別大マラソン失敗の原因
いろいろ考えられることはあるのですが、「トレッドミル」「ペース配分」「調整ミス」「血液」の4点について検証してみたいと思います。
1.トレッドミル
これはある程度予想していましたし、ある意味実験的なところもありますが、今回11週間前から週1回のポイント練習をすべてトレッドミルで行いました。しかし、実走との感覚の違いは確かにあるものの、目安としていたキロ3分40~45秒においてそれほど体感に差があるとは認識できませんでした。また、今までもポイント練習はトレッドミル主体でやっていましたが、ここまで極端な失速は初めてであり、トレッドミルが失敗の主因とは考えにくいです。
2.ペース配分
少し実力を過大評価していた点は否めません。5km19分をわずかに切るペースで推移していたらあそこまで失速することはなかったでしょう。22kmまでは5kmを18'34"ペースで突っ込んだのは明らかに速すぎでした。トレッドミルはこの失敗に幾分影響しています。2時間37分前後で行く走力にはまだ達していなかったということです。しかし、「前半速すぎたからと言って後半ここまで落ち込むか?」というのは疑問が残ります。約2年前のつくばマラソンではやはり25kmまで18分台で推移し、前半のきつい感覚は今回とほぼ同程度でしたが、その後キロ4分で落ち込みは止まり、完全なスタミナ切れには至りませんでした。また、2002年の東京国際など、前半無謀なペースで走りながらやはりキロ4分弱で落ち込みは止まっています。ペース配分をミスしても体調さえ良ければ後半粘れるものです。
3.調整ミス
3~4週間前の時点で、はっきりではありませんがピークが来てしまった感じがしていました。それと同時に腰痛、膝関節痛、足の腱鞘炎、風邪のような症状など立て続けに発生し、身体のあちこちが悲鳴を上げていました。夏~秋口の走り込みのベースがないままいきなり実戦練習に入ってしまい、自分の身体の状態をしっかり把握できていませんでした。
4.血液
実は別大マラソンの翌日、血液検査をしました。そこで意外な事実が判明しました。私は比較的中性脂肪の値が高めなのですが、この日の結果は37mg/dlと極端に低い値でした。過去6回の平均値は115mg/dlです。それ以前を遡ってみても67というのが最低値で、37という値は異常です。レース後だから低いというのもありますが、下がるといってもレース直後でもせいぜい30~40%の低下であり、半分とか3分の1になったりはしません(13年前に別大マラソンに出た時、大分医科大の調査があり保管してあったものを参照)ので、多く見積もっても元々60以下という低位にあったということです。
中性脂肪はマラソンのスタミナ切れと非常に密接な関係があることは日本陸連の調査等でも明らかになっており、特にレース後に50を切るような場合は成功の可能性は極めて低いとされています。これは以前自分のホームページにも書きました。
http://net-rc.com/bible_06.html
血液および筋肉中の中性脂肪が枯渇状態となったため、エネルギーをグリコーゲンに依存せざるを得ず、そのグリコーゲンもレース中に枯渇してスタミナ切れとなったと考えるのが最も合理的です。
では、なぜ中性脂肪不足の状態に陥ってしまったのか?思い当たることを挙げてみます。
(1)レース1ヵ月位前から食欲が今一つで、体重がやや減少傾向にあり、体脂肪率は体重計の測定下限(5%)に張り付いていました。特に今になって思うと脂っこいものを無意識に避けていたように思います。夜食も普段のレース前より少なかった気がします。
(2)2週間前あたりから飲み会が多く、アルコールはあまりとらないよう気を付けましたが、カロリーをとりすぎないよう食べ物は野菜をたくさん食べていました。結果的に食物繊維が過剰になって血液中の中性脂肪を流してしまったかもしれません。
最近ここまで極端な失速はありませんでしたが、その間レース前の食事についてはあまり意識していなかったのですが、今後はもう少し気を配る必要があると感じました。「カーボ」も大事ですが、もっと大事なのは「ファット」です。