ(コンゴ)が44秒43で今季世界3位。
棒高跳でフッカー(豪)が今季世界2位の5m96。バージェス(豪)は5m91。澤野は記録なし。
女子100mはシンプソン(ジャマイカ)が10秒92(0.0m)。
400mはリチャーズ(米)が49秒81。今季好調のスタンボロワは51秒11の4位に終わった。
走高跳は同じ2m00の記録ながら無効試技数によりエルボー(ベルギー)がベリークイスト(スウェーデン)に勝った。
9月2日、静岡県西部高校新人陸上の男子棒高跳で、全国総体の覇者、笹瀬弘樹(浜松市立)が5m17の東海高校新をマークした。この記録は高2歴代2位に相当(1位は澤野の5m25)。なお、全国総体で5位に入った横山(浜松北)も5m00を跳んだ。
・静岡県西部新人陸上結果
・静岡県中部新人陸上結果
・静岡県東部新人陸上結果
8月30日、イタリアのロベレートで開催。
男子5000mで竹澤(早大)が13分22秒36の4位、佐藤(東海大)が13分23秒57の8位(それぞれ学生歴代2位・3位、日本歴代3位・6位)に入った。久々に活きのよい若手が出てきた。2人には学生の間に高岡選手の持つ日本記録13分13秒40を更新してもらいたいものだ。ただし、日本長距離界の年間スケジュールにおいてこの時期に好記録が出るというのは、秋以降のロードシーズンに生きるかどうか、若干心配な点はあるが。
その他、棒高跳で澤野が5m70で1位。女子3000mで杉原(パナソニック)が8分56秒89で10位。
全く突然のことに驚きました。ケニア帰国中に交通事故でなくなったそうです。まだ37歳。
http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY200608310342.html
オツオリ選手といえば、山梨学院大の初代外国人留学生で一大センセーションを巻き起こした選手。私は学校は違いますが、大学4年生のときに同大学が初めて箱根駅伝予選会を突破し、その翌年に入学してきた。私は大学院生だったのでその予選会には母校の応援に行ったが、その時にオツオリ選手の走りを間近で見た。とにかく日本人と根本的に走法が違う、日本人には真似のできない走り、という印象が強かった。
交通事故といえば、SB食品の金井さん、谷口さんを思い出さずにはいられない。いずれにせよ非常に悲しい出来事だ。
8月27日、イタリアのリエティにて開催。男女の中距離で好記録が出ている。
男子
400mはキカヤ(コンゴ)が今季世界4位の記録となる44秒46。
800mはハイレベル&大混戦。ムラウジ(南ア)1分43秒09(今季世界最高)を筆頭に、ブンゲイ(ケニア)1分43秒31、ソム(オランダ)1分43秒52…と続き第1レースは7位まで43秒台。第2レースでもリード(加)が1分43秒93で総合8位に入り、上位8人が1分43秒台。ラムジ(バーレーン)は第1レース8位(1分45秒12)に沈んだ。
1500mはラガト(米)が今季自己最高の3分29秒68。
3000mはソンゴク(ケニア)が今季世界最高の7分28秒72。タリク・ベケレが7分29秒11で2位に入った。
棒高跳はウォーカー(米)が5m87。
女子
400mは欧州選手権の覇者スタンボロワ(ブルガリア)が49秒53。ジャマイカのN.ウィリアムズも49秒64と50秒を切った。
800mは今季世界1位のジェプコスゲイ(ケニア)が1分57秒07で完勝。
1500mは昨年世界1位のジャマル(バーレーン)が3分56秒18。2位、3位はロシア勢で今季世界1位のチジェンコが3分57秒29、トマショワ3分57秒50。日本の吉川は19位から20秒以上遅れる4分34秒73で完走者中最下位に沈んだ。
3000mSCはヤノウスカ(ポーランド)が9分22秒48。早狩は10分02秒70で11位に終わった。
400mHはディーマス(米)が53秒67。
学連選抜チームが10位以内に入るとシード校を1校減らし、予選校枠に回すことにするらしい。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20060825ie24.htm
学連選抜が上位に入るということは、予選落ちした学校の中にも優れた選手がたくさんいるのだから出場枠を1つ増やすというのなら、選抜チームのモチベーションも上がると思うが、10位以内に入っても本来シードになるはずの学校を1校蹴落とすことになるだけというのは、意図がよく分からない。もしかすると今までもそういうルールだったのを明確化しただけかもしれないのだが。
男子は渡邉共則(旭化成)が2時間17分50秒で優勝。3秒差で久保田満(旭化成)が2位に入った。
女子は吉田香織(資生堂)が2時間32分52秒で優勝。2位を6分引き離した。
なお、りかちゃんこと星野芳美さんが2時間42分23秒で4位入賞!
このレースで引退を表明していた千葉真子は2時間48分58秒の11位。
男子優勝渡邉選手のラップ。
5km16'25、10km32'13(15'48)、15km48'17(16'04)、20km1:04'09(15'52)、25km1:20'20(16'11)、30km1:36'48(16'28)、35km1:53'27(16'39)、40km2:10'46(17'19)、GOAL2:17'50(7'04)
女子優勝吉田選手のラップ。
5km18'08、10km35'48(17'40)、15km53'13(17'25)、20km1:10'46(17'33)、25km1:28'29(17'43)、30km1:46'43(18'14)、35km2:05'26(18'44)、40km2:24'35(19'09)、GOAL2:32'52(8'17)
8月25日、IAAFゴールデンリーグがベルギーのブリュッセルにて開催。
4×800mRという珍しい種目が行なわれ、ケニアチームが7分02秒43の世界新。2位米国も7分02秒82の世界新だった。ケニアは1.46.3-1.44.6-1.46.1-1.45.5でつないだ。ちなみに従来の記録は1982年に英国がマークした7分03秒89で、この時のオーダーはエリオット、クック、クラム、コーだった。
その他の主な記録。
男子
200mはゲイ、カーター、スペアモンの米国勢の争い。+0.2mの風の中、ゲイ19秒79、カーター19秒97、スペアモン20秒02。
400mはウォリナーが44秒29、以下5位までが44秒台。
1500mはバーラ(仏)が3分32秒01のシーズンベストで1位。18位まで3分40秒を切っている(完走19名)。
5000mはK.ベケレ(エチオピア)が12分48秒09の今季世界最高。3000mまで弟のタリク・ベケレが3000mまで7分34秒という世界新を狙えるペースで引っ張ったが、その後ペースが鈍った。
ベケレのいない10000mで怪記録。ケニアの弱冠20歳、M.Kogoが26分35秒63の世界歴代6位。タデッセ(エリトリア)も26分37秒25で歴代8位に浮上、キプロプ(ウガンダ)が26分41秒95。
3000mSCは向う所敵なしのシャヒーン(カタール)が8分04秒32。
女子
100mはシンプソン(ジャマイカ)が10秒95(+0.3m)。
5000mはT.ディババ(エチオピア)が14分30秒63。世界記録保持者のデファール14分33秒78。1973年生のペイヴィー(英)が14分39秒96で3位に入っているのが注目される。
100mHはペリー(米)が12秒55(-0.3m)。
棒高跳はイシンバイェワ(ロ)が今季4度目の4m80超えとなる4m81。
ドーピング疑惑のジャスティン・ガトリンの処分が米国反ドーピング機関により決定が下され、8年間の出場停止となった。24歳のガトリンにとって、事実上の引退となるだろう。9秒77の世界記録も抹消される。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/headlines/track/20060823-00000005-kyodo_sp-spo.html
