太陽系惑星は12個になるか?
8月14日からチェコで開かれている国際天文学連合総会で「惑星」の定義が変わるかもしれないと以前書いたが、その原案が公開された。
http://www.astroarts.co.jp/news/2006/08/16planet_definition/index-j.shtml
案によると、
・惑星とは「重力平衡の結果ほぼ球形で、恒星の周りを回り、恒星・衛星でないもの」
・衛星とは「惑星との共通重心が惑星の内部にあるもの」
・黄道面上でほぼ円軌道を持つ惑星を「Classical Planets(古典的惑星?)」という。但し、セレス(火星と木星の間の小惑星帯にある最大の小惑星)は特別に「Dwarf Planet(小人惑星?)」という。
・海王星付近より遠く、軌道と黄道面との傾きが大きく、離心率の高い惑星を「Pluton(冥王星群?)」という。
この結果、
・水星~海王星はClassical Planetsで文句なく惑星。
・セレスは小惑星から「惑星」に昇格。但しDwarf Planet。
・冥王星は惑星の座を維持するも、Pluton。
・冥王星の衛星とされていたカロンは、冥王星との共通重心が冥王星外にあるため、惑星。ただしPluton。
・最近発見され、冥王星よりやや大きいとされる「ゼナ」は惑星。ただしPluton。
以上で、この案が承認されれば惑星は12個ということになる。なお、「月」の場合は、地球との共通重心が地球の内部にあるため惑星ではなく「衛星」になる。
ここで疑問がいくつか出る。
・小惑星帯の中には、セレス以外に重力平衡による球形の天体は他にないのか。
・セドナやクワォワーはカロンよりも大きく、ほぼ球形と認識している。
・もし未知の褐色矮星が存在したら、それは今回の定義では惑星になる。(従来は連星の一種とするのが一般的)
この案が承認されたとしたら、多くの天文ファンは失望するだろう。