「コレステロールに薬はいらない!」(角川書店)
私自身、コレステロールは高めでほぼ220~240を推移している。高脂血症と診断されるのだが、今までも常々ランナーにとってはコレステロールが高めで問題ないというのが持論だった。本書はランナーに限らず、一般的にもコレステロールは通常の基準値(220以下)よりも高い240~260が最も健康的と結論付けている。
コレステロールが高いと心筋梗塞になりやすいと言われており、それは確かにそうなのだが、そもそも日本人の死亡要因はがんが最も高く、心筋梗塞の割合が少ないため、その心筋梗塞誘発率が多少上がったところで大きな影響はない。むしろコレステロールが低くなるほどがんになり、死亡率は高まることの方がよほど問題であるとのこと。
コレステロールは各種ホルモンの原料となるため、これを低下させることはストレスに弱くなったり感染症にも弱くなる。かぜをひきやすい人はコレステロール値が低すぎないか疑ってみたほうがいいかもしれない。ちなみに私はここ20年以上インフルエンザの予防接種も打っていないが、インフルエンザに感染したことはない。
ランナーにとっては、コレステロール低下剤は致命的である。ブドウ糖や脂肪酸からコレステロールを作り出す過程で、必要なプロセスをコレステロール低下剤で遮断するしくみである。しかし、そのプロセスではコレステロールと同時にエネルギーを生み出すために必要な補酵素、コエンザイムQも生産される。したがって、コレステロールの生産が抑制される代わりにエネルギーも生産されない。
持論が間違っていなかったことを確信できた一冊だった。