出場資格の永久剥奪も考えられたが、今後調査に協力することを前提に8年間とされたとのこと。ガトリンの協力次第では、今後次々と事実が明らかにされ出場資格を剥奪される選手が続出する可能性もあり、予断を許さない。
8月22日、オーストリアのリンツで開催。
男子110mHでロブレス(キューバ)が13秒13(+0.4m)。A.ジョンソン(米)は13秒19で2位。
走幅跳は今回もサラディノ(パナマ)が強く、8m43(-0.1m)。
女子は珍しい1000mがあった。800m、1500mとも強いチジェンコが2分33秒49。ちなみにこの種目の世界記録は2分28秒98(96年、マステルコワ)。
女子砲丸投はヴィリ(NZL)が19m83の平凡な記録で…と思いきや、今年20mを超えているのがヴィリを含めてまだ3人とか。過去の記録って一体…
香川・丸亀で8月19~21日にかけて開催。
中学新が4種目出ている。
男子400mで柳澤純希(北海道・七飯大中山)が48秒25。48秒37の中学記録を14年ぶりに更新。柳澤は200mでも2位に入っている。
110mHで矢澤航(神奈川・岩崎)が13秒84(+0.6m)。2位宮内(鹿児島・西紫原)の14秒02も昨年までの歴代4位にあたる。
砲丸投で鈴木郷史(静岡・東伊豆稲取)が16m32。といっても、今年から正規の重量が4kgから5kgへと変わり、4kgの時は19m41が中学記録。昨年までの高校重量(5.443kg)で16m24。あまり機会に恵まれない中での記録なので、実質はもう少し上だろう。とはいっても今回の記録は2位に1m27もの大差をつけてのものであり、好記録であることは間違いない。
女子4種競技で岡部ソフィ満有子(山形・宮川)が3110点。100mH15秒10、走高跳1m67、砲丸投11m91、200m25秒87。岡部は走高跳の単独種目でも3位に入っている。
大会新は2種目。
女子800mで谷本有紀菜(山口・田布施)が2分09秒67。まだ2年生で、中2最高らしい。昨年2年生で優勝した鈴木亜由子(愛知・豊城)は優勝候補筆頭だったが、決勝では転倒したらしく、5位に終わった。
しかし、その鈴木は1500mでは4分24秒74の大会新をマークし、こちらは2連覇。ちなみに大会記録は小林(現須磨学園)が持っていた。
その他の主な記録。
男子200mは嵐川愛斗(東海大浦安)が21秒88(+1.6m)。
男子400mRは熊本・今津中が43秒37。
男子4種競技は舘野哲也(茨城・総和北)が2813点。110mH14秒82、砲丸投13m85、走高跳1m57、400m50秒72とラン種目で稼ぐタイプ。2位木下(京都・八条)は2791点であるが、15秒61、15m53、1m66、53秒03。投擲でこれだけ強く、400mもそこそこ走れるので将来性はこちらの方が上かも。
8月20日モナコ開催。
男子走高跳でロシアの21歳新鋭、欧州選手権を2m36で制したシルノフが今競技会で更に記録を伸ばし、2m37で自己の持つ今季世界最高を更新。
女子3000mSCには日本の早狩が出場したが、速い展開にペースを惑わされたか、10分21秒91で完走者15名(1名はDNF)中最下位に終わった。1位は欧州選手権の覇者トゥロワ(ベルラーシ)で9分20秒16。
女子棒高跳はブラジルのムレアが4m66で1位、4m61に終わったピレク(ポーランド)を抑えた。
8月15日~20日にかけて北京で開催。
日本人選手も数多く出ていたが、全般的に低調に終わった。特に高校生にとってはインターハイ直後ということで既に燃え尽きてしまった選手が多いという理由もあるが、今年の高校生(特に男子)の水準の低さも一因ではないか。
ジュニアは記録のレベル感がよくわからないのと、世界的にはまだまだ無名の選手がほとんどなので、詳細は省略(というか、単に面倒なだけ?)。
遅くなりましたが、8月7日~13日までイエテボリで開催された欧州選手権の結果。
最も好記録と思われるのは男子走高跳のシルノフ(ロ)。2m36の大会新、今季世界最高。5人が2m30以上をマーク。
その他の好記録、大会新など。
男子
100mはオビクウェル(ポルトガル)が9秒99(+1.3m)の大会新。オビクウェルは200mも20秒01(+1.6m)のポルトガル新で2冠。
マラソンはバルディニ(伊)が2時間11分32秒で優勝。
三段跳はオルソン(スウェーデン)が17m67(-0.7m)を2回目に跳び、あとはパスで優勝。
ハンマー投はティホン(ベルラーシ)が今季自己ベストの81m11で優勝。
円盤投はアレクナ(リトアニア)が1投目に68m67を投げてそのまま逃げ切り。
10種競技はシェブルレ(チェコ)が8526点。
女子
400mはスタンボロワ(ブルガリア)が唯一人50秒を切る49秒85で優勝。準決では49秒69をマークしている。
800mはロシアがワンツー。コトリャロワ1分57秒38、クリュカ1分57秒48。
1500mもロシアのワンツー。トマショワが3分56秒91の大会新、2位チジェンコは3分57秒61。
5000mはドミンゲス(スペイン)が14分56秒18の大会新。アベイレゲッセ(トルコ)は3位に終わった。
100mHはカルー(スウェーデン)が12秒59(+0.5m)。
3000mSCはトゥロワ(ベルラーシ)が9分26秒05の大会新で優勝。
走高跳はエルボー(ベルギー)が2m03の大会新で優勝。同記録ながら2位はヴァネワ(ブルガリア)。ベリークイスト(フィンランド)、ブラシッチ(クロアチア)は2m01でそれぞれ3位、4位に終わった。
走幅跳はコロチャノワ(ロ)が6m93(+1.3m)で優勝。
三段跳でレベデワ(ロ)が6回目にそれまでの14m92を大きく上回る15m15(+1.4m)の大会新を跳んで大逆転。ギリシャのデヴェツィは1回目に15m05(+0.9m)を跳んだが逃げ切れず。3位は6回目に15m02(+0.9m)のピャティフ(ロ)。
棒高跳はイシンバイェワが4m80の大会新、ハンマー投はリセンコ(ロ)が76m67の大会新、7種競技はクリュフトが6740点の大会新。
8月18日、チューリヒで開催。
男子100mでパウエル(ジャマイカ)が自身3度目9秒77(+1.0m)、世界タイで1位。2位タイソン(米)も9秒84の好記録。
800mは高いレベルの混戦。1位ムラウジ(南ア)1分43秒38、以下ソム(オランダ)1分43秒45、ブンゲイ(ケニア)1分43秒67、ラルー(モロッコ)1分43秒91と1分43秒台が4人。
5000mはケネニサ・ベケレが今季世界最高の12分48秒25、ソンゴク(ケニア)が12分48秒66。
3000mSCはシャヒーン(カタール)が7分56秒54。400mHはヤコヴァスキ(ギリシャ)が47秒92。
棒高跳はウォーカー(米)が5m85で1位、2位は同記録でバージェスとフッカー(共に豪)。澤野は5m50の10位に沈んだ。
円盤投はアレクナ(リトアニア)が68m51、10cm差でカンテル(エストニア)が続いた。やり投はピトカマキ(フィンランド)が88m27。
女子は目立った記録が少なく、走高跳でヴェネワ(ブルガリア)が自己タイの2m04で2m02のベリークイスト(スウェーデン)を抑えた。ブルガリアの走高跳は歴代1位のコスタディノワ2m09、2位アンドノワ2m07など伝統的に強い。
World Athletic Tour 2006(タリン大会)
8月15日、エストニアの首都タリンで行なわれた競技会。
女子ハンマー投でリセンコ(ロシア)が77m80の世界新をマーク。リセンコは6月24日にも77m41の世界新を記録している。
