天文好きとはいえ、どちらかというと天文に関する知識重視で天体観測や撮影はほとんどやったことがありませんが、それでも十分に興味をそそる機器が発売されました。
PENTAXのカメラに装着するタイプのGPSユニット「O-GPS1」(別名「アストロトレーサー」)
http://www.pentax.jp/japan/products/o-gps1/
天体(特に星雲や天の川、銀河)は光量が少ないため、撮影する際は長時間露出しないと写ってくれませんが、そうすると日周運動により星が流れてしまいます。そのため、通常は赤道儀(回転軸を天の北極に向け、日周運動の速度に合わせて回転させる)やコンピューター制御の経緯台を用いたりして、天体を追尾するのですが、機器が大掛かりだったり、高価だったり、設定が大変など、なかなか誰にでも使えるというものではありません。
ところが、アストロトレーサーは、対応するカメラ(現時点ではPENTAXのデジタル一眼レフ2機種)のホットシュー(外付けのストロボ等を取り付ける部分)に装着し、市販の三脚等に固定するだけで自動追尾できてしまうという不思議な装置です。カメラ自体を回転させて追尾するのではなく、カメラは固定して、カメラの手ぶれ防止機能を自動制御して追尾するという、画期的な発想に驚きました。三脚を使わなくても、例えば地面に仰向けに置くだけで追尾可能らしいです。内蔵のGPSと加速度センサーにより、撮影ごとに方位を設定し直す必要もありません。
さすがに赤道儀を使った撮影と比べると精度は甘いですが、重さわずか60g程度、価格も2万円弱というお手軽な設定で、そこそこの撮影ができてしまうということで、メーカーの予想を上回る(?)売れ行きで現在品薄状態のようです。天体撮影の一大革命といっても過言ではないと思います。