必修科目の未履修問題
富山県の高岡南高校に端を発した必修科目の未履修問題。10月28日現在、全国で公立だけで286校がその事実を報告したという。私立を含めると400校近くに及ぶという。一部の学校ではすでに補習を開始したようだが、1科目につき50分授業×70回が必要とあって関係者でなくとも心配してしまう。
実際に補習をやるとなると、毎日1時間やったとしても14週間で受験の時期にもろに食い込む。土曜日も使って集中的にやるという手もあるが、該当科目の教諭だけその負担を負うというのも何か理不尽。資格のある他の教諭も動員するのが現実的だが、そうなると補習の質もなにもあったものではないし、生徒も同じ科目だけ集中的に聞いても頭に入らないだろう。まあ実際のところ形式的には行なうが、生徒は他の教科の参考書を広げて勉強、というのが実態となるのではないか。
もう一つ、現高3は補習で何とかなるとして、過去の卒業生は過ぎたことだからいいのか、という問題がある。まさか卒業生を呼び戻して補習させるわけにもいくまい。
そういうことなら、いっそのこと高等学校卒業程度認定試験(高卒認定・旧「大検」)を救済措置として使ったらどうか。現高3も現実離れした補習を行なうのではなく、未履修のまま一旦仮卒業させ、一定期間(例えば3年)以内に該当科目の高卒認定を取得させるのだ。これなら過去の卒業生にも同じ義務を課せば公平になる。ただ、高卒認定は科目が限られていて、例えば音楽とか情報といった科目がないという問題があるのだが。