http://www.nikkansports.com/sports/f-sp-tp0-20060819-77691.html
やはりというべきか、ガトリンに続き、BALCOと関係のあるマリオン・ジョーンズも全米選手権でのドーピング検査で陽性反応。
しかしジョーンズは長距離選手でよく摘発されるEPO(エリスロポエチン)であった点がやや腑に落ちない。
ちなみに同日、チューリヒで行われた競技会で、パウエル(ジャマイカ)が自身3度目の9秒77(+1.0m)の世界タイ。9秒7台はみんな怪しいという声もささやかれるこの頃だが、「やはりお前もか」と言われることのないよう願いたい。
女子砲丸投で18m22の日本記録を持ち、虫垂がんで治療中だった森千夏さんが亡くなるというショッキングなニュースを夕刊で知った。まだ26歳。わずか2年前のアテネオリンピックに出ていた(当時すでに体調を崩していたようだが)のが信じられないくらい。実業団スズキに所属していたので、特に静岡県の陸上関係者、陸上ファンにはおなじみの選手。
日本人にとって前人未到の18m台をマークしたときは、その年の世界30傑内に入っており、19mを超えれば10傑入りという水準まで到達していた。当時の年齢から考えて(投擲種目は年を重ねるごとに技術が高まり、高い年齢で生涯記録をマークすることが多いため)世界に通用するプッターになれると期待していただけに、残念でならない。
謹んでお悔やみ申し上げます。
男子
砲丸投は宮田(東京学館船橋)が16m69。今年から5.443kg→6kgに変わったのでレベル感が今一つピンと来ないのだが、全国大会前に16mを超えた選手がいないのだからまずまずの記録だろう。
ハンマー投で吉田(滋賀・八幡)が64m54の高校新で優勝。もっとも、今年から重さが6kgに変わっているため。従来は室伏が6.35kgの重さで73m52を投げている。
8種競技も塩塚(兵庫・高砂南)が5743点の高校新を出しているが、これも砲丸投の規格が変わっているため。
女子
100mで高橋(埼玉栄)が向風0.3mの中で高校記録に1/100秒と迫る11秒63で快勝、3連覇達成。脚の動きが米国の黒人選手に近く(キック時に膝を伸ばさず、軸足が重心の真下を通過する時に、既に反対脚が重心より手前に出る)、将来性ありと見る。
200mで中村宝子(浜松西)が23秒48(+0.6m)の驚異的高校新、ついでにジュニア新、日本歴代3位! 2位高橋は2冠ならずも23秒71で同じくジュニア新・高校新。
400mはランキング1位の田中(筑紫女学園)が54秒17の高校歴代8位に相当する記録で優勝。
1500mは小林(須磨学園)が他を寄せ付けず4分13秒43でまず1冠。終盤ペースが落ちたのはスタミナ切れだったのか、あるいは温存か。小林は3000mも9分01秒37で2冠達成。
110mHは寺田(恵庭西)が13秒54の大会新だったが、向風1.7mの中でのこの記録は高校記録13秒44以上の価値といってもよい。
400mRは埼玉栄が46秒30で5連覇。6位でも46秒78と驚異的。
1600mRは東大阪大敬愛が3分43秒27の高校新で優勝、2位熊本信愛3分44秒28も大会新。
こうして見ると女子の好記録はトラックばかりが目立つ。これについての所感は別トピックで。
その他の種目
男子
400mは勝俣(中京大中京)が47秒94、袴田(浜名)が48秒07で東海IHの1,2位がそのまま全国でも1,2位。しかし昨年は金丸という超高校級がいただけに、優勝が48秒チョイ切り、しかも47秒台が1人だけではいかにも寂しい。
1500mは58-2'01-3'04というハイペースで進み、クイラ(仙台育英)が3分46秒64で優勝。日本人は赤羽(鳥取中央育英)が3分49秒23で2位に入った。ハイペースでつぶれた選手も多かったが、8位で3分50秒00と全体的にレベルは高い。
5000mはジェル(仙台育英)が13分57秒21、2位ワウエル(青森山田)も13分台、ギタウ(世羅)、コスマスと続き、5位にやっと日本人で4位と5位の差は15秒弱。完全に別レースになってしまった。予選で有力選手が調整失敗なのか力を出せず敗退が目立った。
400mHは52秒01が最高とは、ちょっとレベルが低すぎないか。しかも2年生は1人のみと寂しい。110mHも14秒50と低調。
5000mWは小阪(石川・鶴来)の22分16秒75とこれも低調だが、暑すぎたのか。ちなみに大阪市の15時の気温は34.6度。トラック競技で最も長時間の運動なのだから、競技時刻にも配慮してあげてほしいものだ。
400mRは桐蔭学園が40秒92と今では突出したタイムとはいえないが、1年生、2年生が2人ずつのオーダーが目を引く。3位白川旭(41秒10)に至っては1年生3人、2年生1人と来年の激戦が予想される。
棒高跳は前年2位の笹瀬(浜松市立)が5m10で優勝。ちなみに笹瀬は今総体で準決勝に進出した浜松市立のマイルメンバーでもある。戦前の評判が高かった永田(大和南)は4m90で3位に終わった。我が後輩の横山(浜松北)は4m90の同記録ながら5位。
走幅跳は優勝が7m47と低調、三段跳も15m12で優勝、15m台が2人のみとこれも低調。走高跳優勝の2m06は寂しすぎる…。
女子
800mで久保(広島井口)が2分05秒52のまずまずのタイムで優勝。
400mHは田子(久喜)が59秒41で制したが、60秒を切ったのが1人とやや寂しい。
3000mWは中村が13分33秒37、大澤が13分38秒25で熊谷女がワンツー。
走幅跳は優勝が5m93と過去10年間で最低。
ゴールデンリーグ・ベルリン大会の主催者は、先日ドーピング疑惑が持ち上がったガトリンのコーチ、グラハム氏が指導する選手を招待しないことを決定したとのこと。それだけでなく、過去に指導したことのあるマリオン・ジョーンズも対象とした。
http://www.asahi.com/sports/update/0804/084.html
なかなか思い切ったことをするものだ。当事者の選手たちが、薬物を使用していたという意識がないと主張するのなら、ドーピング疑惑解明調査の協力を条件に、仮に薬物が検出されても出場停止期間を短縮するなどの措置を設ければ真相が明らかになると思うのだが。
7月28日にドイツのレバークーゼンで行われた競技会。
女子ハンマー投でハイドラー(独)が76m55、男子ハンマー投でエッサー(独)が81m10を記録した。
その他では、ロビンガー(独)が男子棒高跳で5m85をマーク。
記事の出所はここ。
http://www.asahi.com/sports/update/0730/012.html
真実としたら残念なこと。こうなると9秒7台というのは薬物の力を借りないと出せないのかと思ってしまう。
7月28日に開催されたロンドングランプリ。
女子走高跳でベリークイストが2m05、男子走高跳でホルムが2m34の今季世界最高で勝った。ともにスウェーデン。
男子5000mではラガト(米)が12分59秒22の自己新でケネニサ・ベケレ(13分00秒04)を抑えた。ラガトは1500mを得意とする選手でベケレにも劣らないキック力を持ち、ラスト1周を52秒でカバー。
男子100mはパウエルが9秒91(-0.6m)で勝ったが、この程度の記録では彼にとってもはや話題にもならない。
むしろ注目は200m。スペアモン、ゲイ、カーターの米国勢が揃い踏みしたレースは、ゲイが19秒84(+0.2m)で快勝、カーターは19秒98、スペアモンは20秒11で3位に終わった。400mはウォリナーが43秒99とまたも43秒台。
400mHはクレメントが勝ったものの48秒63と平凡。日本の吉形は50秒77の最下位。
三段跳はオルソン(スウェーデン)が17m42(+0.7m)。
