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低酸素室の禁止は見送り

世界反ドーピング機関(WADA)は16日、カナダのモントリオールで開いた理事会で低酸素室の是非について検討したが、来年からの禁止は見送った。

http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/feature/news/20060917k0000e050038000c.html

見送りという記事は5月にも出ていたが、これで少なくとも2007年中には採用されないことが確定。しかし、完全に否決されたわけではないので、将来的にドーピング扱いとなる可能性は逆に高まったのかもしれない。

高校生の競技レベルが急低下

2006年の高校総体も終了。今年の総体は、何といっても女子200mで中村宝子(浜松西)が出した23秒48の日本ジュニア新、高校新が光る。その中村を100mで圧倒した高橋(埼玉栄)の11秒63など、女子スプリンターの当たり年となった。

一方で、詳細は「続きを読む」以降に示すが、全般的には過去10年の記録と比較しても低調な記録での優勝が目立った。
過去10年間で8番目以下の種目は、
男子/400m、110mH、400mH、3000mSC、5000mW、400mR、走高跳、走幅跳、三段跳
女子/走幅跳、円盤投

ちなみに過去10年間で3番目以上の種目は、
男子/100mのみ
女子/100m、200m、400m、1500m、3000m、110mH、400mR、1600mR
となっている。

大阪は暑いとか理由はあるだろうが、女子ではちゃんと記録は出ている。男子の競技力低下は深刻と言わざるをえない。
男子跳躍種目は30年位前に遡ってしまったような感がある。新聞等で時々見かける体力テストの結果でも、瞬発力が低下しているようなことを言っている。高校の競技会の役員をやることがあるが、補助員の態度を見ていても女子は比較的真面目にやっているのだが、男子はどこかだらけている気がするのも因果関係があるかもしれない。まだ少子化の影響というには早すぎる。私生活、食生活をきちんと改めなければ数年後にはオリンピックにも選手を出せなくなってしまう。

■男子


種目2006年の
記録
過去10年の
最高記録
過去10年の
最低記録
今年の
記録水準
(過去10年)
100m10秒4110秒3010秒713位
200m21秒1420秒7921秒484位
400m47秒9446秒1847秒9410位
800m1分52秒351分50秒221分53秒076位
1500m3分46秒643分40秒213分51秒785位
5000m13分57秒2113分36秒4414分19秒276位
110mH14秒5013秒9814秒798位
400mH52秒0150秒7852秒069位
3000mSC8分58秒468分52秒539分08秒428位
5000mW22分16秒7521分10秒1722分42秒768位
400mR40秒9240秒1841秒018位
1600mR3分11秒453分09秒673分13秒794位
走高跳2m062m152m069位タイ
棒高跳5m105m405m004位タイ
走幅跳7m477m777m4710位
三段跳15m1215m9015m079位
円盤投53m6657m1451m904位
やり投69m9373m9863m342位
8種競技5743点6235点5724点8位※

※8種競技は砲丸投の重さが変わったため参考。

■女子


種目2006年の
記録
過去10年の
最高記録
過去10年の
最低記録
今年の
記録水準
(過去10年)
100m11秒6311秒6312秒151位
200m23秒4823秒4824秒861位
400m54秒1754秒1755秒901位
800m2分05秒522分04秒002分10秒304位
1500m4分13秒434分09秒604分20秒363位※
3000m9分01秒378分55秒769分18秒343位
110mH13秒5413秒7714秒321位
400mH59秒4158秒6661秒005位
3000mW13分33秒3713分04秒4414分17秒775位
400mR46秒3046秒0247秒082位
1600mR3分43秒273分43秒273分47秒191位※
走高跳1m741m801m715位タイ
走幅跳5m936m335m9310位
砲丸投14m3015m5313m474位
円盤投43m5146m5741m098位
やり投49m5653m7246m994位
7種競技5144点5246点4799点4位

※女子1500mと1600mRは過去6年間。

フラット走法って本当にいいの?

