殺人的な大阪の気候
世界選手権など、国際イベントで不安なのは治安とか水や食べ物ということになるだろうが、大阪の場合は気象条件だろう。今大会ではその異常な暑さのために競技に異変が起きている。
男子マラソンでは87人中30人がリタイヤ。3000mSCでは早狩選手が残り1周で障害に膝を引っ掛けて転倒、リタイヤした他、男子でも障害での転倒が続出した。オリンピックや世界選手権でこれほど転倒が続出したのは見たことがない。イメージ通りに身体が動かないのだろう。スタート直後でも転倒してしまうのはアップの段階ですでに疲労し、集中力を維持できないことも要因と思われる。
女子10000mでも暑さのため超スローペースになり、混戦となったところで転倒やシューズが脱げるなどのアクシデント。男子20km競歩では優勝者がゴールラインをまたいだ直後に両足痙攣。他にも途中で倒れてしまったり、疲労で歩型を乱す選手が非常に多かった。まさに殺人的な気候だ。
大阪で開催したのが失敗とは言わないが、開催日程は何とかならなかったものだろうか。大阪の夏の暑さの特徴は、日中よりもむしろ夜にある。日が暮れても気温が下がらないのだ。ちなみに今日8月26日でいうと22時の気温が30.1度。開催日を2週間ほど遅らせれば、少なくとも朝晩はかなりしのぎやすくなる。平年値でいえば大阪の8月25日は最高気温32.5度、最低気温24.7度。2週間後の9月8日開幕ならそれぞれ30.3度、22.5度、最終日は28.6度、21.0度となる。まだ男子50km競歩、女子マラソン、女子20km競歩といった種目が残っているが、このままでは致命的な事故が起こってもおかしくない。