女子400mはリチャーズ(米)が49秒05、3000mはティルネシュ・ディババ(エチオピア)が8分29秒55、アデレ(エチオピア)は8分33秒17の2位に終わった。棒高跳はイシンバイェワ(ロ)が4m91。
7月26日、ヘルシンキで開催。
男子ハンマー投げで室伏が81m77でジョルコフスキー(ポーランド)81m42を上回った。
女子10000mは福士が後半独走、31分00秒64で1着。約14秒の大差をつけた。
男子110mHは内藤が13秒54(+0.4m)と比較的好走したものの、400mHの成迫は49秒78に終わった。
棒高跳の澤野は5m48を越えられず、記録なし。
男子800はムラウジが1分43秒97。砲丸投はホッファが21m59。
女子三段跳はスミス(ジャマイカ)が15m05(+0.2m)。やり投はシュポタコーヴァ(チェコ)が66m00。
7月25日、スウェーデンのストックホルムにて開催。
密かに注目していたのは男子1500mに出場したケネニサ・ベケレ。3分33秒08でソンゴク(ケニア)3分33秒25をかわした。いいペースで引っ張られればもっといい記録が出るのでは。
日本期待の女子走幅跳の池田は6m27(+0.1m)の9位、久しぶりに低調に終わった。
100mはパウエル(ジャマイカ)が9秒86(+0.2m)、200mはスペアモン(米)が20秒08(-0.8m)、400mはウォリナー(米)が44秒02とそれぞれ順当勝ち。5000mはキプロプ(ウガンダ)が12分57秒11。3000mSCはコエチ(ケニア)が8分00秒29。
やり投はトルキルドセン(ノルウェー)が89m78。
女子200mはシンプソンが22秒00(-0.3m)。1500mはジャマル(バーレーン)が3分58秒96。マイナー種目になってしまったが3000mでデファールが8分24秒66。
走高跳でベリークィスト(スウェーデン)が2m02。棒高跳でイシンバイェワ(ロ)が4m62で破れ、ポーランドのピレクが同記録で優勝。
7月22日、ベラルーシで行われた競技会。男子ハンマー投でデヴャトフスキーが82m95。この選手は昨年84m90を投げている。砲丸投はミフネヴィッチ21m60。女子砲丸投はオスタプチェクが20m56、ハンマー投はメンコワが20m56。
7月22日に行われたEAA屋外競技会(ヒュースデン;ベルギー)の男子1500mB組で小林史和が3分39秒08の3位(総合14位)、女子800mで杉森が2分01秒81の7位に入った。他にも日本人選手が何人か出場しているが、男子100m予選で小島が10秒59(-0.6m)、決勝は10秒47(-0.1m)、200mは大前が20秒82、(+0.6m)と振るわず、110mHで田野中が13秒75(-0.5m)。
なお、同日ドイツのホフで行われた競技会に出場した棒高跳の澤野は5m41を失敗して記録なしに終わった。
ごく平凡な海外の競技会でも国内のようには力を発揮できないのだから、オリンピックや世界陸上でそれを求めるのは無理というもの(稀に好記録が出たとしてもそれはフロックの可能性が高い)。今年は長距離以外の種目でも欧州参戦が増えているようだが、これを継続して行い、もっと選手に経験を積ませるべきだ。
7月20~21日にギリシャで開催されたEAA屋外競技会。
男子100mや円盤投で好記録が出ているほか、女子走幅跳では池田が6m75で6位に入った。
男子100mはゲイ(米)が9秒88をマーク。風は2.0mとギリギリ公認。ゲイは先日200mでも19秒70を記録している。
円盤投はアレクナ(リトアニア)が71m08の今季世界最高。
女子800mはムトラ(モザンビーク)が1分57秒36、シンクレイアー(ジャマイカ)が1分57秒88。
100mHはペリー(米)が12秒49(+1.8m)。棒高跳はスツチンスキ(米)という無名選手(?)が4m65を跳んでいる。
走幅跳はウドムラトワ(ロ)6m98(+1.8m)、トンプソン(豪)6m95(+1.6m)、コトワ(ロ)6m92(+1.9m)、レベデワ(ロ)6m85(+1.5m)、三段跳が専門のデヴェツィ(ギリシャ)6m75(+1.7m)の後、6位に池田久美子が6m75(+1.4m)。慣れない海外で高いレベルの争いで食い下がった池田は自己記録には及ばないとはいえ価値ある記録。
その他にも好記録が出ているが追風参考。IAAFのホームページを見ても全般的に風に助けられたとのコメントあり。
7月19日にベルギーで行われた競技会で、末續が200mに出場、自己3番目の記録となる20秒25(+0.5m)をマークし、優勝。末續は16日にもフィンランドの競技会で20秒69で優勝している。
同競技会には女子5000mに福士も出場しており、15分09秒81で6位に入っている。
男子800mでブンゲイ(ケニア)が1分43秒69、ラムジ(バーレーン)は1分44秒05で2位。
110mHでロブレス(キューバ)が13秒08(+0.1m)。20歳の選手で先日もローザンヌ大会で13秒04をマークしている逸材。
砲丸投はカントウェル(米)が21m79、ホッファ(米)が21m45、テイラー(米)が21m26。円盤投はアレクナ(リトアニア)が68m05。
女子三段跳でレベデワ(ロ)が15m02(+1.3m)。
ハンマー投でモレノ(キューバ)が73m77、スコリモフスカ(ポーランド)が73m44。
7月16日に行われたスウェーデン選手権女子走高跳でベリークイストが2m04をマーク。
また、同日英国マンチェスターで行われた競技会の男子三段跳で、イドウ(英)が17m50(+0.5m)をマーク。
7月15日に行われたドイツ選手権女子円盤投でディーチュ(独)が66m29。
7月14~15日に行われたロシアカップでは、女子400mでザイツェワが49秒49。
IAAF Golden League 2006ローマ大会(ゴールデン・ガラ)でも好記録続出。
男子400mで先日43秒91の自己記録を出したばかりのウォリナー(米)が43秒62の世界歴代4位の好記録をマーク。これより上位の記録は、マイケル・ジョンソンの43秒18、レイノルズの43秒29、ワッツの43秒50(いずれも米国)だが、複数回出しているのはM.ジョンソンのみ。ウォリナーは既に43秒台を3度記録している。
男子100mはパウエル(ジャマイカ)が9秒85(+0.5m)。
800mはラルー(モロッコ)が1分43秒25、ロビンソン(米)が1分43秒86、アル・サルヒ(サウジ)が1分43秒99。
1500mはコーメン(ケニア)が3分29秒02で3分29秒14のラムジ(バーレーン)を抑えた。
5000mはベケレ(エチオピア)が12分51秒44、3000mSCが専門のシャヒーン(カタール)が12分51秒98、以下10位まで12分台。
シャヒーンのいない3000mSCでコエチが唯一人8分を切る7分59秒94。
日本人が出場した400mHはジャクソン(米)が47秒86で1位、成迫は50秒20、千葉が51秒67とふるわず。
澤野が出場した棒高跳はバージェス(豪)が5m82で1位、澤野は5m62で7位。
走幅跳はサラディノ(パナマ)が8m45(-0.1m)以下、ガイサー(ガーナ)8m43(-0.2m)、ホウィー(伊)8m41(-0.1m)と僅差で続いた。
やり投ではトルキルドセン(ノルウェー)が90m34で88m19のピトカマキ(フィンランド)を抑えた。
女子は100mでシンプソン(ジャマイカ)が10秒87(+0.3m)、2位はM.ジョーンズ10秒91。
400mはリチャーズ(米)が49秒31、ウィリアムズ(ジャマイカ)が49秒65。
福士が出場した5000mは、ティルネシュ・ディババ(エチオピア)が14分52秒37、世界新を出したデファールは2位で14分53秒51、アデレは4位、福士は11位、15分03秒17。