最近の市民ランナーの雑誌は「フラット走法」一辺倒。ランナーズやクリールの7月号にもDVDの付録がついている(メーカーの宣伝だが)。しかし、フラット走法は本当に長距離ランナーの理想の走法なのか?いや、そもそもフラット走法というものを誤って解釈していないだろうか?

実際に付録DVDを見てみると、フラット走法のポイントは、「直立姿勢から前方に倒れこみ、自然に足が出るイメージ」とか「足を引き付ける動き」を強調している。前者はもう20~30年も前から言われていることで、初めて聞くと「なるほど!」と思うかもしれないが、次の1歩は一体どうする? 膝が完全に曲がった状態から伸展させるのはすごいエネルギーを消費する動作だし、重心が完全に落ちてしまっていて、フラット走法でいう上下動のない動きにつながらないのは明らか。全くの間違いである。

次に足の引き付けだが、フラット走法とは本来、上腿と下腿の角度をあまり変えない、膝を少し曲げた状態で股関節のスイングにより推進力を生む走法である。しかし、映像を見るとこれまた20~30年前にスプリントドリルなどで行われていた動きそのもの。下腿の巻き込み・振り出しの動作をしてしまっていて、どちらかというとピストン走法の動きに近い。この動きで重心の真下に着地すると、着地はフラットにはなるが、推進力は得られない。わかりやすく言うと、運動会などの「入場行進」がこの動きに近い。普通の歩行と違い、確かに着地はフラットになるが、歩く速度は遅くなる。しかもこんな動作を長時間続けるのはよほど筋力と持久力に優れていなければできないだろう。また、この動作は上体が直立姿勢でないとできず、「倒れ込み」イメージとは全く矛盾している。

こういうのを見ていると、フラット走法という言葉に踊らされているとしか思えない。映像で解説している動作をマスターしても、フラット着地はできてもその場駆け足にしかならず、スイング動作につながることはないだろう。活字や映像として出す以上、きちんと理解したうえで出してもらいたい。ちなみに、フラット走法とピストン走法はどちらも長所・短所があり、どちらが優れているという結論は出ていない。ちなみにエチオピアのケネニサ・ベケレの弟、タリク・ベケレ(5000m12分55秒)のランニングフォームをたまたま見つけたのだが、極端なかかと着地。

個人的には、初心者はより歩行動作に近いかかと着地が好ましいと思う。歩行は脚をスイングしなければ進まないのと同じで、まずは着地がどうのこうのより、スイング動作をしっかりマスターしてもらいたい。

低酸素室もドーピング?

5月15日の日経新聞夕刊に掲載されていた記事。
「世界反ドーピング機関(WADA)は、モントリオールで開いた理事会と評議会で、低酸素室の禁止を先送りすることを決めた」とのこと。

先送りということは、この件について真剣に議論されていたということで、もし禁止が決定されれば、ドーピングと同じ罰則が適用されることになる。例えば早川選手などが使用しているスポーツハイテク塾の低酸素室や、静岡の草薙陸上競技場にも低酸素室があるが、こういう施設は使用が認められなくなる。

血液ドーピングやEPOは明らかに体外から物質を注入しているのに対し、低酸素室は環境こそ人工的であるが、体内に何か摂取したり注入したりしているわけではない。高地トレーニングだって人工的でないとはいえ、日常生活ではあり得ない環境を(高地への移動により)得ているわけで、大差ないと思うのだが。

東京マラソン

東京マラソン第1回大会の概要が明らかになった。公式サイトもオープンしているが、こちらにはまだ載っていない。

新聞で概要を知って唖然としたのが参加費。フルマラソンは何と1万円。経費がかかるのは理解はできるがこんなに高い参加料金でマラソンの定員2万5千人が果たして集まるだろうか?
申込期間が半年前の8月18日で終わりなんて本気で世界に誇れる大都会市民マラソンを開催する気があるのか?とこれも疑問符。評価できるのは制限時間が7時間というところだけだが、参加者が少なすぎたらランナーがスカスカのまま7時間も道路規制できるのか、これも不安。

こんな大会ですが、皆さんはエントリーしますか?