100mHはカルー(スウェーデン)が12秒52(0.0m)で勝ち、400mHはディーマスが53秒51で制した。
走高跳はブラシッチ(クロアチア)が2m00で1位、エルボー(ベルギー)が同記録で2位。
三段跳はレベデワ(ロ)が14m88(+0.1m)、デヴェツィ(ギリシャ)が14m79(-0.2m)。
7月11日に開催されたWorld Athletic Tour2006 ローザンヌ大会で記録された。追い風1.1m。2位アーノルド(米)も12秒90の世界新、3位トランメル(米)13秒02、4位ロブレス(キューバ)13秒04とハイレベル。ロブレスは今年20歳の新鋭。
その他の種目も好記録が続出している。
男子200mではカーター(米)が19秒63(+0.4m)の世界歴代2位。世界記録M.ジョンソンの19秒32は別格として世界新並みに価値ある記録。2着ゲイ(米)の19秒70、3着ボルト(ジャマイカ)の19秒88も素晴らしい。スペアモン(米)は4着に終わるも19秒90。
800mはエゴ(ケニア)が1分43秒91。400mHはジャクソン(米)が47秒77、成迫は49秒02で組で2着にはいるも総合7位に終わった。
三段跳はオルソン(スウェーデン)が17m62(+0.8m)、グレゴリオ(ブラジル)が17m54(+0.8m)。
女子100mはM.ジョーンズ(米)が10秒94(+1.1m)。
800mはジェプコスゲイ(ケニア)が1分56秒66で制し、1分56秒77のムトラを抑えた。3着カラタユード(キューバ)も1分56秒91の好記録。1500mはソボロワ(ロシア)が唯一人3分台の3分58秒60。
100mHはペリー(米)が12秒43(+0.6m)、チェリー(米)12秒44、フォスターヒルトン(ジャマイカ)が12秒49。
走高跳は1位のハワード(米)、2位スレサレンコ(ロ)ともに1m99。
棒高跳はイシンバイェワ(ロ)が4m90、ピレク(ポーランド)が4m75、ブランクのあったフェオファノワ(ロ)が4m70。
三段跳はレベデワ(ロ)が15m19(+0.5m)、サビヌ(キューバ)が14m85(+0.6m)、やり投でシュポタコーバ(チェコ)が65m89。
男子400mでウォリナー(米)が43秒91の自己新、女子1500mでチジェンコ(ロ)が3分55秒68など好記録続出。詳細は以下。
男子100mはパウエル(ジャマイカ)が9秒85(+0.1m)。
1500mはウクライナのヘシュコが3分31秒08で制した。キプチルチル(ケニア)3.31.36、ラガト(米)3.31.48、シモトゥー(ケニア)3.31.67、ソンゴク(ケニア)3.31.85、バーラ(仏)3.32.06・・・と続き8位まで3分33秒以内の大混戦。
5000mはベケレ(エチオピア)が12分51秒32。以下8位まで12分台だが、5位にアイルランドの選手(クラッグ)が12分57秒60で入っているのが特筆。
110mHはトランメルが13秒06(-0.6m)、アーノルドが13秒08と米国勢が強い。昨年までジュニアのロブレス(キューバ)の13秒11も楽しみ。劉翔(中)は13秒19の4位に終わる。
走幅跳はガーナのガイザーが8m31(-0.2m)で勝ち、今季好調のサラディノ(パナマ)は8m29(+0.1m)。
やり投は90mスローワーのピトカマキ(フィンランド)が89m07で優勝。
女子100mはマリオン・ジョーンズ(米)がようやく10秒台となる10秒92(+0.1m)。
400mはリチャーズ(米)が49秒73。1500mはチジェンコに次いで入ったソボロワも3分56秒43の好記録。
100mHはカルー(スウェーデン)が12秒61(-0.3m)、400mHはディーマス(米)が53秒76。
走高跳は1位スレサレンコ(ロ)を筆頭に、ベリークイスト(スウェーデン)、エルボー(ベルギー)、ヴラシッチ(クロアチア)の4人が2m00。
棒高跳はイシンバイェワ(ロ)が自己の持つ世界記録には遠く及ばないものの4m76で圧勝。
7月6日、デンマークの競技会でカントウェル(米)が22m04をマーク。先日の日本選手権で日本新(18m56)が出たが、まだ3メートル半位の差。世界は遠い。
男子800mでハイレベルの争い。1着ボルザコフスキー(ロ)1分43秒42、2着ブンゲイ(ケニア)1分43秒67、3着ミルケヴィクス(ラトビア)1分43秒75、以下、44秒台も4人。
1500mはコーメン(ケニア)が3分30秒27、3000mSCはシャヒーン(カタール)7分56秒32
400mHはジャクソン(米)48秒00、走幅跳は好調サラディノ(パナマ)が追い風3.3mの参考記録ながら8m65。
円盤投はアレクナ(リトアニア)が69m36。
女子800mはコトリャロワ(ロ)が1分57秒86、以下57秒台2人、58秒台3人、59秒台3人と高いレベル。
1500mはソボレワ(ロ)が3分56秒74。2位チジェンコ(ロ)は3分58秒02。
400mHはディーマス(米)が53秒02、3000mSCはヤノウスカ(ポーランド)が9分17秒15。
走高跳はベリークイスト(スウェーデン)が2m00。三段跳でレベデワ(ロ)が15m23(+0.6m)、2位ピャティフも15m17。
やり投はオベルクフォル(独)が66m92。
神戸ユニバー記念競技場で開催された日本選手権で、日本新が2つ誕生した。
男子走高跳で醍醐(富士通)が2m33で日本記録を1cm更新。2m10から開始して2m24以降はすべて3回目での成功。2m33はトータル15回目の跳躍という体力を消耗しきった中での記録達成となった。
男子砲丸投では、畑瀬(群馬綜合ガード)が日本記録を3cm更新する18m56。18mを4回オーバーしているのも価値ある。2位村川(スズキ自販茨城)も18m43の好記録だった。
その他の主な種目。
男子200mは末續(ミズノ)と今季好調の高平(順大)の対決が注目されたが、末續が20秒37(0.0m)で圧勝。大阪世界選手権のA標準を突破。まだまだ同じ条件では高平とは差があるようだが、末續も全盛時の走りにはまだ遠い。
400mは金丸が45秒74で制するも、45秒55のA標準には届かず。
800mは横田(慶大1年)が1分48秒42の自己新で鈴木尚人、笹野らを抑えた。次は1分47秒台が期待される。
400mHの成迫(筑波大)は48秒95で圧勝。A標準も突破。
3000mSCは第一人者岩水(トヨタ)が中央学大の篠藤に敗れる波乱。篠藤は8分33秒44。
ハンマー投は室伏が久々の80m超えとなる80m17。新投法が体に馴染んできたか。
女子は1500mで日本記録を樹立した小林が貫録勝ちかに見えたが、ラストが意外に伸びず、吉川(パナソニック)に差された。記録は両者とも4分11秒00で吉川は日本歴代4位。
3000mSCは日本記録保持者の早狩が9分49秒88で圧勝。有力選手が挑戦しない限り早狩の競争相手は見つからない。
走幅跳は池田が6m75(+0.5m)を跳び、6m60の花岡を抑えた。
男子200mでパウエルが19秒90(+1.3m)。
女子200mでシンプソンが22秒00(+1.3m)。22秒00は2000年のマリオン・ジョーンズ21秒84以降の最高記録。
男子
100mはガトリンが向い風1.2mの中でも9秒93、強い。
200mはスペアモンの19秒90(+0.3m)は彼自身の自己記録19秒89に迫る好記録というのはともかく、2位に入ったヴァーデンという選手は全くの無名だが、それもそのはず、自己記録は98年に出した20秒57というのだから。ウォリナーに注目していたが、20秒24の5位に終わった。
400mはロックが44秒45、メリットが44秒50
800mはロビンソンが1分44秒13でたぶん自己新。彼のコーチはジョニー・グレー(1分42秒60)とか。
110mHはアーノルドが13秒10(-0.4m)。
400mHでクレメントが47秒39、ジャクソンが47秒48。
走高跳でハリスが2m33。ここ数年記録低調の中にあっては2m33でも世界10傑に入るような好記録。
三段跳でデーヴィスが17m71(-0.7m)、自己記録を8cm更新。
砲丸投でネルソンが22m04、ホッファ21m96、カントウェル21m89のハイレベルの接戦。
女子
200mはブーンスミスが22秒31(+0.3m)。フェリックスは決勝をDNS。
400mでリチャーズが唯一人50秒を切る49秒27の大会新。
100mHはパウエルが12秒63(-0.4m)、チェリーが12秒64、12秒43の記録を持つペリーは12秒67で3位に敗れる。
400mHはディーマスが53秒07の自己新。
走幅跳でリッチモンドが6m93を跳ぶも+2.2mで参考記録。公認は6m84(+1.4m)。
走高跳でハワードが2m01を1回で決め、自己記録2m00を更新。大会新。
日本選手権の他の種目に先駆け、混成競技の部が6月24日(土)~25日(日)にかけて石川県・西部緑地公園陸上競技場にて開催。
男子10種では田中(モンテローザ)が7803点(日本歴代3位)の好記録。日本記録(93年金子、7995点)と比較してみる。(カッコ内が日本記録)
100m 10秒87(11秒23)
走幅跳7m16(7m27)
砲丸投12m07(13m48)
走高跳1m87(2m02)
400m 49秒85(49秒61)
110mH 15秒06(14秒43)
円盤投40m21(45秒80)
棒高跳5m10(4m90)
やり投63m94(60m24)
1500m 4分38秒22(4分47秒90)
金子が強かった投擲でも、砲丸・円盤で負けているがやりでは勝っており、走高跳は負けているが走幅跳はほぼ同レベル、棒高は上回っているなど、バランスは取れている。昨年まで7477点がベストの選手であり、一冬越えて相当レベルアップしている。8000点突破が期待される。
女子7種競技は中田(日本保育サービス。昨年まではさかえクリニックだったと思うが)が5811点で圧勝するも、自己の持つ日本記録5962点には及ばず。
フィンランドのクオルタネで24日に行われた競技会。
ピトカマキ(フィンランド)が5投目に91m11を記録。ピトカマキは昨年も91m53の自己記録を出すなど、90m以上を3度記録している。
World Athletic Tour 2006(ジュコフスキー大会)
6月24日、ロシアのジュコフスキーで開催。
女子ハンマー投で、先日ハナファイエワに世界記録(77m26)を奪われたリセンコ(いずれもロシア)が77m41で世界記録を奪回した。
その他の主な記録。
男子三段跳で昨年休んでいた(?)オルソン(スウェーデン)が17m46(-0.9m)。
女子800mでソボレワ(ロシア)が1分57秒28、2位ペトリュク(ウクライナ)が1分57秒91。2人とも国際的には無名だが、昨年1分56秒93で走っているチェルカソワ(ロシア)を破った。
女子走高跳でヴラシッチ(クロアチア)が2m02(自己記録は2m03)で2m06を持つスレサレンコ(ロシア)を破る。
女子走幅跳はコロチャノワ(ロシア)が7m10(-0.3m)の大ジャンプを見せた。
asahi.comの記事に今年の全日本大学駅伝の関東地区予選の結果が掲載されていた。詳細結果を探そうとしたが見つからず、とりあえず学校名のみ。
シード校:日大、中大、駒大、山梨学大、日体大、大東大
ワイルドカード:亜大(箱根駅伝優勝校)
予選会選出校:順大、東洋大、城西大、明大、神大、国学大
東海大が入っていないのが気になる。東海大は昨年も佐藤悠基のDNFで出場を逃している。
その他、今年の箱根出場校では法大、早大、専大、中央学大、国士大が入っていない。逆に今年の箱根不出場校で選出された学校は無い。
そもそも箱根と比べてモチベーションの落ちる全日本だが、この時期に予選があっても盛り上がりに欠けると思う。どこまでしっかり調整して臨むものだろうか。早大あたりは昨年も全日本には出ていないし、あまり重要視していないものと思われる。
5月は関東インカレがあるので3~4月あたりならいいかもしれないが、その時期だと新1年生が出られなかったり、力の見極めができず選手選考に苦慮してしまうだろう。かといって9月頃では各校とも合宿明けで調整が難しい。そう考えるとやはり6月にせざるを得ないのか。
6月16~18日瑞穂陸上競技場。浜松西高、昨年のIH100m2位、200m3位の中村宝子が順調。100mで-2.5mながら12秒11、200mは-0.5mの中23秒91の高校歴代4位をマーク。
その他の種目では男子400mで勝俣(中京大中京)が47秒26、袴田(浜名)が47秒58、高瀬(静岡西)が47秒88と3人が47秒台。棒高跳は故障で出遅れていた笹瀬(浜松市立)が5m00、2位横山(浜松北)が4m90。三段跳で山田(宇治山田商)が15m12(+1.6m)、勢力(伊勢)15m11(+1.3m)と2人が15m台。
女子走高跳で藪根(近畿大高専)が1m78の大会新、走幅跳で吉田(県岐阜商)が6m06(+0.7)で優勝した他、2位渡邊(浜松商)5m96(+1.4m)、3位遠藤(桑名)5m95(-0.2m)、4位賀川(名古屋西)5m92(+0.3m)と高いレベル。
6月12日、ロシア選手権で同国のハナフェイエワが77m26の世界新記録を樹立。
ハナフェイエワは昨年までは72m71がベストの選手だったが、5月31日に76m94の今季世界ランク1位の記録をマークしており、今回は従来の世界記録77m06を持つリセンコとの一騎打ちだった。1投目はリセンコが75m28でリード、2投目でハナフェイエワが75m27と追いすがり、3投目で77m26の世界新をマークして逆転。リセンコは6投目に76m36を投げるも追いつかず。
その他の種目では14日の女子800mでチジェンコが今季世界1位の1分57秒07をマークしている。チジェンコは2004年に1500mで4分04秒58で走っている程度だが、800mで開花した。
先日ガトリンが9秒77の世界タイを出したばかりだが、6月11日に英国ゲーツヘッドで行われた国際グランプリ陸上でパウエル(ジャマイカ)も世界タイ(+1.5m)を樹立。9秒77は自身2度目。パウエルとガトリンの直接対決が見たいものだ。
男子棒高跳では5m96の記録を持つウォーカー(米)が5m85で優勝、日本の澤野は5m75で2位に入った。男子砲丸投ではカントウェル(米)が22m45の好記録。
女子は200mでリチャーズ(米)が22秒25(+0.7m)、800mでジェプコスゲイ(ケニア)が1分57秒22、走高跳でハワード(米)が1m98、走幅跳はレベデワ(ロ)が6m95(+07m)などが好記録。
カリフォルニア州サクラメントで6月6日~10日にかけて行われた全米選手権でカーター(LSU)が100m、400m、400mR、1600mRの4種目に優勝。100mは10秒09(-0.5m)、400mは44秒53、400mRは2走で38秒44、1600mRはアンカーで3分01秒58。単独種目で100mと400mに優勝というのも珍しい。ちなみに200mは昨年20秒02(0.0m)で走っている。
その他目立った記録としては女子100mHでパウエルが12秒48(+0.4m)、男子110mHでメリットが13秒21(+0.3m)、女子400mHでジェームスが54秒47といったところ。ちょうど同時期に行われた日本インカレと記録を比較してみると面白いかもしれない。
なお、全米大学選手権も得点があるが、日本インカレ(1位8点~8位1点)と違い、1位は10点、2位は8点、3位以下は6点~1点と1位、2位をより高い評価をしている。
女子400mRは福島大の45秒01は日本学生新!
大会新記録もいくつか出ている。
女子100mで北風(浅井学大)が11秒68(-0.1m)。
女子400mは丹野(福島大)が52秒39で圧勝、2位青木54秒60も福島大でワンツー。青木は400mHで57秒08の大会新。
女子棒高跳で同志社大1年の我孫子(光泉高出)が4m00。
女子ハンマー投は上田(大体大)が57m33、2位武川(中京大)56m62、3位山城(中京大)56m47も大会新。
男子5000mは好記録続出。1着モグス(山梨学大)13分28秒22、2着佐藤悠基(東海大)13分29秒32、3着竹澤(早大)13分30秒96、4着上野(中大)13分35秒96までが大会新。順大松岡は6位、日体大北村は7位、東海大伊達は11位、10000mで好走した駒大宇賀地は12位、15位までが13分台。順大佐藤(5000m高校記録保持者)は18位14分12秒26と復調の気配なし。
1年生の活躍も目立つ。
男子800mは横田(慶大1年・立教池袋高出)が1分50秒43で制す!下平(早大)は8着に終わる。
男子3000mSCは順大1年の菊池(福島・原町高出)が8分45秒17で優勝。高校時代の記録は9分03秒55の選手。
男子10000mでは4着に作新学院出身の駒大1年宇賀地28分48秒30が入る。
女子円盤投は中京大1年の江島(熊本西高出)が48m82で優勝。
その他の種目は次の通り。
男子決勝種目
100mは高平(順大)が10秒40(-0.7m)、200mも高平21秒04(-0.1m)で2冠。
400mは金丸(法大)が46秒09で制す。2着は400mHの成迫で46秒48。
1500m 1着井野(順大)3分47秒35、2着松岡(順大)3分47秒41で順大のワンツー。
10000mは1着北村(日体大)28分44秒35、2着は箱根1区区間賞の木原(中央学大)28分45秒35、3着ギタウ(日大)28分47秒53。日大といえばサイモンはどうしてしまったんだろう? 、伊達(東海大)は7位、山登りのスペシャリスト今井(順大)は10位に終わる。佐藤悠基(東海大)はエントリーせず、竹澤(早大)はDNS。
10kmWは森岡(順大)41分16秒。
110mHは岩船(東海大)14秒04、400mHは成迫(筑波大)が49秒08で圧勝。
400mRは東海大が39秒07で圧勝、1600mRも3分07秒38で制し、リレー2冠。
棒高跳は柏木(日体大)5m20で優勝、2位に東海大1年の鈴木(富士宮北高出)が5m10で入る。
走幅跳は仲元(福岡大)7m91を跳ぶも+2.1の追参。2位に順大1年の鈴木(成田高出)が7m82(+1.3m)。
三段跳は銭谷(筑波大)が15m93(+0.1m)、走高跳は2m15で土屋(筑波大)
砲丸投は国士大M2の小林が16m78、小林は円盤投でも54m13で2冠。
ハンマー投は吉津(鹿屋体大)が64m35で優勝、やり投は恵濃(京産大)69m06。
10種競技は池田(日大)が7218点で優勝。
女子決勝種目
200mは丹野24秒16(-0.4m)で400m、両リレーと合わせ4冠達成。
800mは昨年2分03秒99で走っている陣内(佐賀大)が2分05秒66で優勝。1500mは山下(大体大)が優勝するも4分29秒86と低水準。
5000mはキンゴリ・アン(日大)が15分51秒83、2着木崎(佛教大)15分52秒06、3位は伊藤(京産大)15分57秒53、伊藤は10000mで優勝、32分57秒37。
100mHは筑波大の金子(浜松商高出)が13秒67(-0.2m)で優勝。
10kmWは渕瀬(龍谷大)45分14秒。
1600mRは福島大が3分39秒89の好記録。
三段跳は大泉(東北福祉大)が12m66(-0.1m)で優勝、走幅跳は中原(日女体大)が6m17(-0.2m)で枡見(福岡大)6m10を抑える。走高跳は松本(中京大)が1m81。
砲丸投は美濃部(筑波大、常葉橘高出)が14m51、やり投は海老原(国士大)が54m91で優勝。
7種競技は横田(日体大)が5150点。
6月3日に行われたホクレンディスタンスチャレンジ札幌大会のリザルトを見ていて驚いたことがあった。
仙台育英高1年の上野渉(福岡・日の里中出)が14分10秒92で走っていたことだ。恐るべし。中学時代も3000mを8分27秒31で走っているが、すでにそのペースで5000mを走ってしまうとは!
6月9日、フランスのリールで開催。
男子1000mでバーラ(仏)が2分14秒99で1位。
男子砲丸投でホッファ(米)が21m70で1位。
女子ハンマー投でハイドラー(独)が75m38(世界歴代5位)の好記録をマーク。昨年までのベストは72m73の選手。
World Athletic Tour 2006 プラハ大会(チェコ)で日本人2選手が活躍。
男子棒高跳で澤野が2、3位と同記録ながら試技の関係で5m70で優勝。
男子ハンマー投で室伏が79m57で優勝。昨年84m90をマークしているデヴャトフスキー(ベルラーシ)をわずか1cm抑えた。
6月3日にニューヨークで行われたリーボック・グランプリにて、女子5000mでM.デファール(エチオピア)が14分24秒53の世界新を樹立。従来の記録14分24秒68(トルコのアベイレゲッセ)を0.15秒上回った。彼女自身の自己記録は14分28秒98(世界歴代3位)だった。ペースメーカーが2000mを5分47秒7、3000mを8分42秒8で引っ張った後、独走。1周70秒ペースを刻んだあと、ラスト1周を61秒でカバーして見事世界新。
このゲームの他の種目では、男子100mでガトリンが9秒87(-0.1m)を記録し好調を維持。女子100mではマリオン・ジョーンズが11秒06(-0.5m)と調子を戻しつつある。
6月2日、ノルウェーのオスロで開催。
男子
100mはアサファ・パウエル(ジャマイカ)が予選9秒96(+1.6m)、決勝9秒98(-0.9m)と9秒台を連発。
400mはウォリナー(米)が44秒31。
5000mはソンゴク(ケニア)が12分55秒79で1着。ベケレ(エチオピア)が12分58秒22で2位に敗れる波乱。5着まで12分台。
走幅跳は今季好調のサラディノ(パナマ)が8m53(+0.9m)で圧勝。
やり投は先日90m台に乗せたトルキルドセン(ノルウェー)が更に記録を伸ばし、91m59は世界歴代6位。
女子
5000mで好記録続出。ティルネシュ・ディババ(エチオピア)が14分30秒40、エジャガユー・ディババが14分33秒52、マサイ(ケニア)が14分33秒84、ゲティチ(ケニア)が14分35秒30、メルカム(エチオピア)が14分37秒44。いずれも自己新と思われる。
5月28日にオランダのヘンゲロで開催。
男子
棒高跳に日本の澤野が出場するも記録なし。優勝はベルゲリング(独)5m70。
10000mはガシュ(エチオピア)27分15秒90を筆頭に、27分10秒台が4人、20秒台まで入れると7人。
女子
100mでマリオン・ジョーンズが1位。久しぶりに名前を見たが記録は11秒16(+0.9m)と平凡。
5000mはデファール(エチオピア)が14分35秒37
5月28日に米ユージンで行われたPrefontaine Classic
男子
100mでガトリンがまたも9秒台。9秒88(+1.0m)。アサファ・パウエル(ジャマイカ)は別組で9秒93を出すも追風2.5m。
1マイルでラムジ(バーレーン)が敗れる。1着ラガト(米)が3分51秒53、2着キプチルチル(ケニア)で3分51秒71、ラムジは3分52秒39で3位に終わった。
110mHはLiu Xiang(りゅうしょう・中国)が13秒21(+1.4m)で快勝、アレン・ジョンソン(米)は13秒39で3位に終わる。
三段跳はデーヴィス(米)が17m40(+1.5m)。砲丸投でカントウェル(米)が22m17の好記録。
女子
800mでムトラ(モザンビーク)健在、1分58秒86で1着。1500mはロシアのトマショワで4分01秒81。
走高跳でスレサレンコ(ロシア)が1m99。走幅跳はレベデワ(ロシア)が7m00を跳ぶも追風2.9mで参考記録。
5月27日に行われたゴールデンゲームズinのべおか。
男子800mで下平(早大)が1分47秒92の好記録。2位鈴木(自衛隊体育学校)は1分48秒34、3位笹野(富士通)は1分48秒50となかなかのハイレベル。
男子1500mは小林(NTN)が3分41秒29で1位。2位には東海大の佐藤大樹が3分42秒58で入った。
男子5000mは日本人トップは松宮隆行で13分31秒32。東海大の佐藤悠基が13分35秒62、高岡が13分43秒39。総合ではカリウキ(トヨタ紡織)が13分24秒02。
女子5000mはワゴイ(スズキ)が15分14秒45で1位、日本人では杉原(パナソニック)が自己記録を10秒以上上回る15分17秒20で3位に入ったのが注目される。
先日引退を表明したばかりのエルゲルージだが、こんな記事を見つけました。
http://www.asahi.com/sports/update/0527/171.html
1500mだけでなく5000mも走れるエルゲルージだから、そりゃいくらなんでも無理でしょう、とは必ずしも言えない微妙なところ。引退の理由の一つに故障もあったし、マラソンに適した筋肉、走法に変えるのに何年もかかる間、モチベーションを維持できるか。でも、もし本気で考えているのなら応援したい。
1500m、1マイル、2000mの世界記録を持つヒシャム・エルゲルージ(モロッコ)が引退を表明。
すでに昨年から国際舞台に現れていないので、「まだ現役だったの?」という感がしないでもないが、正式な表明は今回が初めて。アウイタ、モルセリ、エルゲルージと続いてきたマイルの王様。エルゲルージももはや今年の9月で32歳、1500mの世界新を出したのも8年前のこと。
ようやくラムジという後継者候補が現れてきたが、彼は確かに勝負強さはあるが、まだ3分30秒すら切っていない(21年前に3分30秒の壁が破られたというのに…)。陸上競技の花は(世界的には)何と言っても1500m。名実ともに名マイラーと呼ばれる選手の出現が待たれる。
5月21日に米カーソンで行われた大会。主な記録を紹介。
男子200m・・・昨年19秒89で世界ランク1位のW.スペアモンが20秒06(+1.2m)で1着。2着には400mランナーのウォリナーが20秒19で入っている。スピードに磨きがかかってきて本業の400mでも今年一気に記録を縮めるか?
男子1500m・・・世界陸上2冠のラムジ(バーレーン)と3分26秒34の世界歴代2位の記録を持つラガト(米,元ケニア)との対決。勝負強いラムジが3分32秒34で制し、ラガトは3分32秒94で2位。
女子100m・・・キャンベル(ジャマイカ)が10秒99(+1.0m)で1着。
5月13、14、20、21日に行われた関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)の好記録を紹介します。
実際に見たわけではありませんが、好記録が続出のようです。
男子1部
10000m
1着モグス(山梨学大)28分01秒00、2着ダニエル(日大)28分17秒15、3着佐藤(東海大)28分17秒36、4着竹澤(早大)28分19秒22、5着伊達(東海大)28分21秒32、6着保科(日体大)28分28秒20とハイレベル。
400m
金丸(法大)が圧勝するも46秒11にとどまる。
1500m
1着モグス(山梨学大)3分43秒66、2着松岡(順大)3分43秒84とも大会新。3着井野(順大)3分44秒69
400mR
1着東海大38秒87は大会新、決勝に残った8チームとも40秒を切るハイレベル。
400mH
成迫(順大)が圧勝するも記録は49秒06にとどまる。
800m
1着下平(早大)1分48秒46、2着横田(慶大)1分48秒58とも大会新。横田1年生の快走が光る。
200m
1着高平(順大)、2着塚原(東海大)とも20秒35の大会新。風は+1.2mで公認。日本歴代4位。
5000m
1着モグス(山梨学大)13分31秒88で3冠。手が付けられない強さ。2着伊達(東海大)13分37秒72、3着上野(中大)13分39秒00、3年生にして完全復活か。4着佐藤(東海大)13分44秒81、5着竹澤(早大)13分45秒46
1600mR
1着東海大3分04秒95でリレー2冠。8着まで3分10秒を切った。
男子2部
3000mSC
1着菊池(亜大)8分42秒57の大会新
円盤投
1位小林(国士大院)が56m35の学生新。日本歴代4位。
女子
やり投
1位海老原(国士大)56m22の大会新
1600mR
1着日体大3分41秒87
カタールの国際グランプリで報じられたガトリンの記録は、9秒76の世界新ではなく、9秒77の世界タイだったことが明らかになった。これがその証拠となる写真判定画像。
http://www.iaaf.org/MultimediaFiles/Photo/Competitions/Other/34687_W600XH400.jpg
画像を見ても明らかに9秒76はオーバーし、9秒766あたりであることが確認できる。1/1000秒の桁は切上げなので、9秒77が正しいのだが、国際グランプリ大会で果たしてこんな初歩的なミスが起こりうるのだろうか。競技役員で写真判定の装置を見ることがあるが、パソコンのモニター上をクリックすればタイムは自動的に表示されるので、ソフトの欠陥である可能性が高いと思う。9秒77でも十分に驚異的な記録なのに何か興ざめしてしまった。
国際グランプリ・カタール大会、男子100mで世界新が出た。
決勝で風にも恵まれ、1着のガトリンが9秒76(+1.7m)。2着のファスバ(ナイジェリア)も9秒84の好記録。ファスバはたぶんベストが10秒09の選手。予選でも+1.1mでガトリン9秒85、ファスバ9秒92。
その他の主な記録。日本人選手は出場していない。
男子800mはアル・アジミ(クウェート)が1分44秒79で昨年世界1位のブンゲイ(ケニア)の1分44秒85を抑えて1位。ただしタイムレースのため直接対決ではない。
円盤投でアクレナ(リトアニア)が69m47、やり投でトルキルドセン(ノルウェー)が90m13の大台に乗せた。今年40歳のゼレズニーが86m07と健在。
女子走幅跳でウドムラトワ(ロシア)が7m02(+1.5m)。2位は7m33の自己記録を持つレベデワ(ロシア)が6m97(+1.7m)。
日本新が2つ出ました。女子走幅跳で好調の池田選手が6m86(+1.6m)の日本新で優勝。女子1500mで高校生の小林選手が4分07秒87。冬の駅伝などを見て杉村選手の日本記録を更新するのは間違いないと思いましたが、いきなり7秒台とは。
池田選手の記録は昨季の世界5位、小林選手の記録は昨季の世界45位に相当。
池田選手の6m86は2回目の試技で出している点も評価されます。ベスト8に入るには3回目までにいかに記録を出すかがポイントになりますので。
その他にも好記録が続出しています。詳細は以下。リザルトは、http://www.iaaf.org/GP06/results/eventCode=3547/index.html
まず男子から。
100mでガトリンがシーズン序盤ながら9秒95(-0.1m)。末続は10秒28、朝原は10秒47。
200mは高平が20秒48(+1.4m)の好記録で優勝。大前も20秒57で3位。
400mは金丸が自己新の45秒41で2位。高校時代の勢いを持続しています。為末は46秒49で5位。
5000mはマサシが13分05秒55の自己新で優勝。日本人1位の徳本も14分切れず。
110mHはLiu Xiang(りゅうしょう・中国)が13秒22(+1.2m)、内藤は13秒64の3位。
400mHは成迫が日本記録に0.04秒と迫る47秒93で3位。昨年の世界6位に相当。優勝は昨年の世界陸上優勝のB.ジャクソンで47秒60。2位のP.イアコヴァーキス(ギリシャ)は47秒82ですが、この選手2003年に48秒17で走っている程度しかデータがありません。
棒高跳の澤野は5m70で2位。
続いて女子。
400mは丹野選手が自己の持つ日本記録に迫る51秒84で優勝。4位久保倉の53秒19も日本歴代3位。
5000mは日本人では杉原の15分25秒05、3位が最高。弘山は15分28秒50で5位。
走幅跳は池田選手のほか、花岡選手は6m54で3位に終わりましたが、4位に中学時代から期待されていた桝見選手が6m53(+1.4m)で入ったのが注目されます。
静岡国際陸上が草薙陸上競技場で開催され、競技役員(情報処理員)として行ってきました。
結果は、
http://www2.wbs.ne.jp/~nagata/t&f/kokusai06.htm
主なところでは、男子棒高跳で澤野選手が5m60、走幅跳で荒川大輔選手が追風2.3mの参考記録ながら7m98。
女子では200mで信岡選手が予選で23秒45(+0.9)、決勝で23秒37(+2.5m)、2位には400m日本記録保持者の丹野選手が23秒55で入りました。走幅跳では今日も池田・花岡両選手の一騎打ち。池田選手が6m75の好記録で優勝、風も1.8mで公認。花岡選手は6m68(+2.7m)と高いレベルの争いでした。
中長距離は目立った記録はなし。男子1500mは小林選手が3分44秒65で優勝。10000mは高岡選手が出場し、注目されましたが、優勝は重川材木店のゲタンタ選手で28分04秒87。日本人は松宮隆行選手の5位が最高で28分11秒89。高岡選手は28分31秒53に終わりました。
女子10000mは大島めぐみ選手が後半独走で32分11秒64。終始安定した走りでした。